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注文住宅のメンテナンスにはどれだけの費用と期間がかかる?適切な維持管理のポイントを解説

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注文住宅のメンテナンスにはどれだけの費用と期間がかかる?適切な維持管理のポイントを解説

人生の中でも特に高い買い物である注文住宅。新築時はピカピカで美しくても、住んでいく中で経年劣化は避けられません。

時間と共に確実に古くなっていく住宅も、適切なお手入れやメンテナンスを施すことで劣化のスピードは緩やかになり、長い間住みやすい状態を維持できます。ただし、メンテナンスには費用がかかり、内容によっては時間もかかる場合もあるために、事前に資金の確保や計画をしっかりしておくことが大切です。

本記事では、注文住宅のメンテナンスに必要な知識やポイントについて解説していきます。

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目次

注文住宅はメンテナンスが重要

設計や設備にこだわって建てた注文住宅も、時間が経つにつれてどうしてもさまざまな箇所が劣化していきます。そのため快適な暮らしを維持するためにはメンテナンスが非常に重要です。まずは住宅の寿命について解説していきます。

住宅には耐用年数と寿命がある

まず、戸建ての住宅には「耐用年数」が定められています。耐用年数とは「減価償却する資産が利用に耐える年数」を意味する税制上の指標です。一般的な木造住宅の耐用年数は22年とされており、年数が経つほど資産価値は下がります。(※)

※出典:国税庁 耐用年数(建物/建物附属設備)

耐用年数はあくまでも税制上の指標です。実際に使えるかどうかを判断する基準ではありません。そのため耐用年数を過ぎていても、長く住める可能性は十分にあります。

そんな耐用年数とセットで覚えておきたいのが「耐久年数」です。耐久年数とは、施工会社が問題なく使用できる期間として独自に定めている年数で、いわゆる「寿命」とも同じ意味です。一般的に実際の戸建ての寿命は、30年程度とされています。

住宅で劣化しやすい場所

住宅はさまざまな箇所から成り立っています。その中でも、特に劣化しやすいのは、日常的に風雨などの刺激にさらされ続けている外側の部分です。具体的に住宅のどのような箇所が劣化しやすいか確認していきましょう。

屋根

住宅の屋根は、雨や風、太陽光などに日々さらされています。住宅の中でも、劣化しやすい箇所であると言えるでしょう。

屋根は年数が経つと、徐々に塗装の剥がれや色落ちが見られるようになります。また、装の剥がれは屋根の防水性の低下を招き、カビが発生する可能性も高いです。さらに劣化が進行すると屋根にヒビが入り、すき間ができてしまうと雨水がそこから侵入し、雨漏りや内部の腐食につながってしまいます。

外壁

外壁も屋根と同様、厳しい環境にある箇所です。そのため、年数が立つと多くの外壁は劣化が目立つようになります。

外壁は風雨によって汚れが付きやすく、色あせやカビ、コケの発生する可能性があります。さらに劣化が進行すると、外壁を覆っていた塗装の剥がれ、ヒビ割れなどが発生する場合もあるでしょう。劣化の進んだ外壁は防水性が乏しくなり、外から水分が侵入します。そして内部の構造も傷んできてしまうケースがあります。

住宅で劣化しやすい箇所は屋根や外壁などの外側だけではありません。人によって踏みしめられ、重い家具や家電を載せている床も傷みやすい箇所です。

床は長く使うと、歩くと下に沈み込む現象が見られるようになります。沈む症状が進行すると床が割れて、歩くことが危険な状態になってしまう可能性もゼロではありません。

また床下は目に見えない箇所であるので、自分の目で状態を確認することは難しいでしょう。カビなどが原因で床下が腐食してしまうと、穴が開いてしまうケースもあります。

住宅の設備にも耐用年数がある

住宅設備にも耐用年数が設定されており、耐用年数を過ぎると故障や不具合が発生しやすくなります。ここからは、主な住宅設備における耐用年数の目安について解説していきます。ただし住宅設備の耐用年数はメーカーや機種によって異なるので、詳細はメーカーのWebサイトや取扱説明書などで確認しましょう。

