バルセロナの世界遺産:ガウディ建築群から知られざる遺産まで完全ガイド
スペインの観光地として人気のバルセロナ。有名な建築家「アントニ・ガウディ」による建築作品群を見ることができます。
今回は、写真を交えて「アントニ・ガウディ」の作品群を詳しく紹介します。 バルセロナ観光を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
目次
バルセロナの世界遺産
数多くの世界遺産や芸術に触れられる国、スペイン。
特にバルセロナは、有名な「サグラダファミリア」をはじめ、世界遺産が点在している魅力的な地域です。
バルセロナにある世界遺産の特徴を詳しく解説します。
世界遺産とは
世界遺産とは、地球の生成と歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれ、未来の世代に引き継いでいくべきかけがえのない宝物です。
世界遺産は「有形の不動産」を対象とし、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3つの種類があります。 ガウディが手がけた「サグラダファミリア」などは、世界文化遺産に登録されています。
参考引用:世界遺産とは – 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
バルセロナにある世界遺産の数と特徴
バルセロナでは、アントニ・ガウディの建築物が7つ、ムンタネーの建築物2つが、ユネスコの世界遺産に登録されました。
全部で9か所の世界遺産を有しており、一度の旅行でたくさんの世界遺産に出会うことができます。
アントニ・ガウディの建築作品群
アントニ・ガウディは。スペインのカタルーニャ地方出身の建築家です。
学生時代から建築を学び、その時代から才能を見出されていました。
バルセロナには、「サグラダファミリア」をはじめ、ガウディが手がけた建築作品が7つあります。
その7つの作品を、1つずつご紹介します。
サグラダファミリア
世界遺産にも登録されている「サグラダファミリア」は、カタルーニャ語で「聖家族教会」という意味を持ちます。
サグラダファミリアは、イエス・キリスト、養父ヨセフ、聖母マリアに捧げられたキリスト教の聖堂です。 建築家アントニ・ガウディの最高傑作ともいわれる教会。 1882年に建設が始まり、140年以上にわたって建築が続いていますが、2034年に完成すると公式発表されました。
サグラダファミリアは、教会全体で聖書の内容を表現することをコンセプトに建設されています。
大聖堂の内部は、高い天井とステンドグラスの入った窓に囲まれた、とても幻想的な空間です。
ステンドグラスの色は、西側は赤やオレンジ色、東側は青や緑となっていて、時間によって差し込む光の色が変わります。 大理石などでできた無数の白い柱は、ヤシの木をモチーフにして作られていて、大自然の中にいるかのような感覚に。
基本情報 |
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住所 |
C. Mallorca 401, Barcelona |
アクセス |
地下鉄2・5号線 サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)駅からすぐ |
営業時間 |
9~20時(日曜は10時30分~、3・10月は~19時、11~2月は~18時) 12月25・26日、1月1・6日は~14時 |
入場料 |
一般入場チケット(大人) 26ユーロ ガイドツアー(大人)入場チケットを含む 30ユーロ ガイドツアー+1つのタワーを含む入場チケット(大人) 40ユーロ 1つのタワーを含む入場チケット(大人) 36ユーロ |
グエル公園
サグラダファミリアに次いで観光客が多く、バルセロナに行ったら必ず行きたい人気の観光名所です。
グエル公園の見どころは、入り口にある「お菓子の家」と呼ばれる2軒の可愛らしい建物です。 その名の通り、ホイップクリームのような屋根や、クッキーのような見た目をした壁になっています。
タイルを細かく砕いたものを建造物の表面に装飾として貼りつけたもので、公園内のベンチなどいたるところに使われているのも特徴です。
公園内部には、カラフルなモザイク模様の可愛いトカゲのオブジェもあるので、散策しながら探してみてください!
