住宅ローンは不動産屋を通さず自分でやる?不動産屋の力なしのメリットとデメリット
不動産屋での家探しが具体的になってくると、次のステップとして住宅ローンの審査が話題になります。
「どれぐらい借りられるか事前審査を受けてみましょう」と業者提携のローンを促されたものの、自分でやる方がよいのか迷っている人も多いですよね。
この記事では、不動産屋を通さずに住宅ローンを借りるメリットとデメリットについてまとめます。
「不動産屋の力で審査が通りやすくなるか」などの気になる情報や、自分で申し込む際のおすすめの方法を紹介するので、住宅ローンを検討中の方は参考にしてみてください。
住宅ローンを不動産屋は通さず自分でやるメリット
住宅ローンは不動産屋を通さず自分で申し込むことができます。
主に金利や手数料がお得になることが多く、具体的なメリットは以下の3つです。
それぞれを順番に見ていきましょう。
不動産屋経由の手数料が不要
不動産屋を通して住宅ローンを申し込むと「住宅ローン代行手数料」がかかるケースが一般的です。
住宅ローン代行手数料は、業者がローン手続きを代わりに行うと発生するため、不動産屋を通さず自分ですると支払う必要はありません。
不動産屋に煩わしいローンの手続きを任せられるのは楽ですが、中には10万円以上の手数料を取る業者もいます。
不動産売買の仲介手数料は法律で金額の上限が定められている一方で、住宅ローン代行手数料は上限が決まっていません。
不動産屋によってローン代行手数料に差があり、相場は以下のとおりです。
業者の相場 | 住宅ローン代行手数料 |
---|---|
安めの業者 | 5万円 |
普通の業者 | 10万円 |
高めの業者 | 15万円 |
事前に住宅ローン代行手数料について詳しく説明されないケースもあり、後から諸費用の内訳を見て「こんなに高額だったとは…」と後悔する人もいます。
家づくりにおいて、壁紙のグレードを上げたり、コンセントを増やしたりと、追加で費用をかけたくなる箇所は必ず出てきます。
また、新居への引っ越し前に、家具や家電を新調したいと考える人も多いでしょう。
10万円を住宅ローン代行手数料として支払うより、マイホームの資金に充てる方が理想のお家に近づきます。
金利が低い住宅ローンを探せる
不動産屋を通さず自分で住宅ローンを申し込む場合、自由に金融機関を選べます。
業者の提携ローンよりも金利が低いローンを見つけられるケースも多く、返済額や利息を抑えられるのがメリットです。
0.1%の金利の差であれば、一見あまり変わらない印象ですが、実際の総返済額には大きな違いがあります。
借入額4,000万円・35年返済を例に、返済額や利息を見てみましょう。
金利 | 毎月返済額 | 総支払利息 |
---|---|---|
0.6% | 105,611円 | 4,356,620円 |
0.7% | 107,408円 | 5,111,360円 |
0.8% | 109,224円 | 5,874,080円 |
金利の差が0.1%であれば、毎月の返済額の違いは2,000円弱です。
35年間の総支払利息は70~80万円ほど変わってくるため、見過ごせない金額でしょう。
後から金利の低い金融機関に借り換えるのも手数料や手間がかかるので、最初に条件を比較した上で納得できる金融機関に申し込むのがおすすめです。
返済条件や細かなプランを金融機関に直接相談できる
不動産屋の提携ローンを使う場合、金融機関と直接やり取りする手間は少なくすみます。
その一方で、返済条件や細かなプランをじっくり相談しないまま、融資が実行されるケースがあります。
不動産屋を通さず自分で申し込む場合、金融機関に直接相談できる機会が多いです。
- 返済金額をもう少し下げたい
