注文住宅を建てるのに適した立地とは？ライフスタイルから考える注文住宅購入時の立地の選び方

理想の間取りや設備、デザインを自由に反映させられるのが、注文住宅の魅力です。注文住宅を建てる際に重要なポイントの一つが「どこに建てるか」という立地選びでしょう。

本記事では、注文住宅を建てる上で立地選びが重要な理由や、ライフスタイルに合った立地選びのポイント、土地探しで注意すべき点、土地探しをする際の相談相手などについて解説します。注文住宅を建てようと検討している方はぜひご覧ください。

注文住宅を建てる上で立地選びが重要な理由

注文住宅を建てた後にどうしても変えたい部分がある場合、外装や内装、設備などに関してはリフォームを行えます。その一方で、注文住宅を建てる土地についてはどうでしょうか。土地を変更するには、引越しをする以外に手段はありません。引越しをする際には注文住宅を売却しなければならず、転居費用や時間もかかります。この点を考えると、注文住宅を建てた後に「この場所が気に入らないから引越しをする」ということは現実的でありません。

このように注文住宅は、長く同じ場所に住み続けることを前提に建てる必要があります。そのため、注文住宅の建築においては「どこに建てるか」という立地選びは非常に重要なのです。

ライフスタイルに合った土地選びのポイント

世帯によってライフスタイルは異なります。そのため、住むのに適している場所も世帯ごとに変わります。ここからは、各世帯のライフスタイルに合った土地選びのポイントについて詳しくみていきましょう。

交通の利便性

交通の利便性は、生活への影響が非常に大きい要素です。例えば自宅から最寄り駅まで距離が離れている場合、通勤時間は長くなり、会社に着く前に体力や気力を消耗してしまうでしょう。このような状態にならないようにするためには、交通の利便性の良い場所を選ぶことが大切です。

通勤・通学で電車を利用する場合にチェックしておきたいポイントとしては、以下のとおりです。

• 家から最寄り駅までの距離や時間
• 乗車時間
• ラッシュ時間帯の電車の本数、混み具合
• 最寄り駅周辺の駐輪場の有無

また、電車よりも車やバスを主に使う場合もあるでしょう。その際には、家から幹線道路までの距離、バス停の位置や本数などは確認しておくのがおすすめです。

日常生活の利便性

日常生活を快適に過ごせるかどうかも、注文住宅を建てる際の土地選びで非常に重要な要素です。例えば買い物をする際に、スーパーやコンビニ、商店街、ショッピングモールなどが家の周辺にあると、手軽に日々の食材や日用品の調達ができます。特に、徒歩圏内にスーパーやコンビニがあると生活の快適さは向上するでしょう。

また医療機関が家の周辺にあるかどうかも重要なポイントです。病院が近くにあれば、突然具合が悪くなったときにすぐ駆け込むことができます。小さい子どもがいる家庭の場合は、小児科や夜間救急に対応する病院や夜遅くまで営業しているドラッグストアが近くにあると安心です。

役所や郵便局、銀行といった施設についても、自宅から近くにあれば時間をかけずに用事を済ませられるでしょう。

子育てのしやすさ

現在まさに子育てをしている最中、あるいは将来的に子どもを持ちたいと考えている家庭にとっては、子育てがしやすい場所かどうかは重要な点です。

まずは、近隣に幼稚園や保育園があるかを確認してください。また、公立の学校に通わせるのであれば、家から小学校や中学校から近いほうがよいでしょう。さらに子育て支援制度や親子が利用できる施設があると、より生活しやすいです。

また家の近隣に子どもが遊べる場所があるかどうかも、判断材料になります。広々とした公園があればそこで近所の子どもたちとの交流が生まれ、子どもの社交性を養えるでしょう。

さらに安心して子育てができるかどうかについても、目を向けておきたいところです。例えば、道路の交通量が多い場所では交通事故に遭う心配があります。

自然の多さ

自然に囲まれた家は、都心部や市街地などでは感じられない魅力があります。このように自然豊かで穏やかな生活を重視するのであれば、自宅の周辺に緑があるかどうかもチェックしましょう。

多くの木や池などがある公園や緑地帯、河川敷などから近い場所に注文住宅を建てれば、気軽に周辺を散歩でき、爽やかな気持ちで日々を過ごせるでしょう。また日当たりや風通しの良さも住みやすさに直結します。

ただし木々や水のある場所は虫が発生しやすく、風向きによっては木の枯れ葉が家に入ってくる場合もあります。自然が近くにあることで生じる不都合な点にも、しっかり目を向けておきましょう。