基本情報 |
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住所 |
CI Olot S/N,Barcelona |
アクセス |
地下鉄3号線レセップス(Lesseps)駅、4号線アルフォンス・デシモ(Alfons X)駅から徒歩15分。 市バス24・25晩でパーク・グエル(Parc Guell)下車。 |
営業時間 |
9時30分~18時(季節によって変更あり) |
入場料 |
大人: 10ユーロ ※予約チケットは30分遅刻すると無効。 |
カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)
ミラー家の新居であったことから、「カサ・ミラ」という名前で親しまれています。
実際に居住している世帯があるため、建物の全部は見学できませんが、当時の様子を再現した部屋や展示室など、一部が観光客に開放されています。
特徴は、波打つような曲線的なデザインです。
いたるところで水の揺らぎや海の生き物といった自然をイメージしたモチーフが施されていて、ガウディらしい芸術を感じられます。
カサ・ミラの屋上はまるでテーマパークのような幻想的な空間が広がっていて、個性的な塔がいくつもあります。
バルセロナ市街が一望できるスポットとしても観光客に人気です。
基本情報 |
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住所 |
Paseo de Gracia, 92, Barcelona |
アクセス |
地下鉄5号線ディアゴナル(Diagonal)駅から徒歩3分 |
営業時間 |
9時~20時30分 夜の部:21時~23時 |
所要時間目安 |
1時間半程度 |
入場料 |
大人:27ユーロ(夜の部は34ユーロ) シニア:21.50ユーロ(夜の部は34ユーロ) |
カサ・バトリョ
画像引用元:
https://pixabay.com/photos/high-first-gaud%C3%AD-barcelona-5049246/
大富豪ジュゼップ・バッリョのために改築した邸宅です。
曲線的なデザインで独特な外観から、「骨の家」と呼ばれています。
建物内部の壁面や外壁は、青と緑を基調としたもので、その美しさと骨のような斬新なデザインのコントラストも見どころの1つです。
基本情報 |
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住所 |
Passeig de Gracia 43, 08007 Barcelona |
アクセス |
地下鉄2,3,4号線 Passeig De Gracia駅から徒歩2分 |
営業時間 |
9時~20時(入場は19時まで) |
入場料 |
大人:25ユーロ(一般公開前入場やナイトビジットチケットは39ユーロ) |
グエル邸
画像引用元:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/%E8%8F%AF%E3%82%84%E3%81%8B%E3%81%AA%E9%89%84%E3%81%AE%E3%83%89%E3%82%A2%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%AD%A3%E9%9D%A2%E3%81%AB%E6%99%82%E8%A8%88%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%83%93%E3%83%AB-dbxj2r2AwOw
ガウディの初期の建築物であるグエル邸。
ガウディをイメージさせるポップな印象とは対照的に、重厚感のあるアーチ状のファザードが印象的です。
鉄製の大きな格子扉は、外から中が見えずプライベートを守る一方、内側からは外の通行人が見える、マジックミラーの様な仕掛けになっていました。
屋上にある6つの煙突がシンボルで、モザイクタイルで装飾されていたり、凝ったデザインのものが多いです。
煙突は外部からの侵入がされやすい弱点という考えがあったことから、ガウディは煙突にかなりこだわりを持っていたとされています。
画像引用元:https://www.nta.co.jp/media/tripa/articles/9sdK4
基本情報 |
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住所 |
