注文住宅の費用相場を土地の有無・地域別・年収別に解説!価格帯ごとのイメージも紹介
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マイホームの選択肢として注文住宅を検討する際、まず気になるものの1つのが費用相場ではないでしょうか。注文住宅は間取りや設備、内装、外装などまで自由に選べるのが魅力ですが、その分かかる費用は注文住宅によって異なります。また費用相場は土地を購入するかどうかや建てる地域、世帯年収などによっても大きく変わってきます。
本記事では自分に合った注文住宅の予算を知るために、ケースごとの費用相場を紹介します。価格帯ごとにどのような注文住宅が建てられるのか具体的なイメージ例も紹介するので、ぜひ資金計画の参考にしてみてください。
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目次
土地の有無から考える注文住宅の費用相場
注文住宅の費用相場を左右する要因の1つが、土地の有無です。注文住宅を土地と建物のセットで購入する場合は、建物の建設費にプラスして土地代も必要です。一方で建て替えの場合や、相続・贈与された土地に注文住宅を建てる場合は、注文住宅の費用に土地代は含まれません。ここからは、土地代を含む場合と含まない場合に分けて、注文住宅の費用相場を紹介します。
土地代ありの場合
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査によると、注文住宅の購入に土地代を含む場合における全国の費用相場は4,455.5万円です。そのうち土地代は1,444.9万円と、全体の30%以上を建設費が占めています。
なお、注文住宅のグレードを示す指標として、床面積1平方メートルあたりの建設費を確認してみましょう。土地代ありの場合、床面積1平方メートルあたりの費用相場は40.5万円(坪単価133.65万円)です。(※)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
土地代なしの場合
住宅金融支援機構の調査によると、すでに土地を所有しており土地代なしで注文住宅を購入した人の費用相場は全国平均で3,569.5万円です。また、床面積1平方メートルあたりの建設費は平均29.1万円(坪単価96.03万円)です。(※)
このように、土地代なしのほうが土地代ありの場合よりも、注文住宅の費用総額はもちろんのこと、床面積1平方メートルあたりの建設費も費用相場は低くなっています。
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
地域から考える注文住宅の費用相場
注文住宅の費用相場は地域によっても大きく差があります。ここでは、地域ごとの費用相場を紹介します。
地域 | 土地代あり | 土地代なし | |
---|---|---|---|
北海道 | 4,166万円 | 3,628万円 | |
東北 | 3,818万円 | 3,315万円 | |
関東
甲信越 |
北関東信越 | 3,818万円 | 3,372万円 |
南関東 | 3,834万円 | 3,730万円 | |
首都圏 | 5,133万円 | 3,896万円 | |
東海 | 4,455万円 | 3,674万円 | |
北陸 | 3,654万円 | 3,629万円 | |
近畿 | 4,659万円 | 3,776万円 | |
中国 | 4,264万円 | 3,528万円 | |
四国 | 3,852万円 | 3,279万円 | |
九州 | 北部 | 4,270万円 | 3,452万円 |
南部 | 3,965万円 | 3,204万円 |
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
北海道・東北
北海道で土地代を含めた注文住宅の費用相場は、平均4,166万円です。建築費は3,210.1万円で、土地代は955.4万円という内訳になっています。土地代は全体の22%を占めています。一方で、土地代なしの場合の費用相場は平均3,627.6万円という結果です。(※1)
東北地方では、土地代を含めた注文住宅の費用相場は、平均3,818万円です。建築費は2,970.6万円、土地代は847.6万円で、土地代が費用全体を占める割合は北海道と同じく22%となっています。また、土地代なしの場合の費用相場は平均3,315.1万円です。(※2)
北海道も東北も、注文住宅の費用相場は全国平均を下回っています。特に土地代が安い傾向にあるでしょう。エリア内でも比較的、費用相場が高いのは北海道と宮城県で、住宅建築件数も多くなっていることから、人気の高さが伺えます。
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
関東甲信越
