健康住宅とは?健康に暮らすための注意点や建てる上でのポイントを解説
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そこで注目を集めているのが「健康住宅」と呼ばれる、住む人の健康を第一に考え設計される家です。自然由来の建築材を使用し、温度や湿度を適切に保てる造りになっており、1年中快適に暮らせる対策が施されています。
本記事では、健康住宅を建てるメリットや建てる上での注意点、ポイントなどについて解説します。
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目次
健康に暮らせる家(健康住宅)とは?
健康に暮らせる家(健康住宅)について、明確な定義はありません。そのため、本記事では建材に使われるアレルギー物質による「シックハウス症候群」、急激な温度差による「ヒートショック」といった、住環境に起因する健康被害を抑えた家のことを健康住宅として紹介します。
住環境は住む人の健康に大きな影響を与えます。人々が健やかに暮らすための健康住宅に必要な要素は、主に以下の3つです。
- 化学物質の低減
- 良好な室内環境
- バリアフリー設計
まず、健康住宅に必要な要素で重要なのは、住宅建材に使われる化学物質の低減です。さらに室内の温度や湿度を適切に保つことで、快適な生活環境の実現が可能です。適切な換気システムを設ければ、新鮮な空気を確保してカビやダニの繁殖を防げます。
バリアフリー設計も、高齢者や身体に障害を持つ人々が生活するために必要です。段差がない平らな床面・手すり・十分な幅のある通路などの設備が整っており、体が不自由でもケガのリスクを抑えられ快適に暮らせる家なら、広い意味での健康住宅と呼べるでしょう。
健康と住宅は大きく関係している
健康と住宅は密接に関係しています。住む家によって、さまざまな健康被害に遭うケースもゼロではないのが現状です。住環境が主な原因で発生している健康被害としては、以下の3つが挙げられます。
- シックハウス症候群
- ヒートショック
- 熱中症
いずれも住む人の健やかな暮らしを脅かすものです。それぞれの健康被害について、症状や原因を詳しく見ていきましょう。
シックハウス症候群
「シックハウス症候群」とは、建材や家具など家に関わるものから発生する科学物質に起因する健康被害です。住宅の高気密化が進んだこと、暮らし方の変化により換気をする機会が減ったことなどが原因で起こるケースが多いです。(※)
シックハウス症候群の症状としては、以下に挙げる5つの症状が代表的です。
- 目がチカチカする
- 鼻水
- 喉の痛み
- 吐き気
- 頭痛
※出典:国土交通省住宅局の資料 「 快適で健康的な住宅で暮らすために 改正建築基準法に基づくシックハウス対策 」
住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられるシックハウス症候群に関する問い合わせ件数は年々減少傾向にあるものの、年100件を超えている状況です。
シックハウス症候群に関する問い合わせが多い理由として、2003年に日本の建築基準法が改正され、新築住宅におけるシックハウス症候群対策が義務付けられたことが考えられます。
新築住宅を建てる際には、換気設備の設置義務化や、特定の有害物質を含む建築建材の使用制限など、シックハウス症候群への対策をしっかり行わなければなりません。
その中でも特に重要なのが、下記の2つの化学物質です。
- クロルピリホス
- ホルムアルデヒド
いずれも健康被害が懸念されており新築で建てる上で、クロルピリホスは使用が禁止されており、ホルムアルデヒドを使用する際にはさまざまな規制があります。(※)
※出典:国土交通省住宅局の資料 「 快適で健康的な住宅で暮らすために 改正建築基準法に基づくシックハウス対策 」
防蟻剤・木材保存剤などに使用されるクロルピリホスは、人体に入ると、けいれんやめまい、吐き気、頭痛などを引き起こす危険な科学物質です。
合板、パーティクルボードなどに使用されるホルムアルデヒドは、シックハウス症候群を引き起こす主な原因となる化学物質として知られています。特に強い刺激臭で目や鼻に刺激を与え、せきやくしゃみを生じさせ、ひどい場合には呼吸困難をも引き起こす物質です。
ヒートショック
ヒートショックとは急激な温度変化によって体がストレスを感じ、それが原因で健康が悪影響を受ける現象のことです。(※)