Carrer Nou de la Rambla,3-5 08001 Baecelona |
アクセス |
3号線 リセウ駅から徒歩5分 |
営業時間 |
4月~9月 10:00~20:00 |
入場料 |
一般:12ユーロ |
カサ・ビセンス
画像引用元:https://www.nta.co.jp/media/tripa/articles/9sdK4
カサ・ビセンスは、バルセロナのグランシア地区にあり、ガウディが初めて住宅設計をした邸宅です。
ムディハル様式という、イスラム様式にキリスト教の建築が融合された作品となっています。
ガウディ建築物の初期の作品で、ガウディらしい曲線使いは見受けられませんが、アラブ風の外観がユニークでタイル使いの美しさが特徴。
基本情報 |
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住所 |
Carrer de las Carolines, 20-26 08012 Barcelona |
アクセス |
3号線 フォンタナ駅から徒歩5分 |
営業時間 |
10:00~20:00 |
入場料 |
大人:18ユーロ |
コロニア・グエル教会地下聖堂
バルセロナ近郊のコロニア・グエルと呼ばれる工業団地に築かれた教会。
工場で働く労働者たちが礼拝する場所として建造されました。
外観の見どころの一つは、ガウディ建築の特徴でもあるカラフルなタイルです。
礼拝堂の入り口上部にあるモザイクは、意味を持った装飾となっています。
どんな意味があるのか知ったうえで見るのも面白いですね。
基本情報 |
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住所 |
Carrer Claudi Carrer Reixach, s/n 08690 La Colonia Guell Baecelona |
アクセス |
スペイン広場駅から、S3線、S4線、S8線またはS9線の電車に乗り、コロニア・グエル駅で下車 |
営業時間 |
月~金曜日:10:00~17:00(5月~10月は、~19:00) |
入場料 |
大人:9ユーロ |
カタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院
上記で紹介した建築物以外にも、バルセロナには魅力的な世界遺産に登録されている建築物がたくさんあります。
ガウディと並び、有名な建築家である「ムンタネー」による建築物である、「カタルーニャ音楽堂」「サン・パウ病院」を紹介します。
カタルーニャ音楽堂の特徴と歴史
カタルーニャ音楽堂は、建築家ムンタネーの作品で世界遺産に登録されています。
合唱団の練習ができる場所・コンサートが楽しめる場所が必要となり、1898年にルイス・ミイェット氏は、建築家ムンタネーにカタルーニャ大聖堂の建築を依頼しました。
アール・ヌーヴォー様式のレンガ造りで、タイル・モザイク・ステンドグラスなどの装飾が施されているのが特徴です。 カタルーニャ音楽堂の最大の見どころは、内部の2階にある大ホール。 自然光で照明されているコンサートホールは、世界でカタルーニャ音楽堂のみ。
日の光が降り注いで、万華鏡のように美しく輝く大きな天井のステンドグラスが魅力的です。
サン・パウ病院の建築様式と現在の用途
画像引用元:
https://www.photo-ac.com/main/detail/2958056&title=%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%A6%E7%97%85%E9%99%A2
2009年までは病院として機能していた「サン・パウ病院」は、2014年から観光スポットとして再オープンしました。
パウ・ジル氏(銀行家)は、当時の郊外に新しい病院を建てるようにと、バルセロナ市に対し高額の寄付をしました。 その条件として、彼の名前(パウ)を新しい病院につけることとしたとされています。
病院が世界遺産という珍しさと、サグラダファミリアから徒歩圏内とアクセスも良く、穴場的な観光スポットとなっています。 サン・パウ病院は広大な敷地面積を有しており、サグラダファミリアの12倍の規模とされています。
ステンドグラスやタイルなどの装飾をあらゆるところに施し、太陽の光を取り込む癒しの建物として完成しました。
バルセロナの世界遺産を巡る観光プラン
バルセロナに来たら必見の観光名所を巡る、効率的なモデルコースを紹介します。
各名所の見学時間と入場料も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの周遊ルート
