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省エネ住宅とは?家計にも環境にも優しい家づくりのための基礎情報

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省エネ住宅とは?家計にも環境にも優しい家づくりのための基礎情報

近年、カーボンニュートラルやSDGsといった環境問題への意識は、国内外でますます高まっています。注文住宅を含めたマイホームの購入を検討する人の中には、「環境に優しい家づくりがしたい」と省エネ住宅を選択肢に入れていることもあるでしょう。優れた省エネ性能を持つ注文住宅は、長期的に光熱費の出費を抑えられるため、環境だけでなく家計にもやさしい暮らしを実現可能です。本記事では、省エネ住宅の基準や種類、省エネ住宅に適用される補助金などについて解説していきます。

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目次

省エネ住宅とは?

まずは、そもそも省エネ住宅とはどのような家のことを指すのか、基本的な情報を紹介します。

エネルギー消費を抑えられる住宅

省エネ住宅とは、冬は暖かい空気を室内に閉じ込めて、夏は太陽や外気の熱が室内に入らないようにする構造が採用されている住宅です。室内外の空気が出入りしないよう隙間を減らすことを「気密」、室内の空気を逃さないようにする性能を「断熱」、外からの熱を侵入させないようにする性能を「日射遮蔽」と言います。

まるで魔法瓶のように室内の空気を保温するため、エアコンや暖房を過度に使用しなくても快適に暮らせます。夏場や冬場において光熱費の節約にも繋がり、家計にやさしい暮らしを実現可能です。また、部屋ごとの寒暖差も少なくなるため、冬場のヒートショックのリスクを抑えることができます。

ただし、機密性や断熱性の高い住宅には室内の空気がこもってしまうというデメリットもあります。そのため、こまめに換気を行うことが重要です。

自然エネルギーを活用した住宅

省エネ住宅には、自宅で電気を創る太陽光発電システムにプラスして、創った電気を暮らしで活用する蓄電池・電気自動車・エネファームなどの設備が備わっています。

自宅で創った電気が省エネにつながる理由は、発電方法とCO2排出量の関係にあります。環境省の調査によると、家庭における年間のCO2排出量のうち64%が電気によるものです。(※1)特定非営利活動法人環境エネルギー制作研究所の調査によると、国内の発電電力量のうち72.4%を、CO2排出をともなう発電方法である火力発電が占めています。(※2)

そのため、自宅で創った自然エネルギーを暮らしに活用する仕組みを整えることで、CO2排出量を削減し、カーボンニュートラルに貢献できます。カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出を全体でゼロにする施策のことです。

※出典:環境省 家庭部門の CO2排出実態統計調査における 主要項目の経年比較及び CO2排出量の変化要因分析(参考資料)

※出典:ISEP 環境エネルギー政策研究所 2022年の自然エネルギー電力の割合(暦年・速報)

省エネ住宅かどうかの評価基準

省エネ住宅は国によって評価基準が定められており、各項目の基準数値を上回っている住宅が省エネ住宅として認定されます。ここからは、省エネ住宅かどうかを判断するために使われる以下の3つの基準をみていきましょう。

  • 外皮性能
  • 一次エネルギー消費量
  • 住宅性能表示基準

外皮性能

外皮性能とは、住宅の断熱性に関する指標です。外皮は外壁・床・屋根・窓などの外気と触れる部分を指しています。外皮性能は、「UA値(外皮平均熱貫流率)」と「ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)」という2つの指標で示されます。

外皮性能の基準値は地域によって異なっており、国によってエリアごとに8つのカテゴリに分けられて示されています。この地域ごとのカテゴリは「地域区分」と呼ばれていて、各都道府県の県庁所在地の区分は以下の通りです。

地域区分 県庁所在地が各区分に属する都道府県
1 該当なし(北海道旭川市・釧路市・夕張市など)
2 北海道
3 岩手県
4 青森県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、長野県
5 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、新潟県、富山県、山梨県、滋賀県、奈良県
6 千葉県、東京都、神奈川県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、佐賀県、大分県
7 高知県、福岡県、長崎県、宮崎県、鹿児島県
8 沖縄県

(※)

なお、同じ都道府県・市町村でも、場所によって異なる区分に分類されている場合がありますのでご注意ください。

※出典:国土交通省 地域区分新旧表

UA値(外皮平均熱貫流率)