※出典:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 「 入浴時の温度管理に注意してヒートショックを防止しましょう 」
冬の時期に暖房の効いた室内から寒い外へ出たり、逆に寒い外から暖房の効いた室内へ入ったりするときに起こりやすいとされています。家の中でヒートショックが起こりやすい場所としては、冬場の寒い浴室や脱衣所・トイレが代表的です。
また、リビングや寝室など普段使用している部屋のみで暖房を使っていた場合も、使っている部屋と使っていない部屋で温度差が生じるため、ヒートショックが起こりやすいでしょう。
ヒートショックによる急激な温度変化は、血圧の乱高下を引き起こし、最悪の場合は心筋梗塞や脳卒中などの重大な健康被害を引き起こす可能性があります。
熱中症
「熱中症」と聞くと屋外で発症するイメージがあるかもしれませんが、実際には家の中で熱中症になってしまうケースは多くあります。
総務省消防庁によれば、2023年7月10日~16日における熱中症の発生場所(速報値)は、約39%が住居であるという結果が出ています。室内にいても熱中症にかかってしまう人が多いのが事実です。(※)
※出典:総務省消防庁 「 令和5年7月の熱中症による救急搬送状況 」
屋内で熱中症になる原因は、適切に冷房が使用されていなかったり、換気が十分にされていなかったりとった状況です。特に乳幼児や高齢者は、体温調整が難しい部分があるので、知らない間に熱中症になってしまうケースも多々あります。
エアコンを使用して適切な温度にするのはもちろん、風通しの良い環境を作ることが家における熱中症対策にとって重要です。
健康住宅を建てるメリット
健康住宅は住む人の健康を考慮した設計・建築材料を用いて建てられています。健康住宅に住めば、アレルギーやシックハウス症候群のリスクが低減し、快適な生活環境を実現しやすいです。
実際に健康住宅を建てるには、初期投資が必要です。しかし健康維持とエネルギー効率の向上により、長期的には経済的なメリットもあります。
健康住宅を建てる主なメリットは、以下の3つです。
- 自宅でストレスなく過ごせる
- 住宅の寿命を延ばすことにつながる
- リラックス効果が得られる
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
家でストレスなく過ごせる
家はストレスから解放され、心地よく過ごせる場所であってほしいと思っている人が多いでしょう。
しかし、建築材料に含まれる化学物質が原因でシックハウス症候群を引き起こすような状態では、くつろいでいる時間にも健康が害され、家がリラックスできる場所ではなくなってしまいます。
住む人が健康で活力に満ちた生活を送るための住環境が整っている健康住宅なら、心身ともにストレスを感じにくい生活が可能です。健康住宅の建築では、有害な化学物質に対する適切な対策がされているため、シックハウス症候群の発生リスクが減ります。特に、敏感な肌を持つ赤ちゃんがいたりペットを飼っていたりする家では、シックハウス症候群への対策をしっかりと行うことが必要です。
家の寿命を延ばすことにつながる
健康住宅として設計・建築された家は、住む人が長く健やかに暮らせるだけでなく、家そのものの寿命も長いのが特徴です。
例えば高い断熱性と気密性を備えた健康住宅は、夏冬問わず室内の温度と湿度を適切に保てます。結果として結露の発生を抑えられ、水分による木材の腐食やカビの発生を防ぐことが可能です。劣化が少なければ、建物の寿命は延びます。
家を新築したとしても、築年数が経過して塗装や建材が劣化すればリフォームをしなければなりません。劣化が早く損傷が激しい場合は、より早期のリフォームが必要です。家を修繕しても住み続けられなくなるまでの年数も、短くなってしまうでしょう。
なお、劣化しにくい健康住宅を建てるには、それなりの初期投資が必要です。しかしリフォームや修理・再塗装といったメンテナンスにかかる費用を削減できるため、長い目で見れば安く済む可能性が十分にあります。
リラックス効果が得られる
健康住宅では、有害物質を含む建築材を極力使用せず、国産の無垢材など体に優しい木材を使用します。
無垢材は自然から切り出した木材をそのまま使用しているため、リラックス効果のある木の香りを楽しめるのが魅力です。自然そのままの香りを吸い込めば、自然と一体になったかのような感覚を得られるかもしれません。