キッチンの耐用年数

住宅に欠かせない設備の1つであるキッチン。その耐用年数は、一般的に10〜20年程度とされています。ただしこれはキッチン全体の目安数字で、IHクッキングヒーターであれば10~15年、換気扇やレンジフードは10年、水栓は10年、ガスコンロは10年~15年というように、各パーツによって違いがあります。

使い方やメンテナンス次第で設備の寿命は変わってきますが、基本的にキッチンにおける設備は10年以上経つと何かしらのトラブルや故障が起こりやすくなります。

浴室の耐用年数

浴室(ユニットバス)の耐用年数は、15~20年程度と言われています。年数が経てば、浴室の壁や浴槽にヒビが入る、カビが発生しやすくなる、壁から水が漏れる、ニオイが取れないなどの症状が発生する可能性が高いです。

実際には使用頻度やメンテナンス頻度などによっても劣化の進行速度は変わるので、各家庭によって問題なく使用できる期間には差が出ます。きちんと掃除やお手入れを続けていけば、より長く快適な浴室を利用できるでしょう。

給湯器の耐用年数

浴室やキッチンなどに温かいお湯を供給する給湯器。耐用年数は、一般的に10~15年程度とされています。

給湯器は、使い続けると異音や異臭が発生する、温度調整が不安定になる、水漏れが起こるなどの不具合が出てくるようになります。こうした不具合が頻発するようになれば、修理や交換を検討したほうがよいでしょう。

新築住宅には法律で定められた10年の保証期間がある

新築住宅では、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって構造躯体への10年間の保証期間が義務付けられています。これは、新築住宅の引き渡しから10年以内に見つかった瑕疵(かし)については、建築会社や施工会社などの住宅事業者や売主などに補償を求められるという法律です。なお、瑕疵とは住宅の不具合や欠陥などを意味しています。

新築住宅の構造躯体は、柱や壁、床版、土台、基礎、斜材などの、建物にかかる荷重や外力から建物を支えるために必要な構造部分のことです。そして屋根、外壁、開口部などは雨水の浸入を防止する部分に分類されます。これらの部分に瑕疵が見つかったとき、住宅事業者は無料で修繕しなければなりません。

ただし住宅事業者が倒産していれば、修繕が行われない可能性もあります。その場合でも保証保険に加入していれば保険会社が補償をしてくれます。

メンテナンスをしないとどうなる?

住宅のメンテナンスをしなかった場合、建物本体の劣化が着実に進んでいきます。劣化が進むと修理にはより多くの費用が必要になるため、デメリットしかありません。ここからは住宅のメンテナンスを行わなかった場合、どのようなデメリットが発生するか具体的にみていきましょう。

雨漏りやシロアリ被害が発生する

屋根や外壁は前述した通り、日々風雨にさらされています。定期的な点検やメンテナンスを怠ってしまうと、塗装の剥がれやヒビ割れが起きてしまうでしょう。そしてさらに放置すると亀裂から雨水が侵入し、雨漏りに発展する可能性が高いです。
また木造住宅が多い日本では、シロアリによる被害が発生する可能性もあります。シロアリは、建物の基礎部分や給排水の配管などほんのわずかなすき間から侵入し、木造の柱や基礎などを食い尽くします。基礎部分などは自分の目で確認がしにくい場所ですが、シロアリにとっては絶好の場所です。一度住み着いてしまうと、じわじわと繁殖していきます。

このように、メンテナンスを怠れば建物の構造部分が大きなダメージを受けてしまうでしょう。

ヒビや剥がれなど美観が悪化する

住宅の美観が悪化するのも、メンテナンスをしないことによる弊害の1つです。屋根や外壁は時間が経つと、塗装は剥がれシミが付着し、箇所によってはヒビ割れや表面の大きな剥がれが目立つようになります。

