一度は行きたい!地域別でみるイタリアの文化と観光地

地域別でみるイタリアの文化と観光地

目次

世界でも指折りの観光地、イタリア。
長靴みたいなこの国には、北から南まで観光したいところがめじろ押しです。
でも逆にありすぎて、何処に行けばいいのかわからない!具体的にどんなところがあって、どうやって回ればいいの?

そんな疑問を、北部・中部・南部それぞれに分けて解消していきましょう。地域ごとの特色や文化を知れば、自分が行ってみたい観光地やそれに合わせたスケジュールもきっと見えてきますよ。

イタリアの魅力的な観光地・北部から南部までの歴史と文化

イタリアには数えきれないほどの有名な観光地があり、しかもそれがイタリア全土にまんべんなく散らばっています。

どこから見ればいいのか、混乱してしまうこと間違いなしでしょう。
そんな中でも主要4都市と呼ばれるのが、『ローマ』『フィレンチェ』『ヴェネツィア』『ミラノ』。多くのツアーでもこれらの都市を軸として、予定が組まれています。それぞれにまるで違う文化と風俗、街並みがありますので、まずはそれを簡単に見ていきましょう。

ローマ

まずは『ローマ』。いわずと知れたイタリアの首都であり、かの有名な古代ローマ帝国の都があった場所です。すべての道はローマに通ず、ということわざまであるように、古来から交通網が発展し、イタリア全土の文化が交じり合いつづけ、成熟した街。

流石にローマの歴史をお話しし始めるときりがないため省略いたしますが、紀元前753年に狼に育てられたとされる双子の兄弟、ロムルスとレムスが建国した…という話だけでもそのスケールの大きさに圧倒されます。

現代でもイタリアの中で最も活気にあふれ、人々が行き交う一大都市にして観光地。

…しかし実は他の主要都市とはちょっと距離が離れた、中部の下のほうに位置しています。

次にお話しするフィレンチェまでは鉄道で1時間30分ほどなのでそこまで不便ではないですが、日本からイタリアへの直行便が止まる空港はローマか、あるいは北のミラノのどちらかがほとんどですので、もし北部しか見ないよという場合は訪れる機会がないかもしれません。

また意外と街中は坂が多く、石畳のため慣れないうちは足が痛くなるかも。活気があるだけに治安も少々悪く、注意が必要です。私が訪れた際は大きなトラブルなどはなかったですが、ローマ最大の駅テルミニの周辺ではたむろしている若者たちも多く、少し異様な雰囲気を感じたことも。女性の一人旅などは、特に気を付けたほうがいいでしょう。

しかし何といってもイタリアの首都。

1度は見ておきたい有名な観光スポットも多く、1日で回りきるのは難しい、見どころの多い街です。特にオススメしたい観光地を、いくつかご紹介いたします。

1 コロッセオ

ローマどころかイタリアの観光名所の中でも、とくに有名なのがこちら。はるか昔のローマ帝国時代から残る闘技場として、今でも根強い知名度を誇ります。

意外と知らない内部はこんな感じ。すぐ隣にはフォロ・ロマーノという遺跡やパラティーノの丘もあり、こちらも有名どころ。かつての浴場や凱旋門が、悠久の時を越えてたたずんでいます。

どちらもコロッセオとの共通チケットで入場可能ですので、ぜひこちらも押さえておきたいスポットになります。

筆者も訪れましたが、その時は夏だったため猛烈な暑さでした。コロッセオの入場列に並んでいると、水のペットボトルを高値で売ろうとしてくる行商人に何度も声をかけられます。

フォロ・ロマーノの中でも日本のように休憩スポットなどはあまりなく、日影も少ない場所ですので、夏に訪れる際はくれぐれも水を忘れずに。

特徴 コロッセオ入場チケットでフィロ・ロマーノとパラティーノの丘にも入場可能
入場料  18ユーロ
予約方法 オンライン
営業時間

8:30〜16:30(1月1日〜2月29日
8:30〜17:30(3月1日〜3月30日)
8:30〜19:15(3月31日〜9月30日)
8:30〜18:30(10月1日〜10月26日)
8:30〜16:30(10月27日〜12月31日)

最適な季節 一年中 屋外のため夏は熱中症に注意

 

2 ヴァチカン市国

世界で最も小さい国、ヴァチカン市国はローマの市内にあります。
その中でも観光客が訪れられるのは、『ヴァチカン美術館』と『サン・ピエトロ大聖堂』の周辺のみ。国とはいえ、入国の際にパスポートの提示は必要ないのでご安心を。

美術館では歴代のローマ教皇のコレクションである、貴重な芸術作品の数々が。レオナルド・ダヴィンチやミケランジェロ、ラファエロといった巨匠の作品も見学できます。ゴッホのひまわりなどの近代の絵画も展示されているエリアもあり、非常に大きな美術館ですので、時間には余裕をもっておくといいでしょう。移動だけでも結構大変ですよ。