関東甲信越の注文住宅は、北部と南部で費用相場が変動します。
栃木県・群馬県・新潟県・長野県からなる北関東信越地方では、土地代を含めた注文住宅の費用相場は、平均3,818万円です。土地代が790.4万円で、全体の20%を占めています。一方で、土地代なしの場合の費用相場は平均3,372.1万円です。(※1)
茨城県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県・静岡県からなる南関東地方では、土地代を含めた注文住宅の費用相場は、平均3,834万円です。土地代が1,923.8万円で、なんと全体の50%を占めています。土地代なしの場合の注文住宅費用は、平均3,730.1万円という結果です。(※2)
北関東信越エリアでは、注文住宅の費用相場が総じて全国平均を下回っています。南関東は土地代の費用相場が特に高騰しており、土地代なしの場合であっても全国的に見ても費用をかける傾向にあります。なお、南関東の費用相場が高い原因は、東京都をはじめとする首都圏の平均値によって押し上げられているためです。
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
首都圏
東京・神奈川・埼玉・千葉からなる首都圏は、注文住宅の費用相場が非常に高くなっています。土地代を含めた注文住宅の費用相場は、約5,133万円です。土地代は2,220.9万円で、全体の43%を占めています。一方で、土地代なしの場合の費用相場は約3,896万円です。(※1)
中でも東京都における注文住宅の費用相場は、土地代ありで6104.8万円、土地代なしで4,285.7万円と高騰しています。土地代のみの費用相場も3,413.5万円と、全国的に見ても非常に高い費用をかけて注文住宅を建てている傾向です。(※2)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
東海・北陸
岐阜県・愛知県・三重県からなる東海地方では、土地代を含めた注文住宅の費用相場は約4,455万円、そのうち土地代は1,336.6万円となっています。土地代が占める割合は30%です。土地代なしの場合の費用相場は、3,674万円です。東海地域の中でも愛知県は費用相場が高い傾向にあり、土地代ありの場合で4,882.1万円(うち土地代は1,704.8万円)、土地代なしの場合は3,819.5万円となっています。(※1)
一方で、富山県・石川県・福井県からなる北陸地方では、土地代を含めた注文住宅の費用相場は、約3,654万円です。土地代は744.9万円で、費用全体を占める割合は20%となっています。また、土地代なしの場合の費用相場は3,628.5万円です。北陸地域はどの県においても、全国平均と比較して費用相場は低くなっています。(※2)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
近畿
滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県からなる近畿地方では、土地代を含めた注文住宅の費用相場は約4,659万円です。土地代の費用相場は1,693.1万円で、全体の36%に上っています。また土地なしの注文住宅の費用相場は3,775.7万円です。(※)
近畿地方は、大阪府・兵庫県・京都府・奈良県など比較的、費用相場が高い府県が多い一方で、和歌山県のように全国平均を下回る県もあるなど、場所ごとの地域差が激しくなっている点が特徴の一つです。
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
中国・四国
鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県からなる中国地方では、土地代を含む注文住宅の費用相場は約4,264万円です。土地代の費用相場は1,056.4万円で、費用総額の24%を占めています。土地代なしの注文住宅の費用相場は、3,528.3万円です。(※1)
また、徳島県・香川県・愛媛県・高知県からなる四国地方は、土地代を含む注文住宅の費用相場は約3,852万円です。土地代の費用相場は897.6万円で、費用総額の23%を占めています。土地代なしの注文住宅の費用相場は、3,279.4万円です。(※2)
中国・四国地方の費用相場は全国平均よりは低い傾向にありますが、県によってバラツキがあり、交通利便性の高い岡山県・広島県・山口県・香川県などが費用相場を押し上げています。(※3)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
九州
九州地方は北部と沖縄県を含む南部とで、費用相場が変わってきます。
福岡県・佐賀県・長崎県からなる九州の北部地方では、土地代を含む注文住宅の費用相場は約4,270万円です。土地代の費用相場は1,099万円で、費用総額の25%に上ります。土地代なしの注文住宅の費用相場は、3,452.2万円です。(※1)