見た目が損なわれるのは、住宅の外観だけではありません。室内においてもフローリングの場合、歩くたびにきしんだり沈んだりするようになり、不快な音が生じるケースもあります。さらに、汚れが溜まってカビが生える可能性もあるでしょう。

なお、住宅の見た目を保つことは、防犯の観点からも重要です。見た目が明らかに傷んでいる住宅は空き巣からは防犯対策にも無頓着な家と判断され、ターゲットにされやすいです。

長期的な費用が高くなる

定期的なメンテナンスをほとんどしていないと、結果的に修理に多くの費用がかかる場合があります。

例えばフローリングの床では、歩く際に少しふわふわするような軽度の状態のときにメンテナンスを実施しておけば、比較的安い費用で不具合を改善可能です。しかし、深く沈みこんだりヒビが入ったりするまでの状態になるまで放っておいた場合、大がかりなリフォームが必要で、それ相応の費用と日数がかかります。

こまめにメンテナンスをする場合でも、確かに費用はかかります。しかし、メンテナンスを先延ばしにすることで、結果として定期的なメンテナンス費用を上回る出費が必要になる場合があるのです。

注文住宅のメンテナンスのタイミングと費用相場

注文住宅を長持ちさせるには、状況に応じてさまざまなメンテナンスが必要です。では、どのタイミングで、どのようなメンテナンスを実施すると効果的なのでしょうか。

ここからは新築から何年でどのようなメンテナンスやリフォームが必要なのか、そしてその作業にはどれくらいの費用がかかるのかという目安を紹介していきます。

また以下の表に築年数ごとの注文住宅のメンテナンス箇所と費用目安をまとめました。注文住宅を建てる際の資金計画を考える参考にしてみてください。

築年数の目安 メンテナンスが必要な箇所 メンテナンスの詳細と費用目安
築10年 屋根 塗装/60万~80万円
シーリングの打ち替え/5万~20万円(1箇所につき)
外壁 塗装/60万~80万円
タイル洗浄/5万~70万円
バルコニー 部品交換/10万~20万円
フローリング 部分補修/1万円~(1箇所につき)
築20年 屋根 塗装/60万~80万円
増し張りや張り替え/130万~180万円
外壁 塗装/60万~80万円
タイル洗浄/5万~70万円
バルコニー 本体交換/40万~50万円
玄関ドア 本体交換/25万~50万円
サッシ 本体交換/15万~30万円(1箇所につき)
フローリング 部分補修/1万円~(1箇所につき)
壁紙 部分補修・張り替え//1万円~(1箇所につき)
キッチン 交換/100万~300万円
ユニットバス 交換/100万~250万円
築30年 屋根 増し張りや張り替え/130万~180万円
外壁 増し張りや張り替え/30万~250万円
リフォーム 躯体以外の全面リフォーム/500万~2,500万円

(※)

※出典:住宅産業協議会 住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド(住まいのメンテナンス)

築10年

新築から10年が経ったタイミングは、徐々に経年劣化が気になってくる時期です。屋根や外壁など風雨や日光にさらされている箇所に、傷みが見られるようになります。ただし、まだ交換などの大がかりなメンテナンスは必要ありません。

屋根や外壁の汚れや痛みが気になるのであれば、塗り替えで対応しましょう。内装については、壁紙に汚れや傷があれば張り替えます。また、洗濯物を干すスペースなどとして使用するバルコニーでは、必要に応じて部品の交換を行っておくと安心です。
築10年の注文住宅で検討すべきメンテナンス内容

メンテナンスが必要な箇所 メンテナンスの詳細方法と・費用目安
屋根 塗装/60万~80万円
シーリングの打ち替え/5万~20万円(1箇所につき)
外壁 塗装/60万~80万円
タイル洗浄/5万~70万円
バルコニー 部品交換/10万~20万円
フローリング 部分補修/1万円~(1箇所につき)

(※)

※出典:住宅産業協議会 住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド(住まいのメンテナンス)

