イタリア中部・ローマやフィレンチェの一度は行きたい美術館・博物館!

目次

引用:https://www.flickr.com/photos/rpster/2649819051/
イタリアと言えば、ローマやフィレンチェ観光は定番中の定番。そしてその観光の定番と言えば、やはり美術館・博物館めぐりです。
イタリアには大小合わせて5,000棟弱もの美術館・博物館があるのですが、その大きい美術館がどこにあるのかと言えば、だいたいはローマかフィレンチェにあります。
世界的に有名な美術館の中には、誰しも一度は聞いたことのある画家の作品がずらりと展示され、とても一日で見きれるものではありません。
そこで今回はそんな中部イタリアの美術館・博物館の中でも、これだけは!という物を厳選してご紹介いたします。
イタリア美術ツアーなどはよく耳にすることもあるかと思われますが、そうした美術尽くしのツアーを組めるほど…いえ、ツアーに一度参加しただけでは物足りないと思ってしまうほど、中部イタリアの美術館は凄まじい物ばかり。
ぜひ一度ご覧になり、ここは絶対に行きたい!と思う美術館・博物館を探してみて下さい。
イタリア北部の見逃せない美術館・博物館!ローマやフィレンチェなど

引用:https://www.flickr.com/photos/cfwee/217187454
イタリアの有名な美術館は、そのほとんどがローマかフィレンチェにあるといっても過言ではありません。
ですので鑑賞しやすくはあるのですが、 そのぶん観光客も集中してしまい、ほとんどの美術館では予約が必須ということにご注意ください。
万が一チケットが取れなかった場合は現地でも購入可能ですが、ほぼ確実に数時間、場合によっては丸1日並んでも入場できないといったこともあります。
多少予約料はかかりますが、日本でオンラインでチケットを取るのを強く推奨します。
特に人気のバチカン美術館やウフィツィ美術館などは、数か月前からチケットが完売ということもしばしばですので、早め早めの予約が大事です。
それほどまでに人気な、イタリア中部の美術館・博物館。早速ご紹介していきます。
バチカン美術館 (ローマ)

引用:https://www.flickr.com/photos/ladyous/6305041535/
イタリアでもっとも有名な美術館は、おそらくここではないでしょうか。
ローマのど真ん中、バチカン市国にある24の美術館を総称するバチカン美術館は、総面積が東京ドームとほぼ一緒、順路の合計は7㎞にもなるという、あまりにも広大な美術館です。
そのすべての展示品を見ようとすると、1日どころか1週間あっても足りないといわれるほど。
展示品はミケランジェロの「最後の審判」や「天地創造」、ラファエロによる「アテネの学堂」や「キリストの変容」、古代ギリシャの大理石彫刻の代表的存在の「ラオコーン像」やミケランジェロの「ピエタ像」などなど…
誰もが教科書で一度は目にしたことがあるような作品が、いくつも並んでいます。
またそうしたキリスト教系の芸術作品だけではなく、歴代ローマ教皇が集めた古代彫刻やエジプト、ギリシャの美術品、またゴッホやダリといった近代の有名作家の絵も数多く展示されているのも特徴です。
その壮大さはまさに世界随一で、年間を通して500万から700万人以上が訪れる一大観光スポットです。特に近年はコロナ禍以前よりも来場者は増え、大きな混雑が予想されます。
一応予約をしなくても当日券を買うことはできますが、平日の午前であっても2時間以上並ぶのは当たり前。さらにチケットを買った後も、長い長い入場列に並ばなくてはいけません。
入場日の2ヶ月前からオンラインでチケットが予約できますので、必ず早めに確保しておきましょう。
2か月あるなら…と思っていると、観光のピーク時期にはあっという間に売り切れてしまうこともありますのでご注意を。
また、バチカン美術館やそれに付随するシスティーナ礼拝堂に入る際には、軽いドレスコードがあります。
男性の場合は肩とひざは露出させず、Tシャツも攻撃的な画像やスローガンのないものを選びましょう。
女性の場合も肩は隠し、膝も可能な限り隠れるスカートやズボンを着用してください。へそ出しスタイルは厳禁です。
これらの規制は子供にも適用されますので、あらかじめ問題のない恰好を心がけておきましょう。
住所 |
Viale Vaticano, 00120 Città del Vaticano |
営業時間 |
8時00分~19時00分(最終入館は18:00) 日曜定休(月の最終日曜日を除く) |
入場料金 |
現地購入20ユーロ |
イタリア国立21世紀美術館 (ローマ)