一方で、熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県からなる九州南部地方では、土地代を含む注文住宅の費用相場は約3,965万円です。土地代の費用相場は927.3万円で、費用総額の23%となっています。土地代なしの注文住宅の費用相場は、3,204.1万円です。(※2)
中でも沖縄県は建築費・土地代ともに費用相場が高くなっており、住宅地の地価上昇率も2013年から上昇傾向にあります。(※3)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
※出典:沖縄県 「 令和4年 沖縄県地価調査結果の概要 」
年収から考える注文住宅の費用相場
世帯年収によっても、注文住宅を購入する費用相場は変わってきます。まずは、注文住宅購入者の世帯年収を見てみましょう。国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅購入者の世帯年収は400万〜600万円未満が22%、600万〜800万円未満が25.7%を占めています。(※1)
また、年収から注文住宅にかける費用の目安を考えるときに参考になるのが、年収倍率と返済負担率です。年収倍率は注文住宅にかける費用の総額が年収の何倍にあたるのかを示した数値で、返済負担率は住宅ローンの返済額は収入のうちどれくらいの割合を占めるのかを示した数値です。
住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅と土地をセットで購入する場合は年収倍率7.5倍、返済負担率24.9%が相場です。一方で土地なしの場合は、年収倍率6.8倍、返済負担率21.5%が相場となっています。(※2)
ここからは、年収倍率や返済負担率をもとにした、世帯年収別の注文住宅の費用相場を紹介します。各世帯のライフスタイルによっても、注文住宅にかける費用は異なるので、こちらの費用相場を参考にしつつ予算を立ててみてください。
※出典:国土交通省 「 令和4年度住宅市場動向調査報告書 」
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
年収400万円台
年収倍率・返済負担率の平均をもとに算出した、世帯年収400万円台の注文住宅にかける費用相場は以下の通りです。
年収倍率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 3,000万〜3,700万円 | |
建物代のみ | 2,700万〜3,400万円 |
返済負担率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 3,400万〜4,200万円 | |
建物代のみ | 3,000万〜3,600万円 |
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
年収500万円台
年収倍率・返済負担率の平均をもとに算出した、世帯年収500万円台の注文住宅にかける費用相場は以下の通りです。
年収倍率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 3,700万〜4,500万円 | |
建物代のみ | 3,400万〜4,000万円 |
返済負担率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 4,300万〜5,100万円 | |
建物代のみ | 3,700万〜4,400万円 |
※返済期間35年の場合
(※)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
年収600万円台
年収倍率・返済負担率の平均をもとに算出した、世帯年収600万円台の注文住宅にかける費用相場は以下の通りです。
年収倍率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 4,500万〜5,200万円 | |
建物代のみ | 4,000万〜4,700万円 |
返済負担率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 5,200万〜6,000万円 | |
建物代のみ | 4,500万〜5,100万円 |
※返済期間35年の場合
(※)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
年収700万円台
年収倍率・返済負担率の平均をもとに算出した、世帯年収700万円台の注文住宅にかける費用相場は以下の通りです。