築20年

築20年の注文住宅では、住宅のさまざまな箇所に劣化が現れてくるケースが多いです。

屋根や外壁は、塗装が剥がれていれば塗り直しを行い、ヒビや穴などできて劣化が激しい箇所があれば交換が必要です。室内でも、床や壁などの張り替え、各種住宅設備の交換も検討しましょう。また玄関やサッシ、網戸、シャッターなどについても、交換が必要になる時期です。住宅によっても劣化状況はが異なるので、メンテナンスが必要な箇所がないかしっかりと確認を行いましょう。

築20年の注文住宅で検討すべきメンテナンス内容 メンテナンスが必要な箇所
メンテナンスの詳細方法と・費用目安 屋根 塗装/60万~80万円 増し張りや張り替え/130万~180万円 外壁 塗装/60万~80万円 タイル洗浄/5万~70万円 バルコニー 本体交換/40万~50万円 玄関ドア 本体交換/25万~50万円 サッシ 本体交換/15万~30万円(1箇所につき) フローリング 部分補修/1万円~(1箇所につき) 壁紙 部分補修・張り替え//1万円~(1箇所につき) キッチン 交換/100万~300万円 ユニットバス 交換/100万~250万円

(※)

※出典:住宅産業協議会 住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド(住まいのメンテナンス)

築30年

築30年の注文住宅の場合、住宅全体にさまざまな劣化が現れるケースが多いです。屋根や外壁については、定期的なメンテナンスを続けてきていた場合でも、全面的な張り替えなどの対策が必要になる可能性があります。屋根や外壁以外の箇所も、新しいものに交換することを検討しましょう。

また30年も経つと、断熱性能や耐震性能はもちろん、あらゆる分野で住宅の技術がアップデートされています。部分的な修繕というよりも、住宅の全面的なリフォームも視野に入れるのも選択肢の一つです。
築30年の注文住宅で検討すべきメンテナンス内容 <>

メンテナンスが必要な箇所 メンテナンスの詳細方法と・費用目安
屋根 増し張りや張り替え/130万~180万円
外壁 増し張りや張り替え/30万~250万円
リフォーム 躯体以外の全面リフォーム/500万~2,500万円

(※1,2)

※出典:住宅産業協議会 住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド(住まいのメンテナンス)

※出典:国土交通省 中古住宅・リフォームトータルプラン検討会第2回「リフォームの内容と価格について」

注文住宅のメンテナンス費用はいくら積み立てたらよい?

注文住宅に住み続けるかぎり、住宅の定期的なメンテナンスは欠かせません。そのためにも、毎月メンテナンス費用は積み立てておきましょう。

注文住宅の場合、前述した通り築10年程度の時期から必要に応じて修繕を行うケースが多いです。築10年の段階では、200万円前後あれば基本的なメンテナンスの費用を賄えます。

そう考えると、メンテナンス費用として1年で20万円程度の積み立てをしていれば十分対応可能です。1カ月あたり1万~1万7,000円程度なので、無理のない範囲で積み立てられる金額と言えるでしょう。住宅ローンの返済額とは別に、準備をしておくようにしてください。

注文住宅のメンテナンス時に使える補助金

国や各自治体では、住宅の所有者がメンテナンスやリフォームを実施する際、条件をクリアすれば補助金を支給する事業を展開しています。その中には、注文住宅に適用されるものもあります。

注文住宅では大きな費用がかかるので、上手に補助金制度を活用してメンテナンスをするようにしましょう。ここからは、注文住宅のメンテナンス時に使える補助金をいくつか取り上げて紹介していきます。

こどもエコすまい支援事業

「こどもエコすまい支援事業」は子育て世帯・若者の夫婦世帯を対象に、高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修などを支援する、国土交通省による補助金事業です。

注文住宅の所有者の場合、以下に挙げるいずれかのリフォーム工事をすることが補助金の支給条件となります。

  • ガラス交換や内窓設置などの「開口部の断熱改修」
  • 一定以上の量の断熱材(省エネ基準レベル、ZEHレベル)を利用して断熱改修を行う「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修」
  • 太陽熱利用システムや蓄電池など「エコ住宅設備の設置」