安心・安全な暮らし

安全に不安があれば、落ち着いて暮らせないでしょう。そのため、安全に暮らすための障害になりそうな要素が周辺にあるかを考慮して土地を選ぶのもおすすめです。

街灯が多く設置されていたり、夜でも人の往来が多かったりする場所であれば、夜間も外出しやすいでしょう。また歩道やガードレールなどが整備されていれば、子どもと一緒に歩いていても安心です。

一方で夜になると人の姿が見られず、明かりもなく真っ暗になるような場所は、防犯面で不安を感じるかもしれません。さらに近隣の建物などに落書きがある、道にたくさんのごみがポイ捨てされているなど、街の雰囲気から感じ取れるものもあります。

自分の生活に合った土地を見つけるコツ

どんなにこだわって設計した注文住宅も、土地選びを失敗してしまうと快適に暮らせなくなってしまいます。結果として、生活をする中でストレスを感じやすくなり、将来的にさまざまなコストもかかってしまうかもしれません。

ここからは、自分の生活に合った土地を見つけるコツについて紹介していきます。

立地条件の優先順位を決める

夫婦と子どもの3人暮らしで、夫婦の片方が働いていてもう片方が子育てをしている場合、夫と妻では生活のサイクルが異なります。生活が違えば、「どのような場所に住みたいのか」という考えも変わるでしょう。　そこで大切なのが、注文住宅を建てる場所について一緒に暮らす家族と話し合うことです。

「駅から徒歩10分以内」「周辺に商業施設が多い」「学校や職場から近い」など、自分や家族の希望を出し合い、その中で絶対に譲れない条件や優先順位をすり合わせましょう。その優先順位に沿って、土地探しを進めてください。

また家族全員の希望を満たす「100点」の土地を見つけようとするのは、現実的ではありません。しかし家族で優先順位を決めて土地を探すことで、皆が納得できる土地を見つけられる可能性が高まります。

実際に土地を見に行く

インターネットや不動産会社の担当者を通して注文住宅を建てる土地を探している場合、土地の住所やおおよその広さなどの情報を入手することはできます。しかし、土地の周辺がどのような環境なのかについては具体的には分からないでしょう。

その土地がどのような場所なのかを知るためには、自分の目で土地とその周辺のエリアを見る必要があります。実際に現地に足を運べば、土地の周辺に何があるのか、どのような雰囲気の地域なのかを把握可能です。その土地が自分や家族のライフスタイルに合っているかも判断しやすくなります。

現地でのチェックポイント

注文住宅を建てる候補の土地に足を運んだ際に、チェックしておきたいポイントは以下のとおりです。

• 土地の日当たり
• 隣の建物との距離
• 道路の幅
• 水はけ
• 騒音やにおい
• 近隣に住む人の雰囲気
• 街灯の多さ
• 周辺にある施設

など

また時間帯によっても土地の雰囲気や状況は異なるので、可能であれば昼と夜それぞれの時間で土地の周辺を確認するようにしましょう。

将来の生活を想像する

人は年齢を重ねると、足腰が弱くなるなど体力的な不安が増えます。買い物に出かけるにしてもわざわざ遠方に行くよりも近場で済ませたいと感じるようになるかもしれません。老後のことを考慮して、スーパーやコンビニなどのお店が多く、周辺に病院や役所もある市街地に住めば、年を取っても過ごしやすいでしょう。

また周辺の地形にも、目を向ける必要があります。起伏が多い場所、坂道や階段が多い場所は、歩いて移動するには体力が必要です。平坦な場所に家を建てれば将来、楽に移動できます。

なお、注文住宅を建てる際には年老いた親と同居するケースもあるでしょう。このように、将来の生活を想像して土地を選ぶことも重要なポイントです。

注文住宅を建てる際に土地探しで注意すべき点

ここからは注文住宅を建てる際に、土地探しで注意すべき点について解説していきます。

自然災害のリスク

注文住宅を建てたら長く住み続けるケースが多いため、その土地の自然災害のリスクをあらかじめ把握しておくようにしましょう。

大雨が降った場合、場所によっては洪水や土砂崩れが発生する恐れがあります。また沿岸地域であれば、高潮や津波に襲われる可能性もあります。埋立地では、大きな地震が起きると地盤沈下や液状化が発生するかもしれません。

こうした自然災害のリスクに関する情報は、ハザードマップで確認できます。ハザードマップは、各自治体のホームページで閲覧することが可能です。また、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」でも調べられるので、参考にしてみてください。（※）