年収倍率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 5,200万〜6,000万円 | |
建物代のみ | 4,700万〜5,400万円 |
返済負担率から考えた費用相場 | 注文住宅の種別 | 費用相場 |
---|---|---|
土地代込み | 6,100万〜6,900万円 | |
建物代のみ | 5,200万〜5,900万円 |
※返済期間35年の場合
(※)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
【費用別】建てられる注文住宅のイメージ
ここからは注文住宅にかける費用別に建てられる注文住宅の特徴やイメージを紹介します。
2,000万円台の注文住宅
注文住宅にかける費用が2,000万円台の場合は、予算配分を調整すれば、ライフスタイルに合ったマイホームを実現可能です。ここでは、建築費2,000万円台の注文住宅でよく見られる特徴や、満足度を高めるポイントを紹介します。
建築費のみ
建築費2,000万円台の注文住宅は、限られた予算内で自分や家族の要望を最大限叶えられるように優先順位をつけて設計していきましょう。
建築費2,000万円台の注文住宅では平屋よりも、延床面積を抑えられる2〜3階建てが好まれます。特に、1階と2階が同じ床面積になっている総2階にすれば、基礎・屋根部分に必要な資材の量を減らせるのでコストカットが可能です。さらに、窓は1つずつのサイズを大きくしつつ、個数を少なくすることで、室内の日当たりをしっかり確保しながらコストを調整できます。
また、収納をまとめられるスペースを作るのも人気です。例えば、家族全員の衣服を置いておける大型のウォークインクローゼットや、食品や食器を収納できるパントリー、靴やアウトドア用品など汚れやすいものをまとめるシューズインクローゼットなどがあります。収納スペースをしっかりと確保しておくことで、子供の成長に合わせて増える荷物の置き場所にも困りません。
3,000万円台の注文住宅
注文住宅にかける費用が3,000万円台の場合は、全国的に見ても標準に近い住まいを実現可能です。ここでは、建築費+土地代で3,000万円台の場合と、建築費のみで3,000万円台の場合とに分けて、それぞれの特徴や満足度を高めるポイントを紹介します。
土地代込み
建築費+土地代で3,000万円台の注文住宅を建てる場合は、自由に設計できる範囲は少なくなるものの費用を抑えられるセミオーダーの注文住宅を検討しましょう。間取りは3〜4人家族がのびのびと暮らせる4LDKが人気です。
外観はコストカットしやすいシンプルな形状で、構造は木造が採用されるケースが多いです。木造では日本の気候を活かした気密性・断熱性の高い工法が数多く開発されているため、季節問わずに快適な室内環境を実現できるでしょう。
また、間取りや設備の種類、アクセントとして使う内装・外装素材などでこだわりを実現できる点も特徴です。セミオーダーの注文住宅の場合は、施工会社から提示される間取りや仕様の中から好みのものを選んでください。木目調やレンガ風などアクセントになる素材を取り入れることで、おしゃれな注文住宅になるでしょう。
建築費のみ
建築費のみで3,000万円台の場合は、土地代込の場合と同様に木造の注文住宅が人気ですが、鉄骨造も十分に検討できます。鉄骨造は耐火性や耐震性をより高められるため、災害に強い家を実現可能です。
間取りは4LDKを実現できるだけでなく、浴室・トイレを1階と2階にそれぞれ設けられます。そのため、親世帯と子世帯が程よい距離感で暮らす二世帯住宅にも対応可能です。また、床暖房、食器洗い乾燥機、二重窓、パントリーなど、生活をより快適にする設備を取り入れられるでしょう。
外装・内装では、自分好みのアクセントを加えたデザインを実現可能です。例えば、青やグレーなどのアクセントクロスを取り入れた北欧風のシンプルモダン、リビングに畳の小上がりを作って木材を随所に使った和モダン、白いクロスと無垢材を使ったフローリングのリゾート風など、アイデア次第でさまざまなデザインに仕上げられます。
4,000万円台の注文住宅
予算4,000万円台では、標準的な構造・設計にプラスして、こだわりも詰め込んだ住まいづくりができます。建築費+土地代で4,000万円台の場合と、建築費のみで4,000万円台の場合に分けて、住まいのイメージを紹介します。
土地代込み
建築費+土地代で4,000万円台は全国的に見ても平均的な予算のため、標準的な暮らしであれば、満足のいく注文住宅を実現できる可能性が高いでしょう。(※)
※出典:住宅金融支援機構 「 フラット35利用者調査 2021年度集計表 」
外観は、部分2階建てや中庭などの複雑な形状も十分に検討できます。また、3階建てにして1階をビルトインガレージにしたり、完全分離型の二世帯住宅にしたり、客間を設けたりと、スペースに余裕をもたせた間取りも実現可能です。家族のライフスタイルや、20〜30年先のライフプランを考慮しながら、自分たちに合った間取りを形にしましょう。