引用:https://www.flickr.com/photos/129231073@N06/42900198191
バチカン美術館は基本的に古代から中世の作品が中心ですが、ローマには近代美術館もちゃんとあります。
とくに有名なのが、2010年に開館したイタリア国立21世紀美術館です。ここは展示品もさることながら、まずその外観に驚かされることでしょう。
イラク出身の女性建築家、ザハ・ハディッド氏によってデザインされたこのモダン建築は、古い宮殿や邸宅を改築して美術館にすることの多いイタリアの中で異彩を放っています。
外観だけでなく内部も独特で、漆黒の階段はくねくねと左右から交錯し、まるで迷路のようです。

引用:https://www.flickr.com/photos/misstitty/8864845822/
この美術館の設計は世界中から名だたる建築家が集まり、コンペを開いたうえで決定されたもの。常設展では15人のファイナリストたちによる模型も見ることができます。
またイタリア国立21世紀美術館では企画展が盛んにおこなわれており、常時5つほどのイベントが開催されています。
イタリア国内外から集まった現代美術の数々は見ごたえ満点。またファッションに関する展示も行っており、世界各国のデザイナーによるドレスを楽しむこともできますよ。
住所 |
Via Guido Reni, 4a, 00196 Roma RM, イタリア |
営業時間 |
11時00分~19時00分 月曜定休 |
入場料金 |
現地購入15ユーロ |
カピトリーノ美術館 (ローマ)

引用:https://www.flickr.com/photos/41099823@N00/5070625837
あんまり混みあう美術館は嫌だな…というかたには、こんなローマの美術館はいかがでしょう。
カピトリーノ美術館はローマの中心部にあるカピトリーノの丘の上に建つ、かのミケランジェロが設計した、世界最古の美術館です。
カラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」や「女占い師」、ルーベンスの「ロムルスとレムス」など、コレクションもほかの大きな美術館となんら遜色のないものばかり。
アクセスもしやすいうえに、丁寧に見れば半日ほどはかかるボリュームのある美術館なのですが、近くにあるコロッセオやトレヴィの泉に隠れてしまい、意外と混まない穴場スポットになっています。
カピトリーノの丘はローマにある7つの丘の中で最も高く、カピトリーノ美術館付近からの眺めも良い、気持ちのいいエリアです。
観光につかれてしまったときはふらっとこちらに足を延ばし、のんびりと美術鑑賞を楽しまれるのもいいでしょう。
住所 |
Piazza del Campidoglio, 1, 00186 Roma RM, イタリア |
営業時間 |
9時30分~19時30分 |
入場料金 |
オンライン購入16.50ユーロ (5歳以下は無料 6~25歳までは13ユーロ) |
ウフィツィ美術館 (フィレンチェ)

引用:https://www.flickr.com/photos/manelzaera/1246274843
ローマでもっとも有名な美術館をバチカン美術館とするならば、フィレンチェで挙げられるのはウフィツィ美術館でしょう。
ウフィツィとはもともとは事務所(オフィス)のこと。フィレンチェを支配していたメディチ家のコジモ一世が、トスカーナ大公国政府の政庁舎として建てさせたものです。
そこに息子であるフランチェスコ1世がメディチ家のコレクションを陳列し始めたのが、この美術館の始まりとされています。
3階建てのフロアの総面積は約13,000㎡で、展示品は2,500点ほど。さすがにバチカン美術館と比べると小さいですが、それでもじっくり見るなら半日は欲しいボリュームです。
なにせ展示してあるのは、ダ・ヴィンチの「受胎告知」やボッティチェッリの「ヴィーナス誕生」、ミケランジェロの「聖家族」にラファエロの「ヒワの聖母」、ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」などそうそうたるものばかり。
いかにメディチ家がイタリアで力を持っていたのかが、これらコレクションを見ただけで伝わってきますね。
ウフィツィ美術館も当日券こそありますが、2時間から3時間待ちはあたりまえです。
訪れる際はオンラインでの予約を強く推奨します。
住所 |
Piazzale degli Uffizi, 6, 50122 Firenze FI, イタリア |
営業時間 |
8時15分~18時30分(火曜日のみ21時30分) 月曜定休 |
入場料金 |
12月21日から1月9日・2月21日から11月9日まで 1月10日から2月20日・11月10日から12月20日まで |
アカデミア美術館 (フィレンチェ)