外の気温から室温が受ける影響について示した数値がUA値(外皮平均熱貫流率)です。UA値が小さいほど、室内と外気で熱が出入りしづらいことを示しています。算出方法は以下の通りです。

  • UA値(W/㎡・K)=単位温度差当たりの外皮総熱損失量÷外皮総面積

2023年現在、地域区分ごとの省エネ住宅の基準値は以下のようになっています。

省エネ住宅の種類 1地域 2地域 3地域 4地域 5地域 6地域 7地域 8地域
省エネ基準 0.46 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87
ZEH基準 0.40 0.40 0.50 0.60 0.60 0.60 0.60
ZEH+基準 0.30 0.30 0.40 0.40 0.50 0.50 0.50

(※1~3)

※出典:国土交通省 【参考】住宅における外皮性能

※出典:経済産業省資源エネルギー庁 ZEHの定義(改定版) <戸建住宅>

※出典:経済産業省資源エネルギー庁 ZEH+の「外皮性能の更なる強化」の暫定措置の今後の取扱いについて

ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)

ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)は、太陽日射の強い夏場に、日射から室温が受ける影響について示した数値です。ηAC値が小さいほど日射が入りにくく、室内の涼しさを保つことができます。ηAC値の算出方法は以下の通りです。

ηAC値=単位日射強度当たりの総日射熱取得量÷外皮総面積×100

2023年現在、地域区分ごとの省エネ住宅の基準値は以下のようになっています。

1地域 2地域 3地域 4地域 5地域 6地域 7地域 8地域
省エネ基準 3.0 2.8 2.7 6.7

(※)

※出典:国土交通省 【参考】住宅における外皮性能

一次エネルギー消費量

一次エネルギー消費量とは、省エネ性能の効果と、太陽光発電の創エネルギー性能を測る数値です。BEIという数値が使われており、以下に挙げる計算式で算出します。

  • BEI=設計一次エネルギー消費量÷基準一次エネルギー消費量

BEIを算出するために必要な「基準一次エネルギー消費量」と「設計一次エネルギー消費量」の詳細については、次の項目で解説します。

基準一次エネルギー消費量

基準一次エネルギー消費量は、省エネ性能のない建材・設備を採用した住宅における標準的なエネルギー消費量のことです。冷暖房・換気設備・照明・給湯などを使用した場合にかかるエネルギー消費量を試算した数値が用いられます。

設計一次エネルギー消費量

省エネ手法を採用した住宅でのエネルギー消費量から、太陽光発電システムなどによる創エネルギー量を引いた数値が設計一次エネルギー消費量です。省エネ住宅では設計一次エネルギー消費量の方が少なくなり、BEI≦1.0であれば省エネ基準を満たしています。

住宅性能表示基準

国土交通省による「住宅性能表示制度」では、UA値やηAC値をもとに住宅の性能を表す基準が設定されており、ハウスメーカーや工務店のカタログやWebサイトでも自社の住宅性能をアピールするために使われています。2022年10月に行われた法改正で等級が新設されたことで、2023年現在は断熱性能が等級1〜7に区分されて示されるようになりました。省エネ基準を満たすのは等級4以上で、それぞれ以下に挙げるような性能を示しています。

等級 断熱性能等級 一次エネルギー消費量等級
等級7 エネルギー消費量を約40%削減
等級6 エネルギー消費量を約30%削減 ZEH基準 (省エネ基準-20%)
等級5 ZEN基準 省エネ基準-10%
等級4 省エネ基準 省エネ基準

※出典:国土交通省 住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設

省エネ住宅の種類

省エネ住宅と称される住宅は、大きく分けて以下に挙げる3種類に分けられます。

  • ZEH
  • LCCM住宅
  • スマートハウス

ここからはそれぞれの省エネ住宅の種類について、解説していきます。

ZEH

ZEHは、「エネルギー消費量を大幅に減らしつつ、自然エネルギーを活用する」という自給自足の状態を実現できるのが、ZEH水準を満たした住宅です。ZEHの名称は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の頭文字から取られていて、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」を意味します。

ZEHの認証基準として、以下の2つが設けられています。(※)