サン・ピエトロ大聖堂はカトリックのまさに総本山。ルネサンスとバロック芸術の粋が、ここに集結されています。

また、クーポラと呼ばれる大聖堂の丸い屋根に登って、上からローマを一望することもできます。上に登る時には、階段かエレベーターかを選べますが、エレベーターの方が料金は割増。またエレベーターは途中までですので、どちらにしても階段を300段以上登る必要があるのにはご注意を。

しかし、その苦労が間違いなく報われるだけの絶景が、そこにはあります。まさにイタリアでしかできない体験ですので、ぜひご一考ください。

『ヴァチカン美術館』

特徴 混雑のため予約を推奨
入場料

公式サイトで予約  25ユーロ
現地窓口での当日券 20ユーロ
毎月最終日曜日のみ無料で開館(最も混雑が予想されるため非推奨)

予約方法 オンライン
営業時間 8:00〜19:00(最終入館は17:00)
最適な季節 一年中

 

『サン・ピエトロ大聖堂』

特徴 ツアーを利用せずに入場する場合はほぼ間違いなく行列に並ぶ必要あり
入場料 無料
クーポラに登る場合は、階段利用で8ユーロ・エレベーター利用で10ユーロ
エレベーターを利用しても320段の階段を登る必要あり
予約方法 なし
営業時間 7:00~19:00(4~9月)
7:00~18:30(10~3月)
最適な季節 一年中

 

3 トレヴィの泉

こちらもローマ市内にある観光スポット。かつて没落の道をたどりつつあったローマ帝国が、インフラ整備の一環で作ったとされる人工の泉です。

泉にコインを投げ入れると、願い事がかなうというのは有名な話。ただし彫刻にコインが当たって破損する事案が多いので、投げる際にはご注意を。

また、この周辺は『スリのメッカ』と呼ばれるほど観光客狙いのスリも多いので、くれぐれも荷物には気を配っておきましょう。

フィレンチェ

ローマが東京ならフィレンチェは京都…というのも少々乱暴かもしれませんが、ここフィレンチェは別名『花の都』とも呼ばれるほど風光明媚な古都。

中部の中でも北寄りに位置しています。

紀元前59年ごろに、当時のローマ皇帝が退役軍人に命じて作らせたのが始まり。その時に名付けられた、花の女神フローラのいる街・フロレンティアという名前が徐々に変化し、今のフィレンチェになったのだとか。その後さまざまな協会などが建造され、14世紀の終わりごろには銀行業で莫大な富をなしたメディチ家がフィレンチェに住むようになります。

おりしもそのころはルネサンスが始まったころ。ルネサンスとは古代ローマやギリシャの美術、建造物が特に素晴らしいと考え、それをもう一度よみがえらせようという運動のことです。メディチ家の後押しもありルネサンスはここフィレンチェで大きく花開きました。

そして16世紀になると、メディチ家はその莫大な富からフィレンチェを支配し、ついにはローマ皇帝からも称号を授けられ、名実ともにフィレンチェの君主となったのです。

そのため現在残っている様々な美術品や建造物も、その多くがメディチ家のために作られたもの。多くの職人が集まり、貴金属や靴、ジャケットなどの革製品、香水などを作る工房をこの地に建てました。

今でも街を歩けばそうした職人たちが働く姿や、君主のために整えられた美しい街並みを楽しむことができます。

4 サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

巨大なドーム状の屋根が特徴的なこの大聖堂は、メインの聖堂を含む6つもの複合モニュメントで構成された豪華なもの。

後期ゴシック建築と初期ルネサンス建築が見事に融合した、フィレンチェの中でも最も人気のあるスポットであり、この街のシンボルです。

画像引用https://www.pexels.com/ja-jp/photo/4179480/

特徴 現地窓口でのチケットは基本的にキャンセル待ちであり、非推奨
入場料 大聖堂は無料
付属するモニュメントの値段は組み合わせによって変動
予約方法 オンライン
営業時間

ドゥオーモ(大聖堂)    10:15~15:45
クーポラ(丸屋根)     8:15~18:45
ジョットの鐘楼      8:15~18:45
サン・ジョヴァンニ洗礼堂 8:30~19:30
ドゥオーモ付属美術館   8:30~19:00
サンタ・レパラータ教会跡 10:15~16:00

最適な季節 一年中

 

5 ウフィツィ美術館

イタリアで、バチカン美術館と並んで有名なのがこのウフィツィ美術館。フィレンチェの支配者だったメディチ家の擁する美術コレクションが、ずらりと展示されています。

画像引用https://www.flickr.com/photos/127226743@N02/26677120215

メインは絵画展示となっており、あの有名なボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』や、ダ・ヴィンチの『受胎告知』もここにあります。

頭上の天井画はグロテスク模様といわれるもので、こちらも必見。

特徴 混雑のため予約を推奨

入場料

12/21 - 1/9

2/21 - 11/9 のあいだ

大人:   オンライン 29ユーロ

      窓口    25ユーロ

18歳未満:オンライン  4ユーロ

      窓口    無料

1/10 - 2/20

11/10 - 12/20のあいだ

大人:   オンライン 16ユーロ

      窓口    12ユーロ

18歳未満:オンライン  4ユーロ

      窓口    無料

予約方法 オンライン
営業時間

8時15分〜21時30分(火曜)
8時15分〜18時30分(水曜〜日曜)

