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費用が気になる方へ。注文住宅の購入に必要な頭金とその費用相場

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費用が気になる方へ。注文住宅の購入に必要な頭金とその費用相場

注文住宅を建てるときは、住宅ローンと頭金を組み合わせて支払いを行うケースが一般的です。ただし「そもそも頭金は何のためのものなのか」「どのくらいの頭金が必要なのかがよく分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。無理のない資金計画を立てるためには、頭金についてしっかり確認しておくことが大切です。

本記事では頭金の基礎知識はもちろんのこと、目安となる費用内訳、支払うメリット、頭金がある場合とない場合のシミュレーションなどについて解説します。注文住宅を建てようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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目次

頭金とは?

頭金とは、ローンを組んで何らかの商品やサービスを購入する際に自己資金で先払いするお金のことを指します。

注文住宅購入にかかる費用は、大きくまとめると購入金額+諸費用です。一般的に購入金額は、自己資金から現金で用意する頭金と住宅ローンで支払います。ただし頭金の額は決められていないため、自身の手持ち金を考慮して注文住宅購入者が決める必要があります。

頭金の相場は? 注文住宅を購入した人の平均額

注文住宅を購入した人の平均額

ここからは、注文住宅を購入した人の頭金の平均額を紹介します。住宅金融支援機構が公開している「2021年度フラット35利用者調査」の情報によると、フラット35の利用者のうち土地を持っていて注文住宅を購入した人の頭金(手持金)と所要資金(建設費と土地取得費の合計)の平均額は以下の通りです。(※)

頭金(手持金) 所要資金 頭金の比率
全国 596.6万円 3,572.4万円 16.7%
首都圏 737.5万円 3,899.4万円 18.9%
近畿圏 676.6万円 3,777.5万円 17.9%
東海圏 581.1万円 3.650.4万円 15.9%
その他の地域 522.2万円 3,371.9万円 15.5%

頭金の所要資金に対する割合は15.5%~18.9%となっています。首都圏や近畿圏の頭金の平均額は、全国平均の約596万円(16.7%)よりもやや高くなっているのが特徴です。

一方、注文住宅だけでなく土地も購入した人の頭金と所要資金の平均額は以下の通りです。

頭金(手持金) 所要資金 頭金の比率
全国 412.3万円 4,455.5万円 9.3%
首都圏 508.7万円 5,132.6万円 9.9%
近畿圏 429.6万円 4,658.5万円 9.2%
東海圏 378.1万円 4,379.2万円 8.6%
その他の地域 354.6万円 3,980.4万円 8.9%

土地込みで注文住宅を購入する場合、所要資金に対する頭金の比率が8.6%~9.9%と低めになっています。頭金(手持金)の全国平均は約412万円(9.3%)で、注文住宅のみを購入した人よりも少ないです。(※)

なお一般的に手持金は購入の際に用意した自己資金を指し、厳密には手付金や諸費用などが含まれます。頭金として使えるお金は手持金のうち諸費用などを引いた金額となるので、実際に頭金の額を検討する際には、ここで紹介した金額よりやや低くく見積もっても良いでしょう。

※出典:住宅金融支援機構「 2021年度フラット35利用者調査

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頭金はいつ払う?

頭金は、注文住宅の売買契約の締結後から、着工・引き渡しまでの間に支払います。具体的な支払い時期は、建築会社の担当者と相談しながら決めてください。手付金とは支払いタイミングが異なるため注意しましょう。手付金は注文住宅の売買契約時に支払う必要があります。

頭金は現金で支払うのが一般的

原則として頭金は現金払いが基本となります。建築会社にもよりますが、一般的には銀行振り込みで支払います。クレジットカード決済が可能な場合も、分割払いやリボ払いは利用できず、一括払いのみが利用可能であることがほとんどです。

頭金は多く支払った方が良い?