  • 強化外皮基準(断熱等性能 等級5相当)を満たしていること
  • 再生可能エネルギーなどを除いて基準一次エネルギー消費量から20%以上の一時エネルギー消費量削減が可能なこと

また、ZEHは再生可能エネルギーの生産性能によって、以下に挙げる3種類に分けられています。

  • ZEH
  • Nearly ZEH
  • ZEH Oriented

※出典:国土交通省 住宅性能表示制度の省エネ上位等級の創設

ZEH(ゼッチ)

「ZEH」の定義は、再生可能エネルギーなどを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量を削減できる住宅です。なお、ZEH水準よりもさらに高い性能の住宅は「ZEH+」と定義されています。

Nearly ZEH

寒冷地・低日射地域・多雪地域など、冬のエネルギー消費を抑えづらい地域に適用されるのが「Nearly ZEH」です。Nearly ZEHの定義は、再生可能エネルギーなどを加えて、基準一次エネルギー消費量から75〜100%未満の一次エネルギー消費量を削減できる住宅です。Nearly ZEHよりもさらに高い性能の住宅を示す、「Nearly ZEH+」という水準もあります。

ZEH Oriented

ZEHの必須条件は備えていないものの、高い省エネ性能を持つ住宅が「ZEH Oriented」です。ZEH Orientedの条件としては、以下に挙げる2つが設けられています。

  • 強化外皮基準
  • 再生可能エネルギーなどを除いて基準一次エネルギー消費量から20%以上の一時エネルギー消費量削減

ZEH OrientedはZEHやNearly ZEHと異なり、2つの条件のうちいずれか1つを満たすと、認定を受けることができます。そのため、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーを導入していない場合でも適用される点が特徴です。こうした理由から、太陽光パネルの設置が難しい都市部狭小地や多雪地域などでは、ZEH Orientedを取り入れるのが人気になっています。

LCCM住宅

LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは、ZEH水準を満たした性能にプラスして、建築時と解体時のCO2排出量にも配慮した住宅のことです。

建築・解体時のCO2排出量を抑えるには、鉄骨造やRC造に比べてCO2を排出しにくい木造を選んだり、材料輸送時のCO2排出を抑えるために国産材を使用したりといった方法があります。また基礎部分には、製造時のCO2排出量をポルトランドセメントより約30%削減できる高炉セメントコンクリートを使用することも効果的です。(※)

LCCM住宅の認定は一般財団法人住宅・建築SDGs推進センターが実施しており、「LCCM住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール」または「CASBEEの戸建評価認証制度」を基準にしています。

※出典:J-STAGE 高炉セメントのCO2削減効果について|コンクリート工学48 巻, 9 号

スマートハウス

IoTを導入して、消費エネルギーの最適化を実現した住宅のことを「スマートハウス」と呼びます。ZEHやLCCM住宅のような国の認定基準は設けられていませんが、スマートハウスの定義としては以下に挙げる3つの要素があります。

  • 創エネルギー設備(太陽光発電システム・エネファームなど)がある
  • 自宅で創った電気を貯める住宅用蓄電池がある
  • 消費エネルギーを最適化するIoT設備(HEMS)がある

HEMS(ヘムス)とは、家庭内エネルギー生産・消費をネットワークで一元管理できるシステムです。自動制御機能で住宅内のエネルギー消費量を最適化できるため、省エネに役立ちます。

また、HEMSはパソコンやスマートフォンなどの端末から遠隔で操作することも可能です。玄関ドアの鍵をスマートロックに変更してスマートフォンを使って解錠したり、帰宅途中にお風呂のお湯を溜めたりなど、ITを活用したスマートな暮らしを実現できます。

省エネ住宅に関する補助金・税金の優遇制度

省エネ住宅は国の省エネルギー政策と相性がよいことから、一般的な住宅よりも利用できる補助金や税の優遇措置の幅が広がります。ここからは省エネ住宅の購入資金を軽減する、以下に挙げる主な国の制度を3つ紹介します。

  • ZEH支援事業
  • こどもエコすまい支援事業
  • 住宅ローンによる所得税控除

ZEH支援事業

ZEH支援事業は、経済産業省と環境省が共同で行っている、ZEHの建築費を補助する事業です。新築戸建住宅に適用される補助事業は以下の表に記載の通り3種類あり、住宅性能に応じて補助金額が決まります。