- ボーナス併用はいくらぐらいが妥当か
- 団体信用生命保険の特約が詳しく知りたい
- 繰り上げ完済で保証料は返戻されるのか
これらの要望や疑問を、返済条件やプランに反映しやすくなります。
もちろん不動産屋にも住宅ローンの要望を伝えられますが、あくまで申し込みの代行です。
担当者によっては知識が浅い場合や、上手く金融機関に取り次いでもらえない可能性があります。
今さら金融機関に問い合わせるのもハードルが高いと感じて、提案された返済プランで進んでしまいがちです。
最初から不動産屋を通さず、自分で金融機関に住宅ローンの相談をすると、細かい点にも納得しやすいでしょう。
住宅ローンを不動産屋は通さず自分でやるデメリット
不動産屋を通さずに住宅ローンを自分でやると金利や手数料がお得になる一方で、デメリットもあります。
順番に解説します。
審査や契約の手続きに手間がかかる
不動産屋を通さずに住宅ローンを借りる場合、審査や契約の手続きは自分で進めることになります。
住宅ローンは事前申し込みから融資実行まで、いくつかの流れを踏むことが必要です。
大まかな流れは、以下のとおりです。
- 事前審査
- 本審査
- 住宅ローンの契約
- 融資実行
住宅ローンの事前審査は、1~2枚の申込書を書いて、本人確認書類や収入証明を出すと申し込みが完了します。
ネット申し込みの場合、提出書類はなくオンライン上で結果が出ることもあります。
一方の本審査は、申込人や物件の詳細な審査が行われるため、提出書類が多いです。
不動産屋を通した場合、物件の書類は不動産屋が揃えて金融機関に提出しておいてもらえます。
本申込書や契約書も不動産屋が準備してくれるケースもあり、マイホームの打ち合わせのついでに住宅ローンの手続きも進みます。
不動産屋に別途「住宅ローン代行手数料」を支払う必要はあるものの、時間がない人にとっては審査や契約手続きの手間の方が負担に感じる場合もあるでしょう。
すぐに動かないと物件が売れてしまうことも
住宅ローンを自分で申し込む場合、すぐに動かないと物件が売れてしまったり、条件が変わってしまったりする場合があります。
特に、注意が必要なのは以下のケースです。
- 土地の購入
- マンションの購入
- 中古物件の購入
一般的に、不動産の売買はローンの事前審査が通るまで契約に進めないため、審査が通るまで待っておいてもらう必要があります。
人気エリアの物件であれば「1週間しか待てない」などと期限を設けられる場合もあり、すぐに審査に向けて動かないといけません。
「欲しかった物件が他の人の手に渡ってしまった…」と後悔しないためにも、事前審査は速やかに申し込みましょう。
不動産屋の事前審査を受けても、途中で別の金融機関に変えることもできるため、並行して住宅ローンを探すのもおすすめです。
自分で金融機関を比較する必要がある
不動産屋を通さず住宅ローンを申し込む場合、金融機関は自分で比較する必要があります。
知人の紹介や付き合いの深い銀行があればよいですが、多くの人は一から金融機関探しを行います。
以下のように、住宅ローンは比較すべきポイントが多いです。
- 金利はどこが安いのか
- 手数料や諸費用はどれぐらいかかるのか
- 自分の年収で借りられるのか
- 金利タイプはどれがよいか
金融機関のホームページを見ても「どこが良いのか分からない」と感じて、結局は不動産屋の住宅ローンを選ぶ人もいます。
自分にぴったりな金融機関や、金利の低い住宅ローンが分からない人は、まず「モゲチェック」で住宅ローン診断を受けてみましょう。
あなたにおすすめの銀行をランキング形式で提案してくれるので、金利の比較や金融機関選びがスムーズです。
住宅ローンは不動産屋の力で通りやすくなる?