そもそも、なぜ頭金を支払うのでしょうか。頭金をなるべく多く支払うことでさまざまなメリットを得られます。

頭金を支払える余裕があれば多く払った方が良い

自己資金に余裕がある場合、なるべく多くの頭金を支払うことをおすすめします。「住宅ローンの審査が通りやすい」「住宅ローンの金利を抑えられる」などの可能性があるためです。

住宅ローンの審査が通りやすい

注文住宅購入の際に頭金を支払うと、住宅ローンの審査が通りやすいというメリットがあります。住宅ローンで借りられる額の上限は、年収に対して決められています。頭金があればローン借入額が少なくなるため、年収が低かったとしても審査に通りやすくなるのです。

住宅ローンの金利を抑えられる

同じ返済期間を設定する場合、借入金額が少ない方が月々に支払う返済金額も少なくなります。毎月の返済額が抑えられれば、家計にも余裕が出やすいです。

また住宅ローンの金利を抑えられるのも重要なポイントです。ほとんどの住宅ローンは一定以上の金額の頭金を支払うことで、金利が低くなる仕組みになっています。金利が低くなれば、その分だけ住宅ローンの利息の支払い額が減るため、返済金額を抑えることが可能です。

頭金支払い時に手元に残しておくべき金額はいくら?

頭金の支払い時に、手元に残しておくべき金額はいくらでしょうか。手元資金として、手付金や諸費用、引っ越し費用、6カ月分などの生活費などを確保しましょう。

手付金や諸費用を考慮しておく

住宅を購入する際は、手付金や諸費用も現金で支払わなければなりません。そのため頭金とは別に、手付金や諸費用の支払いに使う自己資金を確保しておく必要があります。

なお、手付金は頭金とは別物です。手付金は、売買契約を結んだときに支払う必要があるお金です。売買契約を締結した後に買い主の都合でキャンセルした場合、手付金はキャンセル料として売り主に全額渡り、返金はありません。逆に売り主の都合でキャンセルしなければならなくなった場合は、買い主に手付金の倍額が支払われる仕組みです。

手付金も頭金と同様、決まった金額はありません。売り主と買い主の間で交わす契約によって決まります。

引越し費用や家具家電の購入費を考慮しておく

注文住宅に引っ越すときの費用や、新しく家具家電を購入する費用も考慮しておきましょう。頭金の支払いに貯蓄のほとんどを当ててしまうと、引越し費用などを捻出できなくなります。

生活費の6カ月分は確保しておく

少なくとも6カ月分の生活費を確保しておくことも大切です。生活をしていく中で思わぬ出費が発生することもあります。注文住宅を建てるときは、頭金を用意するだけでなく、手付金や諸費用、引越し費用、6カ月分の生活費なども含めて、現金を確保しておきましょう。

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頭金ゼロでも注文住宅は購入できる?

頭金ゼロでも注文住宅を購入することは可能です。その場合、注文住宅購入にかかるほぼ全ての費用を住宅ローンで支払うことになります。

近年の住宅ローンは低金利であり、住宅ローン控除など税制優遇が受けられる制度も充実しています。ただし頭金ゼロで注文住宅を購入する場合、注意すべき点もあります。

頭金ゼロで注文住宅を購入する場合の注意点

「頭金を払いたくても余裕がない」という人もいるはずです。頭金ゼロでも注文住宅は購入できますが、後々後悔しないように以下に挙げる注意点を抑えておきましょう。

頭金ゼロでも一定額の現金が必要

注文住宅をフルローンで購入するとしても、手付金の他、仲介手数料や登記費用、保険料などにかかる諸費用は現金で支払わなくてはなりません。住宅ローンは不動産の支払いに利用するローンなので、それ以外の支払いには利用できないからです。頭金を支払わないとしても、基本的には諸費用を支払う現金を用意しておく必要があります。

ちなみに、諸費用の支払いに充てるための諸費用ローンもあります。諸費用ローンを組めば諸費用をローンで支払えますが、住宅ローンとは別に借入しなければなりません。借入金利がさらに増えてしまうため、返済が大変になり家計が圧迫されてしまう恐れがあります。その点も踏まえ、よく考えてから利用してください。

月々の返済額が高くなる

住宅ローンの利息は、借入金額に比例して増えます。そのためフルローンで注文住宅を購入した場合、月々の返済額が高くなるということを認識しておきましょう。

例えば3,000万円の注文住宅を購入する場合、頭金ゼロで購入すると3,000万円に対して利息がかかってしまいます。しかし頭金が300万円あれば、借入金額は2,700万円になるため、300万円分の利息が抑えられることになるのです。