<1日目>
◎グエル邸
バルセロナの街の中心地に佇むガウディの作品。
その名の通り実業家グエル氏がガウディに依頼して完成した邸宅です。
【営業時間】
4月~9月 10:00~20:00
10月~3月 10:00~17:30
※最終入場は終了1時間前まで
【入場料】
一般:12ユーロ
学割:9ユーロ
10歳~17歳:5ユーロ
9歳以下無料
◎ランチ
◎カサ・ミラ
石を積み上げたような外観から、別名「ラ・ペドレラ(石切り場)」と呼ばれています。 バルセロナ市街が一望できるスポットとしても観光客に人気です。
【営業時間】
9時~20時30分
(11月から2月は18時30分まで。※クリスマス期間は除く)
夜の部:21時~23時
(11月から2月は19時~21時。※クリスマス期間は除く)
【入場料】
大人: 27ユーロ(夜の部は34ユーロ)
子ども : 6歳以下:無料
7歳~12歳:15ユーロ(夜の部は17ユーロ)
シニア:21.50ユーロ(夜の部は34ユーロ)
◎カサ・バトリョ
画像引用元:
https://pixabay.com/photos/high-first-gaud%C3%AD-barcelona-5049240/
曲線美を多用した外観や、凝った装飾が施された内装が見どころです。
【営業時間】
9時~20時(入場は19時まで)
【入場料】
大人:25ユーロ(一般公開前入場やナイトビジットチケットは39ユーロ)
子ども
17歳以下:22ユーロ(一般公開前入場やナイトビジットチケットは39ユーロ)
7歳未満:無料
シニア(65歳以上):22ユーロ
団体:17.30ユーロ
<2日目>
◎グエル公園
ガウディの作品群の一つ、バルセロナにある公園で市民の憩いの場でもあります。
【営業時間】
9時30分~18時(季節によって変更あり)
【入場料】
大人: 10ユーロ
子ども : 7~12歳:7ユーロ
6歳以下:無料(無料チケット発券の必要あり)
シニア(65歳以上):7ユーロ
※予約チケットは30分遅刻すると無効。 再入場不可。
◎ランチ
◎サグラダファミリア
バルセロナを象徴する、ガウディ建築物のひとつです。
バルセロナの街並みや、地中海を望む絶景も楽しめます。
【営業時間】
9~20時(日曜は10時30分~、3・10月は~19時、11~2月は~18時)
12月25・26日、1月1・6日は~14時
【入場料】
一般入場チケット(大人) 26ユーロ
一般入場チケット(11〜30歳) 23ユーロ
ガイドツアー(大人)入場チケットを含む 30ユーロ
ガイドツアー(11〜30歳)入場チケットを含む 28ユーロ
ガイドツアー+1つのタワーを含む入場チケット(大人) 40ユーロ
ガイドツアー+1つのタワーを含む入場チケット(11〜30歳) 38ユーロ
1つのタワーを含む入場チケット(大人) 36ユーロ
1つのタワーを含む入場チケット(11〜30歳) 34ユーロ
バルセロナの世界遺産保護への取り組み
世界遺産の指定には、史跡や自然保護のための環境や法律が十分に整えられているのか、世界遺産に指定されるほど十分に魅力的あるいは文化的な多様性や普遍的な価値があるかが問われます。
そんな中、バルセロナには9つもの世界遺産が点在しています。
これらの遺産を保護していくために、どんな取り組みがされているのでしょうか。
保存と修復のプロジェクト
サグラダファミリアでは、ツアー代金の一部を寄付金に充てる活動をしています。
通常の観光では見られない部分の見学ができ、寄付のお礼として地下礼拝堂に名前の刻印プレートを展示できます。
後日、寄付証明書を受け取ることもできます。
持続可能な観光への取り組み
バルセロナには、「スーパーブロック」計画という取り組みがあります。
バルセロナ市内の大部分は、格子状に基盤の目が整然と並んで広がる都市構造で形成されています。
この格子状の街区のうち9つを約400×400mのひとつの大きな「ブロック」としてとらえ、地区ごとに緑化率の回復、大気汚染や騒音の低減を進め、安全で環境に配慮したパブリックスペースへと転換させていくことを狙いとします。
地域住民からの意見を重視する、地域住民主体の「まちづくり」です。
まとめ
今回は、バルセロナにある世界遺産についてご紹介しました。
バルセロナは、一つの都市で多数の世界遺産を見ることができるとても魅力的な都市です。 バルセロナ観光を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。