引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%27David%27_by_Michelangelo.JPG
フィレンチェで見逃せない美術館と言えば、アカデミア美術館を外すわけにはいきません。
ここにはルネサンス期を代表するペルジーノやボッティチェリなどの絵画や、彫刻作品が数多く展示されているのですが、その中でもひときわ多くの観光客をひきつけるのが、ミケランジェロによる「ダビデ像」です。
当時26歳だったミケランジェロによって製作されたダビデ像は、もともとはヴェッキオ宮殿の正面玄関に飾られていました。
しかしミケランジェロ生誕400周年に当たる1873年に、アカデミア美術館に運び込まれ、以後ダビデ像のオリジナルは常にここに安置されることとなったのです。
もともと設置してあったヴェッキオ宮殿正面にもダビデ像はありますが、そちらは精巧なレプリカ品。フィレンチェの観光名所のミケランジェロ広場にも、同じようなレプリカが飾られています。
この周辺は常に多くの人でごった返していますが、その左右にあるミケランジェロの4点の奴隷の彫刻シリーズや、ブロンズィーノやアレクサンドロ・アッローリといったミケランジェロに影響を受けたとされる画家の作品も展示されていますので、併せて鑑賞しておきたいところです。
アカデミア美術館もまた、予約が必至の美術館。
オンラインで取ろうと思っても1か月先まで全部売り切れといったこともよくあるので、夏休みなど込み合う時期に訪れる予定の方は、できるだけ早めのうちに確保できるようにしておきましょう。
住所 |
Via Ricasoli, 58/60, 50129 Firenze FI, イタリア |
営業時間 |
8時15分~18時20分 月曜定休 |
入場料金 |
現地購入16ユーロ |
パラティーナ美術館 (フィレンチェ)

引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Palazzo_Pitti,_Florence.jpg
ウフィツィ美術館とアルノ川を挟み、ヴェッキオ橋を渡って少し進んだ先にあるのがピッティ宮殿です。
一部が一般にも開放されているのですが、それこそが今回ご紹介するパラティーナ美術館。
約30の展示室には、歴代大公が収集したコレクションがずらりと並べられているのですが、その中でもルネサンス三大巨匠のひとりにも数えられるラファエロのコレクションは、世界随一と言われています。
「ヴェールの女」や「大公の聖母」、「身重の女の肖像」など、ファンなら垂涎物のラファエロの代表作をまとめて見ることができます。
それ以外にもティツィアーノやルーベンスなど、有名作家の傑作も様々。もともとは宮殿の一部だったというだけあって、館内の装飾や天井画も見事なものです。
中には君主の間と言って、トスカーナ大公の暮らしていた部屋を再現した部屋もあります。
それぞれブルーやグリーン、レッドなど部屋ごとにテーマカラーで統一され、豪奢なイスや机、ベッドなどを見ることができますよ。
住所 |
Piazza de' Pitti, 1, 50125 Firenze FI, イタリア |
営業時間 |
8時00分~19時00分 月曜定休 |
入場料金 |
11月から2月まで 3月から10月まで |
シエナ国立美術館

引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SienaPinacotecaNazionale1.jpg
フィレンチェの大きな美術館巡りにつかれてしまったら、少し足を延ばしてシエナ国立美術館に行くのはいかがでしょう。
シエナは中世に金融業で栄え、トスカーナ地方の覇権をフィレンチェと争った街。また中世には芸術の中心地として、大きな存在感を放っていました。
ここで活躍した芸術家たちはシエナ派と呼ばれるのですが、彼らの作品をゆっくりと楽しめるのがここシエナ国立美術館です。
ダ・ヴィンチやミケランジェロなどの、自然主義的で安定したフィレンチェ派。
それとは正反対の、遠近法を無視した超次元的で神秘主義風の、夢の中のような幻想的な作風がシエナ派の特徴です。
ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャやシモーネ・マルティーニなど、知る人ぞ知る巨匠の代表作を楽しむことができる美術館ですが、ローマやフィレンチェと比べると圧倒的に空いているのが嬉しいですね。
入館料も安いので、気軽に訪れることのできる隠れた人気スポットです。
住所 |
Piazza del Campidoglio, 1, 00186 Roma RM, イタリア |
営業時間 |
火曜から土曜 9時00分~19時00分 日・月・祝日 9時00分~13時30分 |
入場料金 |
現地購入6ユーロ (18歳未満は無料 18~25歳までは2ユーロ) |
中部イタリアの見逃せない美術館・博物館のオススメまとめ

引用:https://www.flickr.com/photos/lulek/11206102235
今回は中部イタリアの美術館・博物館について解説しました。
フランスのルーブル美術館、イギリスの大英博物館に並ぶ、イタリアのバチカン美術館とウフィツィ美術館は、イタリアに行くなら必ず一度は訪れたい定番中の定番スポットです。
またそれ以外にも様々な美術館が、ローマとフィレンチェには存在します。それはこの2都市がいかにイタリアの歴史の中で大きな役割を担い、古くから続いているのかを物語るものです。
多くのイタリアツアーなどでも、これらの美術館は日程に組み込まれています。ただし個人で行く場合は、どうかチケットの予約だけはお忘れなく。
一度でもこれらの美術館を見れば、それまでの美術館という物に対するイメージそのものが変わり、その魅力に心を鷲摑みにされることでしょう。