事業区分 対象住宅 補助金額
ZEH支援事業
  • ZEH
  • Nearly ZEH
  • ZEH Oriented
55万円/戸
  • ZEH+
  • Nearly ZEH+
100万円/戸
次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業
  • ZEH+
  • Nearly ZEH+
100万円/戸
次世代HEMS実証事業
  • ZEH+
  • Nearly ZEH+
112万円/戸

定置型の蓄電システムを設置した場合は、上記の補助額に2万円/kWh、もしくは補助対象経費の3分の1、20万円のいずれか低い額が加算されます。

さらに、次世代ZEH+実証事業と次世代HEMS実証事業では、以下に挙げる加算も用意されています。(※)

燃料電池: 2万円/台
太陽熱利用温水システム:【液体式】17万円/戸、【空気式】60万円/戸

※出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ 2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業は、子育て世帯または若者夫婦世帯が住む、ZEHの基準を満たした注文住宅に1戸あたり100万円が補助される制度です。2023年度は、子育て世帯と若者夫婦世帯の定義として以下の条件が設定されています。

  • 子育て世帯:申請時点において、2004年4月2日以降に出生した子供を有する世帯
  • 若者夫婦世帯:申請時点において夫婦であり、いずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯(2023年3月31日までに建築着工する住宅については、1981年4月2日以降に生まれた世帯)

なお、こどもエコすまい支援事業は、国が行っている地域型住宅グリーン化事業と併用することも可能です。

住宅ローンによる所得税控除

住宅ローンによる所得税控除はいわゆる「住宅ローン減税」のことで、住宅取得後13年間は所得税の対象額から一定の金額が控除される制度です。ZEHや長期優良住宅、低炭素建築物などの一定基準を満たすと、条件によっては一般住宅よりも控除額が高くなります。

住宅の種類 控除額の算出方法 上限額
一般的な住宅 住宅ローン等の年末残高(最高3,000万円)× 0.7% 21万円
ZEH 住宅ローン等の年末残高(最高4,500万円)× 0.7% 31.5万円
省エネ適合住宅 住宅ローン等の年末残高(最高4,000万円)× 0.7% 28万円
長期優良住宅
低炭素建築物
住宅ローン等の年末残高(最高5,000万円)× 0.7% 35万円

(※)

※出典:国土交通省 住宅ローン減税

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注文住宅を省エネ住宅にする場合の注意点

戸建ての中でも、注文住宅は設計や設備、間取りなどを自由に選択できるため、省エネ化に向いています。ここからは、注文住宅を省エネ化するかどうか検討する上で押さえておきたいポイントや注意点について解説します。

初期費用を抑えづらい

高度な省エネ性能を備えた住宅は、一般的な住宅よりも建築費が高くなりやすいです。国土交通省の資料によると、戸建住宅に省エネ基準の断熱性・気密性・日射遮蔽性を備えるために必要になるコストは約87万円/戸(約7,200円/平方メートル)です。住宅における総建設費の約4%を占めるとされていて、太陽光発電システムやエネファームなどの創エネルギー設備を設置する場合はさらに費用が追加で必要です。一方で、省エネ構造を採用することで、一戸あたりの光熱費は年間で約2.5万円節約できると言われています。(※)

※出典:国土交通省 省エネ基準への適合のための追加コスト等の 試算例について(住宅)

初期費用の高さとランニングコストの低減率は施工会社やプランによって差があるため、施工会社の担当者に相談してシミュレーションをしながら、長期的に見て余裕のある資金計画を立てることが重要です。

注文住宅に関する他の要望とのバランスを考える

省エネ基準を満たした住宅は、室内が快適で光熱費を抑えられ長持ちするなどメリットがたくさんあります。一方で、限られた予算内で理想の住まいを実現するためには、他の要望を優先したほうがよいケースもあるでしょう。注文住宅における人気の高い間取りや設備には以下のようなものがあります。

  • 高性能なキッチン・トイレ・ユニットバス
  • パントリー・シューズインクローゼットなどの収納スペース
  • リモートワークに対応できるスペース
  • 子供の成長に合わせた個室数・収納スペース
  • ウッドデッキや庭、屋上テラス
  • 二世帯住宅に対応可能な間取り

省エネ性能を含めて、まずは家族で住まいに関する要望を話し合うことが大切です。その上でどうしても取り入れたい要素を考え、優先順位を決めていきましょう。

自分に合った省エネ住宅を建てるには?