さらに無垢材は調湿作用を持つため、湿度を適切に保つことで、室内の空気を清潔に保ち快適な生活空間を作り出します。温度調節機能も無垢材を使った健康住宅の強みです。冬は暖かく、夏は涼しく室内の温度を保てます。
無垢材が使われている健康住宅に住むことで、快適な温度・湿度により安らげるのがメリットです。心も体もリラックスできる健康住宅に一度住めば、その良さを体感できるでしょう。
健康住宅を建てる上での注意点
健康住宅を建てようと考えた場合、注意すべき点がいくつかあります。特に初めて健康住宅を新築しようと思っている人が覚えておきたいのは、以下に挙げる3つのポイントです。
- 建築費用が高くなる
- 引き渡しの際には必ず性能を検査する
- 自宅周辺の環境もチェックする
家を建て始める前に行っておきたいポイントも取り上げているので、それぞれの内容を確認しながら、健康住宅を建てる計画を進めましょう。
建築費用が高くなる
健康住宅の建築には、天然の木材などの高品質な素材が用いられることが多く、これが建築費用を押し上げる一因となります。
特に無垢材のような天然素材は、美しさや自然な香り、優れた調湿性能などから健康住宅に採用されやすい傾向です。ただし、これらの素材は一般的な建築材料に比べて、コストが高くなっています。
さらに無垢材は独自の劣化を引き起こす可能性もあり、定期的なメンテナンスが必要です。無垢材を使用する場合は、長期的な視点で見て維持管理の費用も予算に入れておくとよいでしょう。
また健康住宅の需要が高まる中で、比較的安価な健康住宅を提供する施工会社も増えているのも事実です。コストを抑えつつも、健康住宅としての基本的な性能が確保された家を建てられます。
健康住宅を建てる際には、初期費用と維持管理費用・住宅の性能から見た耐久性のバランスを考え、多角的に予算や依頼先を検討することが大切です。
引き渡しの際には必ず性能を検査をする
健康住宅を建てる際には、性能を確認するための検査が不可欠です。
健康住宅とうたっていても、実際のところは気密性や断熱性が低く、適切な室温を保てない場合が稀にあります。部屋間で温度差が発生するといった問題が生じるケースもゼロではありません。
その他、建築材料についても注意が必要です。例えば、木材そのものは天然由来のものを使用していたとしても、フローリングのワックスにシックハウスを引き起こしやすい化学物質が使用されているといったケースもあります。
そのため施工会社との契約時には、どの建築材を使用するのか、化学物質が含まれるものはどの程度使用されるのかを明確にしておくことが重要です。引き渡しの際には、「気密測定検査」をはじめとした専門的な検査を行い、建物の性能を確認しましょう。検査は専門家を交えて行うことで、より正確な結果を得られます。
健康住宅を建てて暮らし始めるには、計画段階から引き渡し時の検査まで、それなりの手間がかかることを覚えておきましょう。
自宅周辺の環境もチェックする
健康住宅を建てる際には、家の中の環境だけでなく、自宅周辺の環境も大切な要素です。
例えば、自宅が交通量の多い幹線道路に面している場合、排ガスによる健康被害が懸念されます。騒音や振動によるストレスも無視できません。このような要素は、長期的に見ると健康に悪影響を及ぼす可能性が十分にあるでしょう。
さらに周辺に学校や商業施設がある場合、その活動による騒音や人通りの多さなども考慮しなければなりません。日常生活の快適性やプライバシーに影響を及ぼす可能性があります。
健康住宅を建てる際には、家を建てる場所や位置、周辺環境などについても慎重に検討することが大切です。住む土地を決める段階から、健やかな暮らしをイメージして、丁寧にリサーチを進めましょう。
健康で暮らすための家づくりのポイント
人々の生活の中心には家があります。健康に暮らせる住宅を建てるに当たっては、どのように家づくりを進めるべきでしょうか。健康住宅の建築には、ただ単に美しい家を建てるだけではなく、住む人の健康を考慮した設計と素材選びが求められます。
健康的に暮らすことに焦点を置いたときの家づくりのポイントは、以下の4つです。
- 自然由来にこだわった建築材を使用する
- 断熱性や気密性を高める
- 計画換気を実施する
- 自然光を採り入れる