また内装・外装デザインにもこだわりを詰め込むことができます。例えば、海外から素材を取り入れれば、欧風で他にはないおしゃれなデザインの住まいになるでしょう。その他にもヒノキを用いた自然素材住宅にすれば、温かみがある快適な室内環境を実現できます。
建築費のみ
建築費のみで4,000万円台の場合、建物の形状を複雑なものにするなど、デザインにこだわったおしゃれな注文住宅を実現可能です。
間取りは4LDKに加えて、ルーフバルコニーや地下室、防音室など、ペットや子供との時間や趣味の時間を満喫できるスペースも設けられます。リビングの天井を吹き抜けにして、明るくて開放的な印象にした間取りも人気です。さらに、アイランドキッチンやタンクレストイレなど、おしゃれで便利な住宅設備も採用できます。
また、省エネ性能を高めた構造も実現でき、太陽光発電システムを導入してエネルギー収支ゼロを目指すZEH(ゼロエミッション住宅)にすることも可能です。ZEHは初期費用が一般的な住宅よりかかるものの、光熱費の支出を減らせるだけでなく、断熱性と気密性が高いため室内の空気を1年中快適に保てるでしょう。
5,000万円台の注文住宅
予算5,000万円台では、建築予定のエリアや土地の広さによっても異なりますが、かなりゆとりのある住まいづくりが可能です。建築費+土地代で5,000万円台の場合と、建築費のみで5,000万円台の場合に分けて、住まいのイメージを紹介します。
土地代込み
建築費+土地代で5,000万円台は、標準的な間取りをベースに、デザインや設備にこだわりを詰め込むことが可能です。構造は、暑い夏や寒い冬でも快適に過ごせる木造を選べる他に、災害への備えとして耐火性や耐震性に優れた鉄骨造を選ぶのもおすすめです。
間取りは3〜4人が広々と暮らせる広さの4LDKや、二世帯住宅を作ることも可能です。パントリーや食器洗い乾燥機などの家事を楽に行える住宅設備も採用できます。また、床暖房や二重窓など室温を快適に保つ設備も取り入れるのも検討するのもよいでしょう。どちらも冷暖房費用の節約にもつながるためおすすめです。
建築費のみ
建築費のみで5,000万円台の注文住宅では、鉄骨造やRC造など耐久性の高い構造を選択できます。特に都市部の狭小地は近隣の建物との距離が近く、延焼のリスクも高まるため、鉄骨やRCを選ぶことで自宅や近隣で火災が起きた際も被害を最小限に抑えられます。
また建築費5,000万円台の住宅には高い省エネ性能を備えることが可能です。前述したZEHよりも高水準の住宅設備を備えられれば、ZEH+の住宅を実現できるでしょう。システムキッチンをIHコンロのものを選んだり、給湯器をエコキュートにしたりと、オール電化住宅にすることで環境にも家計にもやさしい暮らしを送れます。
デザインについては、フローリングやドアなどさまざまな場所に天然木材を使ったり、タイルや大理石などを使ったエクステリアを設けたりすることも可能です。おしゃれで耐久性の高い天然素材を贅沢に使用できます。
注文住宅の費用に関する相談先
注文住宅の費用は、住宅ローンを利用して数十年かけて返済していくのが一般的です。国土交通省の調査によると、注文住宅購入者の75%以上が住宅ローンを利用しており、返済期間は35年以上を設定している人が70%以上を占めています。(※)
※出典:国土交通省 「 令和4年度住宅市場動向調査報告書 」
そのため多くの人にとって注文住宅の費用は、購入時だけでなく購入後の生活にも大きく関わってくるものであり、慎重に決める必要があります。自分と家族に適した注文住宅の費用を決めるためには、現在の世帯年収の他にも将来的なキャリアプランや子供の人数、車の有無といったさまざまな要素を考慮することが重要です。
自分たちに適した注文住宅を建てるための資金計画を練るためにも、専門家を頼るのがおすすめです。ここからは、注文住宅にかかる費用に関する相談先について紹介します。
不動産に関する無料相談窓口・サービス
不動産に関する情報サイトでは、住まいに関する相談窓口が設置されているケースが多いです。オンラインで気軽に問い合わせられる場合もあるので、忙しい人にも適しています。
サービスの内容は窓口によってさまざまです。例えば、希望条件に合わせて資金計画や見積書を一括請求できるWebサービスの窓口では、限られた時間でもスピーディに資料の比較検討ができます。また、予算を決めた後の施工会社選びや土地探しの悩みにも対応しているので、住まいづくりの最初のステップとしてもぴったりです。
ハウスメーカー・工務店
ハウスメーカーや工務店の担当者にも、費用に関する相談ができます。ハウスメーカーや工務店は住宅性能や間取り、設備に関する知識が豊富なため、費用のイメージをより具体化しやすい点が魅力です。