補助金の額は工事の内容によっても異なりますが、1戸あたり30万円(45万円の場合あり)が上限として支給されます。なお、原則としてこどもエコすまい支援事業と補助対象が重複する住宅(外構含む)のリフォーム工事の場合、他の補助制度と併用できません。

先進的窓リノベ事業

「先進的窓リノベ事業」は、断熱窓への改修工事を推進する事業です。熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることを目的としており、注文住宅など戸建ての住宅については、経済産業省が補助金を支給しています。

先進的窓リノベ事業の補助金の支給条件としては、以下の内容が挙げられます。

  • 工事請負契約日時点で建築から1年が経過した住宅であること
  • メーカーが登録を申請して事務局が性能を確認した製品を用いて、ガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法またははつり工法)のいずれかの工事を行うこと
  • 補助額が5万円以上であること

補助金の上限は1戸あたり最大200万円です。 同一の住宅に複数回のリフォーム工事を行う場合も、補助金の上限の範囲内で申請を行えます。なお、同一の窓・ガラスに対して、国が支給する他の補助金を使用することはできません。

住宅エコリフォーム推進事業

「住宅エコリフォーム推進事業」は、既存の住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修するリフォームに対して支給される補助金制度で、国土交通省による事業です。

補助金の対象となる工事は、家全体の建て替えやリフォーム、部分リフォームの2つです。まず、家全体をZEHレベルの省エネ住宅にリフォームすれば、補助金が支給されます。部分リフォームの場合は、2か所以上の開口部(窓や玄関)でガラス交換や内窓設置などのリフォーム工事を実施しなければなりません。その上で、躯体の断熱改修工事、対象設備の高効率化工事にも補助金は支給されます。

なお、補助金は設計・工事にかかった費用の40%を受け取れますが、上限は35万円です。なお、専門家による「省エネ診断」を受ける場合も、費用の3分の1を補助として受けることが可能です。

メンテナンスしやすい家づくりのポイント

メンテナンスを継続的に行うことで注文住宅の劣化を遅らせて、長い間快適に住めるようになります。また注文住宅を建てる時点から、メンテナンスを念頭に置いて設計すれば、将来的にスムーズにメンテナンスやリフォームを行うことが可能です。ここからは、注文住宅を建てる際に押さえておきたいメンテナンスしやすい家づくりのポイントについて解説していきます。

修理・交換がしやすい設備を選ぶ

注文住宅では、間取りや設計はもちろん、キッチンや浴室などの設備も自由に選べます。他にはない個性的な住宅にしたいのであれば、海外メーカーの設備や特注の設備を選ぶことも可能です。このように選択の幅が広いのが、注文住宅を建てる醍醐味と言えるでしょう。

ただし、製造量や流通量の多くない特殊な設備を導入した場合、将来メンテナンスや修理が難しくなります。部品を交換したくても、ストックがなくて入手するまでに時間がかかってしまう上に、すでに部品が製造されていない可能性も高くなるでしょう。

こうした状況に陥らないためには、修理や交換を行いやすい設備を選びましょう。流通量の多い製品であれば部品はすぐに手に入り、簡単なものであれば自分で交換できる場合もあります。

耐久性の高い資材や耐震性の高い工法を選ぶ

どんなにこだわって建てた注文住宅でも、年数による劣化は避けられません。しかし、耐久性の強い資材を使って注文住宅を建てれば、可能な限りメンテナンスや交換の頻度を抑えられるでしょう。

例えば、さまざまなハウスメーカーの努力によって、以下に挙げるような外壁が生み出されています。

  • 強度と耐久性に優れたコンクリート製の外壁
  • 抗菌や防臭、セルフクリーニングの機能が備わっている外壁

こうした先進的な技術を活用して注文住宅を建てることで、メンテナンスの頻度を抑えることが可能です。

また地震が多い日本では、住宅の耐震性も気になる点ではないでしょうか。震度の大きい地震が起きた場合、住宅はもろくなってしまいますが、SE工法など耐震性の高い工法で建てることで、住宅へのダメージも抑えられます。