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
自然由来にこだわった建築材を使用する
注文住宅を建てる際には、素材選びが重要なポイントです。特に健康を考慮した家づくりでは、自然由来の建築材の使用が推奨されています。外国産の安価な木材は建築コストを抑えられる一方で、化学由来の防腐剤や接着剤が使われています。これらの化学物質は、シックハウス症候群の原因となる可能性があります。
一方で、国産のナチュラルな無垢材を使用することで、シックハウス症候群のリスクを低減することが可能です。無垢材は化学物質を含まないため、室内の空気の質を保てます。また、湿度を調節する性質がある無垢材は、カビやダニの発生を防ぐ効果がある点でも健康住宅に向く素材です。
そのため健康に配慮した家づくりを目指すなら、自然由来の建築材を選ぶことが大切です。
断熱性や気密性を高める
健康住宅の主要な特徴として、断熱性や気密性の高さが挙げられます。断熱性や気密性が高い住宅は、外部の気温変動から室内を守り、一定の温度を維持することが可能です。室内の温度の変化が少なければ、急激な温度変化によるヒートショックのリスクが低減され、住まいとしての安全性と快適性が向上します。
しかし、こうした高性能な住宅の建築には、専門的な技術と豊富な経験が必要です。健康住宅を建てる際には、施工会社の技術力を確認し、採用されている工法を理解しておきましょう。また施工実績をチェックし、その施工会社が高品質な家づくりを行えるかを見極めることも大切です。
計画換気を実施する
現代の新築住宅は気密性が高く、自然換気が行われにくいのが難点です。そのため、健康住宅では「計画換気」が必要不可欠とされています。計画換気とは、以下に挙げる内容を実現できるように計画して換気することです。
- 全ての居住空間新鮮な空気を行き渡らせるため、家の中に一方通行の空気の流れを作る
- 湿気が多い・空気が汚染される可能性がある場所から直接排気して、他の空間に影響が出ないようにする
家の空気を一定の割合で自動的に入れ替えるシステムが、「計画換気システム」です。2003年の改正建築基準法により、住宅の24時間換気が義務付けられました。計画換気により、室内の湿度を適切に保つことでカビの発生を防ぎ、新鮮な空気を供給できます。
一般的に家に用いられる計画換気の方法は、全熱交換型換気と局所換気の2種類があります。全熱交換型換気は、室内の排気熱を利用して新たに取り入れる外気を暖めるシステムで、エネルギーの無駄を抑えられます。局所換気は特定の場所だけを換気するシステムで、キッチンや浴室などの湿度が高い場所で効果を発揮します。
注文住宅を建てる際には、施工会社や設計士と相談して、適切な換気方法を選択することが大切です。
自然光を採り入れる
自然光は、室内環境を快適に保つために重要な要素です。窓や開口部から入る自然光には、居住者に開放感や広さを感じさせる心理的な効果があります。
自然光は人間の視覚や心理に作用し、生活空間を明るく広く、快適に感じさせます。また、窓から採光できる光の量が多ければ、照明や暖房のエネルギー消費を抑えられるため、環境に優しい暮らしができるのもメリットです。
さらに、自然光は人間の生活リズムに影響を与え、健康的な生活をサポートします。太陽の光が家の中に入る環境では、人間は体内時計を日の出と日の入りに合わせて調整することが可能です。良好な睡眠パターンを維持できたり、日中の活動が促進されたりといった効果が見込めます。
健康に暮らせる家を建てようと思っている場合は、太陽の光を最大限に活用する設計や工夫を取り入れましょう。
注意点やポイントを抑えて健康に暮らせる家を建てよう
健康住宅とは、住む人の健康を考慮した家のことです。具体的には、有害な化学物質への対策を施した建材・構造や断熱性・気密性の高さ、計画換気システムの設置など、住環境を快適に保つための工夫が施された家を指します。
健康住宅で暮らすメリットとしては、ストレスなく生活が送れることが挙げられます。化学物質の影響を受けにくく、室内環境が快適であるため体調を崩しにくいのも利点です。
自然光を採り入れれば、より心地よい生活空間が実現するでしょう。本記事で紹介した家づくりのポイントを踏まえた上で、自分のライフスタイルに合った家づくりをしてください。
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