ただし、ある程度の予算が決めきれていない状態で相談すると、費用が膨れ上がってしまう可能性があるため注意が必要です。また、相談時に教えてもらえる住宅の性能や間取りはその施工会社が取り扱っているものに限られるため、情報が偏ってしまう可能性もあります。
住宅展示場
住宅展示場はモデルハウスを見学できるだけでなく、ファイナンシャルプランナー(FP)や建築士といった専門家による相談会・セミナーなどが開催されています。セミナーで注文住宅に関する基礎知識を1から学んだり、相談会で個別の事情に沿ったアドバイスをもらえたりするため、費用を考える上で役立つでしょう。
住宅展示場の相談会やセミナーに参加する前後に、モデルハウスを見学することもできる点も魅力です。ただし、モデルハウスに常駐する施工会社の担当者へ、予算をまだ十分に検討しきれていない段階で伝えるのは避けましょう。予算が固まる前に伝えてしまうと、自身にとって無理のある費用のプランを提案されてしまうリスクがあるためです。対面で提案されると断りづらくなってしまうケースも多いため、住宅プランに関する情報収集はまずWebサイトなどを活用するのをおすすめします。
銀行・信用金庫
金融機関では、住宅ローンを前提とした資金計画の相談窓口の受付や、住宅ローンについて学ぶセミナーを実施しています。取り扱っている住宅ローンについての正確な情報を教えてくれるため、返済計画を立てる際に役立ちます。
一点注意してほしいのは、相談窓口やセミナーで提供される住宅ローンの情報は、相談している金融機関が取り扱う商品が中心になるという点です。公平な目線で判断するためにも、住宅ローンを考えるときには複数の金融機関に相談することをおすすめします。
注文住宅の予算が決まったら
注文住宅にかける費用相場や自身の収入などから適切な予算がまとまったら、注文住宅の購入に向けて準備を進めていきましょう。ここでは、注文住宅にかける予算が決定した後の大まかな流れを紹介します。
住まいの要望を出しあう
まずは家族で住まいに関する要望を出しあいましょう。土地も併せて購入する場合は、立地条件の希望も必要です。理想の暮らしを想像しながら、それを実現するために必要なスペースや居室数、広さなどへと具体化していくことで、スムーズに進みます。
住まいの要望の例
- 保育園に通う子供が2人いて、小学生までは同じ部屋、中学生からは別々の部屋を与えたい
- 週3日リモートワークをしているので、仕事用の個室を設けたい
- 子供が野球を習っているので、キャッチボールできるような中庭が欲しい
- 車での移動が多いので、家族が1人1台車を持てるように広い駐車スペースが必要
- 衣類や荷物が多いのでウォークインクローゼットが欲しい
上記に挙げたような要望を整理して優先順位をつけていくことで、予算オーバーを防げます。まずは自由に理想の注文住宅の条件を洗い出してみましょう。
土地と施工会社を探す
注文住宅を土地とセットで購入する場合は、土地の購入時に住宅ローンの審査のために仮の施工プランを提出する必要があります。そのため、事前に余裕をもって土地や建築プランを考えておけば時間をかけて比較検討できるため、理想の注文住宅づくりを実現しやすいでしょう。
ハウスメーカーや工務店に土地探しを依頼することもできますが、土地を購入する場合はその会社と施工契約を結ぶことが前提になるケースが多いです。万が一プランに懸念点があった施工会社から好条件の土地を提案されても、契約するのはしっかり検討してからにしましょう。
自分に合った住宅ローンを探す
住宅ローンは、種類や商品ごとに金利や融資条件が異なります。中には施工会社と提携していたり、補助金と連携していたりするなどして、優遇措置が適用される住宅ローンもあります。ただし検討している住宅ローンが本当にお得かどうかは、他の商品と比較しないと分かりません。「施工会社におすすめされたから」「早く申し込まないといけなかったから」と早計な判断をしないよう、住宅ローンごとの特徴やメリット・デメリットなどを整理して、自分に合ったものを吟味することが重要です。
費用相場や専門家の意見を参考に、自分にあった注文住宅の予算を決めよう
注文住宅の予算を決める上で、地域や世帯年収など自分と近い条件で住宅を購入した人の費用相場は参考になります。しかし世帯によって、ライフプランも住まいに関する要望はさまざまで、必要な費用もそれぞれ異なります。本当に自分に適した注文住宅の予算を決めるには、専門的な判断が必要です。
注文住宅相談サイトの「タウンライフ家づくり」では、Webサイト上で自分の希望や条件を入力すれば、複数の施工会社から資金計画書や間取りプラン、土地の情報などの資料を一括で取り寄せられます。さまざまなハウスメーカー・工務店から提示された予算を見比べながら、適切な依頼先を選べるでしょう。無料で利用できるので、注文住宅を検討している方はお気軽に活用してみてください。
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