※出典：国土交通省 「 ハザードマップポータルサイト 」

上下水道や都市ガスが通っていない場合がある

土地によっては、上下水道や都市ガスが通っていない場合があります。そのため、住みたいと思っている土地に生活インフラが整備されているかどうかもチェックすべき点です。

新しく水道を引く場合、給水管の引き込み工事を行う必要があり、ある程度の費用がかかります。またガスに関しては、都市ガスが通っていない地域ではプロパンガスを使いますが、ガス代が高くなる可能性があります。

このように生活インフラが整っていない場所に注文住宅を建てる場合、より多くの費用がかかるという点を理解しておきましょう。

周辺の開発計画

都市開発や再開発の計画がある地域では、将来的に街の様子が大きく変わります。周辺に大学や企業、工場、ショッピングセンターなどの施設が建つのであれば、人が増えて街はにぎわいます。反対に施設が撤退してしまうと人はいなくなり、街はやがてさびれていくでしょう。

数年後など近い将来の開発計画は公表されているケースが多いので、注文住宅を建てる候補地が見つかったら周辺の開発計画の有無を調べてみてください。

注文住宅の土地探しは誰に相談するのがよい？

注文住宅を建てたいと思っても、理想の土地は簡単には見つかりません。そのようなとき、専門家の助けを得るとスムーズに土地探しが進む可能性が高まります。ここからは土地探しで悩んだときに相談すべき相手を紹介します。

ハウスメーカーや工務店

注文住宅の設計や施工を行うハウスメーカーや工務店の中には、土地探しからサポートしてくれる施工会社があります。

系列や提携の不動産会社がある、あるいは地元の不動産会社と良好な関係を築いているような施工会社では、インターネットには公開されていない特別な土地の情報を持っている可能性もあるでしょう。

また、施工会社に土地選びの段階から相談することで、その土地に理想の注文住宅を建てられるかアドバイスをしてもらえるのもメリットです。結果として、満足度の高い注文住宅を建てられる可能性が高まります。

不動産会社

不動産会社は、その名のとおり不動産の専門家ということもあり、豊富な土地情報を取り扱っています。地域のネットワークから周辺の独自情報を持っている場合も多く、インターネットでは見つけられない穴場の土地を紹介してもらえるケースもあります。

また住宅を建てるための土地だけではなく、周辺地域はどのようなところか、どのような施設があるのかといった点に精通しているのも不動産会社の強みです。実際に暮らしてみて役に立つ周辺情報を共有してくれるので、その場所に住んでからのことも想像しやすくなります。

不動産のポータルサイト

不動産のポータルサイトには、全国各地の土地情報が掲載されています。以下に挙げるような点を入力すれば、条件に合った土地がすぐに見つかります。

• 地域
• 電車の路線
• 価格帯
• 土地の面積
• 最寄り駅からの距離や時間

ポータルサイトによっては、注文住宅を手がける施工会社などについても検索可能です。インターネット上で調べられるので、昼間は忙しくて問い合わせできない方にもおすすめです。

住宅相談窓口

住宅相談窓口は、住宅や土地などの不動産を購入・売却したい人からの質問に答えたり、売買をサポートしたりする役割を担っています。

注文住宅についても、どのようなプロセスで注文住宅は建てられるのかといった基本的な知識を教えてくれるだけでなく、施工会社の紹介や注文住宅を建てるために必要な予算のシミュレーション、土地探しに至るまでトータル的に支援してくれる場合もあります。サービスは基本的に無料で、不動産会社が相談を受け付けているケースもあれば都道府県が窓口を設けているケースもあります。

注文住宅の土地探しはライフスタイルをイメージしよう

注文住宅を建てた場合、数十年にわたってその土地に住むことになります。注文住宅の立地は、自分自身や家族の生活に大きな影響を与える要素です。自分や家族の希望を出し合い優先順位をつけながら、自分たちのライフスタイルに適した立地に注文住宅を立てるようにしましょう。

どのように土地を探せばよいのか分からない、希望はあるが土地探しの方法が分からないなど、悩みがある方は注文住宅相談サイトの「タウンライフ家づくり」をぜひご活用ください。

タウンライフ家づくりは全国のハウスメーカー・工務店と提携しており、注文住宅の間取りプランや資金計画書に加えて、希望に合った土地情報を複数の施工会社から受け取れます。無料で利用でき、Webサイトから簡単に依頼ができるので、注文住宅を建てるための土地探しをしている方はぜひ活用してみてください。

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