頭金を払う場合と比較して金利が高くなる場合がある

頭金ゼロで住宅ローンを借りると金利が高くなるケースがあるため、注意しましょう。例えば、住宅金融支援機構のフラット35の場合、融資率(借入額が占める割合)が9割を超えると金利が割高になります。

“融資率が9割を超える場合は、融資率が9割以下の場合と比較して、ご返済の確実性などをより慎重に審査させていただくとともに、お借入額全体の金利を一定程度高く設定させていただきます(お借入金利は、取扱金融機関によって異なります。)。”

※引用元:住宅金融支援機構「 融資率とは

住宅ローンの審査が厳しくなる

頭金ゼロで住宅ローンを申し込んだ場合、金融機関は確実な返済能力があるか、より慎重に利用者を審査します。そのため住宅ローンの審査が厳しくなることを認識しておきましょう。

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頭金がある場合とない場合でどちらがお得?

ここからは頭金がある場合とない場合でどちらがお得なのか、具体的にシミュレーションしていきます。

【具体例】3,000万の注文住宅を購入した場合

例えば、3,000万の注文住宅を35年ローンで購入した場合を考えてみます。頭金ゼロの場合と、頭金2割を支払った場合で、それぞれ住宅ローンの総支払額をシミュレーションしてみましょう。

住宅ローン借入額 金利(仮定) 借入期間
頭金ゼロの場合 3,000万円 年2.22% 35年
頭金を2割支払った場合 2,700万円 年1.96% 35年

頭金ゼロの場合の総支払額

頭金ゼロの場合、借入額は3,000万円です。年2.22%の金利で35年かけて返済する場合、総支払額は約4,318万円になります。月々の支払額は約10.3万円です。

頭金を2割支払った場合の総支払額

頭金を2割支払った場合、借入額は2,700万円です。頭金を支払った場合、頭金ゼロよりも金利を抑えられる可能性があり、年利1.96%で35年かけて返済する場合、頭金を含めた総支払額は約4,033万円で、頭金ゼロの場合と比較すると約285万円お得です。また月々の支払額は約8.9万円で、こちらも頭金ゼロの場合より約1.4万円お得になります。

【貯金がない方向け】頭金を貯めるか頭金ゼロでローンを組むかどちらがお得?

貯金がなくて頭金を捻出できない場合、頭金を貯めるか頭金ゼロでローンを組むか、どちらの方がお得なのでしょうか。

頭金を貯めている間に金利が上がる可能性がある

頭金を貯める場合には、その間に金利が上がってしまう可能性があります。先ほどのシミュレーションのように、金利が少し上がるだけでも、長期的にみると数百万円単位の損が出ることも。もし頭金を貯める場合は目標額を決め、あまり時間をかけずに貯金することが大切です。

頭金を貯めている間は家賃がかかる

賃貸住宅に住んでいる場合は、頭金を貯めている間も家賃の支払いが必要です。例えば家賃8万円の賃貸住宅の場合、1年間で96万円の家賃負担が発生します。1年間で96万円以上の頭金を貯められなかった場合、家賃負担が頭金の貯蓄を上回り、結果としてマイナスになってしまいます。

頭金ゼロで購入した方が老後資金を残せる

貯蓄が乏しい場合は、頭金ゼロで注文住宅を購入した方が、老後に必要な手元資金を残せます。無理をして貯蓄をするよりも、早めに快適な住まいを確保し、コツコツ返済していく方が将来的な安心につながりやすいです。

資金計画をしっかり立ててから注文住宅の頭金を用意しよう

注文住宅を購入するときに頭金を支払うと、住宅ローンの審査に通りやすい、金利や保証金が抑えられる、月々の返済が楽になるなどさまざまなメリットがあります。頭金を用意する場合は、諸費用や今後の生活費などを考慮した上で現金を用意しましょう。

なおフルローンを用意している金融機関を利用すれば、頭金ゼロでも注文住宅を購入できます。ただし諸経費は現金で用意しなければならず、利息の負担も大きくなるためしっかり検討するようにしてください。

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