このように耐久性や耐震性を意識した住宅づくりをすることで、注文住宅を長持ちさせることが可能です。

保証が手厚いハウスメーカーを選ぶ

住宅の品質確保の促進等に関する法律によって、新築の注文住宅には10年の保証期間が定められています。しかしその他にも各ハウスメーカーは独自の保証制度を設けているケースが多いです。

ハウスメーカーによっても条件は異なりますが、30年、60年と長期間保証してくれる制度の他にも、建物がある限り保証をしてくれる制度も存在します。また保証内容もさまざまです。ハウスメーカーによっては無料でのシロアリ点検や駆除、設備機器の修理などが基本保証に含まれている場合もあります。

どのような注文住宅を建てるかで、必要な保証も変わるものです。各ハウスメーカーの保証制度をじっくりと比較検討して、住宅に適した手厚い保証を提供しているハウスメーカーを選びましょう。

注文住宅を長持ちさせる方法

じっくり時間をかけて建てた注文住宅で、せっかくであればできるだけ長く暮らしていきたいと考えている人は多いでしょう。ここからは、注文住宅を長持ちさせるための工夫について解説していきます。

掃除や換気をこまめに行う

基本的な内容ですが、掃除や換気をこまめに行うことが注文住宅を長持ちさせるために重要なポイントです。

例えばフローリングの床が油で汚れた場合、しっかり拭き取らないと汚れが定着してしまいます。また洗面所やキッチン、浴室など、水回りの掃除では、水をしっかり拭き取っておかないと、カビや悪臭が発生する原因になるでしょう。

その他にも室内の換気にも気を配らなければなりません。木造住宅が基本の日本では、湿気は大敵です。換気を怠ると、天井や壁、床などにカビが発生してしまう可能性もあります。

室内の掃除や換気は、手間がかかるものです。しかし、毎日こまめかつ丁寧に掃除や換気を続けることで、注文住宅が劣化するのを抑えられます。

定期的に点検する

注文住宅では定期的に点検を行いましょう。点検を行えば、住宅に関する異常を早期に発見できる可能性は高いです。

外壁であれば塗装の剥がれ、内装であれば壁紙の傷や汚れ、キッチンであれば水圧の弱まりなど、住宅のすみずみまで定期的にチェックすることで、スピーディに不具合に気付けます。発見が早ければ修理の規模も小さくて済むので、日々の点検には大きな意味があるのです。

点検をする中で、屋根など危険な場所に不具合を発見することもあるでしょう。そのような場合は、リフォーム会社など専門業者に対応を依頼するのがおすすめです。

計画的にメンテナンスを行う

注文住宅の外壁などに明らかに劣化が見られたり、設備に故障が発生したりしている状態になってから慌ててメンテナンスをしても、結局のところ全面的な修理や交換を強いられる可能性が高いです。そうなると多くの出費が必要となり、さらに工事期間は普段通りに生活できなくなるかもしれません。

このような状況を防ぐには、定期的な点検だけでなく計画的にメンテナンスを実施することが大切です。「住み始めて〇年後にこの箇所を点検しメンテナンスをする」などの計画を立てて着実に実行していけば、突然大がかりな工事が必要になるということはありません。

適切なメンテナンスで大切なマイホームに長く住もう

住宅は年数が経つとどうしても劣化は避けられません。中でも、常に雨風にさらされている屋根や外壁の痛みは早い傾向にあります。また、キッチンや浴室などの設備にも寿命があり、一定の年数を迎えると不具合や故障が目立つようになります。

大切な注文住宅において長く快適に住むためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが必要です。また注文住宅を建てる際に、メンテナンスしやすい家づくりをして、将来的なメンテナンス費用を考えた資金計画を立てておくのがよいでしょう。

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