住宅ローンの審査に不安を感じる場合、「不動産屋の力があると通りやすくなるのでは?」と提携ローンを検討する人もいます。
実際は、不動産屋の力で不承認のローンが承認になることはほぼありません。
金融機関のローンの審査には基準が設けられているため、不動産屋が「どうにか通してくれませんか?」とお願いしても、基準に当てはまらなければ不承認です。
ただ、不動産屋はお客様が住宅ローンが通らないと物件の契約に進めないため、過去の審査結果の傾向から別の銀行での再審査を提案をしてくれる場合があります。
- 返済比率(年収)が厳しそうならA銀行
- 勤続年数が短いならB銀行
- 再建築不可の物件を担保としてくれるのはC銀行
このように、不動産屋の営業マンがそれぞれの金融機関の審査の傾向を把握しているケースがあり、上手く住宅ローンが組める人もいます。
ただし、これは稀な事例のため不動産屋の力ではどうにもならない可能性も高いです。
住宅ローンを不動産屋を通さず自分で申し込む2つの方法
不動産屋を通さずに自分で申し込むときにおすすめの、2つの方法を紹介します。
どちらの方法が自分に合っているのか、比べてみましょう。
信頼できる金融機関で事前審査を受ける
不動産屋の提携ローンを使わない場合、信頼できる金融機関に事前審査の申し込みをすることをおすすめします。
住宅ローンは審査や契約、実行など複数のステップがあるため、サポートが不十分だと不安に感じます。
具体的に、以下の金融機関を検討しましょう。
- 以前に車のローンや教育ローンを利用して担当者と面識がある
- 家族や知人からおすすめされた
- 住んでいる地域で評判が良い
これらに当てはまる金融機関では、手続きがスムーズに進む可能性が高いです。
どの金融機関が良いか見当がつかない場合、三井住友銀行の「WEB申し込み専用住宅ローン」をおすすめします。
WEBで簡単に手続きができるだけでなく、担当者の手厚いサポートが好評で、お客様満足度は94.7%*です。
「魅力的な金利」と「もしものときの安心の保障」が用意されているので、条件面でも選ばれています。
>>三井住友銀行 住宅ローン
*三井住友銀行で取り組みされたお客様へのアンケートに基づくもの。(アンケート期間:2021年9月~2022年6月)
住宅ローンの比較サービスで条件の良い金融機関を探す
不動産屋を通さずに、少しでも金利の低い住宅ローンを探したいなら比較サービスを使いましょう。
「モゲチェック」は主要銀行を一括比較して、おすすめの金融機関を知れるサービスです。
会員登録をして情報を入力すると、無料であなたに最適なローンを選定してくれます。
以下の内容も無料で知ることができるため、住宅ローン選びや返済計画が一気に楽になります。
- 銀行ランキング
- 各銀行の審査に通る確率
- 返済額シミュレーション
住宅ローンで疑問があればプロのアドバイザーにメッセージで相談でき、ローンの利用が初めてでも安心です。
モゲチェック限定の優遇金利*もあるので、お得に住宅ローンを借りたい人は「住宅ローン診断」を受けてみましょう。
>>モゲチェック 公式サイト
*提案結果内容に優遇金利が利用できる銀行が含まれていた場合のみのご案内となります。各銀行の審査の結果、優遇金利を利用できない場合もあります。優遇金利の適用金利は事前審査承認後に銀行からご案内します。
住宅ローンを自分で手続きするときによくある質問
住宅ローンを自分で手続きするときによくある質問をまとめます。
業者提携の住宅ローンを申し込まず自分で選んでもいい?
一般的に、住宅ローンは自分の好きな金融機関を選択できます。
中には不動産屋から提携ローンを指定されるケースもありますが、これは業者が手数料を取れることや、審査の流れがスムーズなことが理由です。
ただ、他にも同じ物件を希望している人がいる場合、提携ローンを利用しない場合は契約を待ってもらえないケースがあります。
事前審査は複数の金融機関に申し込むこともできるため、業者の提携ローンの審査を受けつつ、他のローンを探すのもおすすめです。
他のローンの事前審査が通りそちらを利用したい場合は、トラブルにならないよう早めに伝えましょう。
住宅ローンの審査に通らなかったらどうしたらいい?
住宅ローンの審査に通らない理由として多いのは、以下の3点です。
- 年収に対して借入金額が大きい
- 勤続年数が短い
- ローン返済やカードの引き落としに遅れがある
これらのなかで、自身に当てはまる原因を考えてみましょう。
年収が気になる場合は、借入金額を下げるために「物件を変更する」「自己資金を用意する」などの方法があります。
すでに車のローンやカードローンなどの借り入れが多い人は、整理することも考えましょう。
勤続年数が短い、ローン返済の遅れがあるなどの理由は、一定期間をおいて申し込むことで通る場合があります。
住宅ローンの審査の基準は金融機関によって異なるため、別の審査を受けてみることも検討できます。
ただ、審査を受けた履歴は残るため、2~3社程度に留めておくのがおすすめです。
不動産屋を通さない住宅ローンの申し込みについてまとめ
不動産屋を通さないで住宅ローンを申し込むと、自分で金融機関を比較して手続きを行う手間があるため、負担に感じることがデメリットです。
一方で、金融機関の選択肢が広がり自分にとって有利な条件を見つけやすくなります。
金利や手数料などで総額100万円以上が違ってくるケースもあり、住宅ローン選びはとても重要です。
満足度の高い金融機関を選ぶ、住宅ローンの比較サービスを活用するなどして、自分にぴったりの住宅ローンを見つけましょう。