ここからは自分や家族の生活に合った省エネ設計を注文住宅で行うための方法を紹介します。

Webサイトやカタログで情報収集する

まずは家づくりの第一歩として、省エネ住宅が得意なハウスメーカーや工務店の情報を調べましょう。Webサイトの一括請求サービスを活用すると、自身や家族の要望に合ったハウスメーカーや工務店のカタログや見積もりをまとめて取り寄せることができます。

省エネ住宅の施工に自信がある施工会社は、カタログやWebサイトなどで外皮性能や一次エネルギー消費量の数値を公表しているケースが多いため、性能を比較してみましょう。また内装・外装デザインや間取りの希望との相性も考慮しながら、気になる会社があれば詳細を問い合わせてみてください。

住宅展示場で性能を体感する

省エネ性能は評価基準の数値のみで比較することも可能ですが、「数千万円の買い物をWebサイトやカタログだけの情報で決めるのは不安」という方も多いでしょう。そうした方におすすめしたいのが、住宅展示場に行くことです。

住宅展示場には10〜20件ほどのモデルハウスが立ち並んでいて、施工会社の営業担当から説明を受けながら住宅の中を見学できます。複数の省エネ住宅を実際に体感できるので、より安心して購入できるでしょう。

それでは、モデルハウスで省エネ性能を確かめるには、どのような方法があるのでしょうか。住宅展示場を見学する際にチェックしてほしいポイントを4つ紹介します。

1階と2階で温度差がないか

気密性・断熱性を確かめる方法が、フロアごとの温度差です。通常、室内の空気は上のほうが暖かく、下のほうが冷たくなります。そのため、冬場なら1階の床が暖かいか、夏なら2階が涼しくて快適かどうかという点をチェックすることで、熱気・冷気の影響を体感できるでしょう。また、同じフロアでも部屋によって室温にムラがないかも確認してみてください。

室温は手で触れるだけでもある程度は確かめられますが、温湿度計を持っていくとより正確に判断できます。

空調について

モデルハウス内のエアコンの数を確認することで、室内の快適さが構造によるものなのか、エアコンによるものなのか判断できます。

省エネ住宅の空調では、換気システムも重要です。省エネ住宅は気密性が高く空気が濁りやすいため、室内の空気を循環させる換気システムが欠かせません。そのため、モデルハウスの担当者にモデルハウスで使用している換気システムについても質問してみてください。換気システムの種類によっては定期的にメンテナンスが必要なものもあるため、お手入れ方法もあわせて確認するとよいでしょう。

窓に結露がないか

窓の断熱性・気密性が低いと、冬に暖かい空気が窓を通じて逃げてしまい、室内が冷えきってします。その際に発生するのが結露です。また冬場以外の季節にも、窓のまわりに手をかざして寒暖差を感じるかどうかで、断熱性・気密性をチェックすることができます。

室内が静かであるか

一度モデルハウスの窓を開けてみて、閉めた後に車の音などが聞こえるかどうかも確かめてみてください。窓が音を遮断している住宅であれば、外からの風や熱などの影響も受けづらくなります。

理想の省エネ住宅を建てるには施工会社の比較が大切

省エネ住宅は地球と家計にやさしいだけでなく、住み心地の面でも優れています。そのため注文住宅において省エネ性能に優れた設計にすれば、長期にわたって快適に住みつづけられるでしょう。一方で省エネ住宅では初期費用が抑えづらいからこそ、自分や家族の希望にあった性能や設備を提案し、適正な価格で提供してくれるハウスメーカーや施工会社を探すことが重要です。

注文住宅相談サイトの「タウンライフ家づくり」では、全国のさまざまなハウスメーカーや施工会社から間取りプランや資金計画書、土地情報などを一括で取り寄せられます。Webサイトから無料で申し込みができるので、理想の省エネ住宅を建てたいと考えている方はぜひお気軽に活用してみてください。

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