最適な季節

一年中

 

6 ヴェッキオ橋

イタリア語で『古い橋』という意味のヴェッキオ橋は、フィレンチェを流れるアルノ川にかかる橋で唯一、第二次世界大戦の戦禍を免れた橋。

外側部分の色鮮やかな建物が、川にせり出している独特な見た目をしています。

この橋もまた、かつてメディチ家のために上部にヴァザーリの回廊という長い通路が作られたという歴史が。

地上に一度も下りずにヴェッキオ宮殿からピッティ宮殿まで行くためだけに作られたというのですから、当時のメディチ家の趨勢ぶりがうかがえます。しかも当時は下の橋では肉屋や革職人が働いていたのですが、においが酷いというメディチ家の一言で撤去され、貴金属の職人が代わりに配置されたとか。今でもここは無数の宝飾店が軒を連ね、歩くだけでも楽しいスポット。

工房も多く、革製品やマーブル紙はお土産にもぴったりです。

カバンの飾り方にもセンスが光ります。

ちょっと値段が…という人には、近くの新市場、メルカート・ヌオーヴォ(別名ポルチェッリーノ市場)がオススメ。

ここには露店が立ち並び、かなりリーズナブルに革製品などを買うこともできます。値段交渉もありですよ。

入り口には大きなイノシシの像があり、この像の鼻をなでると幸運がもたらされるんだとか。

ヴェネツィア

ユニークな都市の多いイタリアの中でも、ひときわユニークなのがここヴェネツィアでしょう。

近代的で爽やかなイメージのある北イタリアの中でも、ここはまた一味違う顔を見せてくれる場所です。『水の都』の名の通り、運河が縦横に走り、行き来は基本的に徒歩か船。迷路のように入り組んだ路地が多く、なんと自動車は走行不可能!警察や消防も、車ではなく船を使って業務を行っているほど。かつてはゴンドラだけが、この街の交通を担っていたのです。

画像引用https://pxhere.com/ja/photo/569573

もともとここは湿地帯であり、足場が非常に悪いのを逆に利用し、敵から逃げてきた人々がここに住み着いたのが始まり。かつてはヴェネツィア共和国として、イスラム諸国などとも貿易を行う貿易都市として大きく栄えました。

現在は経営の多くを観光に頼っており、コロナで一時期は落ち込んだものの、2023年の観光客数は約2000万人!ヴェネツィアの市民数は5万弱ですので、実に人口の400倍もの観光客が訪れる、イタリア屈指の人気スポットとなっています。

しかし無数にある裏路地に入れば、そこは波の音と青い空、真っ黒な丸太の基礎の上にたたずむ石造りの世界。

まさに物語の中に入り込んだようなその雰囲気に魅せられ、筆者である私も二度訪れ、そのたびに心を奪われています。

また、こればかりは天運ですが、雨が降る中のヴェネツィアはまた格別に美しいもの。水に濡れて溶け合ったかのようにぼやけるレンガ造りの街並みに、輝くライトに反射する雨粒。水上バスに乗れば、屋根と運河から聞こえる雨音が幻想的に響き渡り、夢の中にいるかのような感覚に襲われます。

夏は太陽もさんさんと降り注ぎ、とても気持ちのいい時期ですが観光客数もピーク。春か秋ごろがねらい目でしょう。

7 サン・マルコ寺院

水の都・ヴェネツィアに訪れたのならぜひ行きたいのがこちら。無数のドームや金のモザイク、精緻な壁画に彩られた、豪華絢爛な寺院です。

鐘楼には登ることもでき、ヴェネツィアの街並みを一望できるスポットになっています。また祭壇の後ろには、パラ・ドーロという金色の装飾が。ただしどちらも別料金のためご注意を。

特徴 混雑のため予約を推奨 6歳以下は優先入場を無料で利用できるが、予約は必須
入場料

現地窓口  サン・マルコ寺院     3ユーロ 
パラ・ドーロ                         5ユーロ
博物館(2階とテラス)                   7ユーロ

ンライン サン・マルコ寺院のみ    6ユーロ
寺院+パラ・ドーロ                  12ユーロ
寺院+博物館(二階とテラス)               15ユーロ
すべての有料ゾーンパス                 20ユーロ

予約方法 オンライン
営業時間

月〜土 :9時30分〜17時15分(最終入場16時45分)
日、祭日:14時00分〜17時15分(最終入場16時45分)

最適な季節  一年中

 

8 カナル・グランデ

ヴェネツィアを象徴するのがこの大運河。市内を二分するかのように堂々と流れており、駅から各所の観光スポットに移動する際には、この運河を水上バスに乗って走ることになります。

リアルト橋やスカルツィ橋など4つの橋が架かり、それらをくぐりながらの航行はまさにヴェネツィアならではの体験。

ミラノ

北イタリアでもっともおしゃれな街はどこかと聞かれれば、多くの人がミラノと答えることでしょう。フィレンチェが美しい古都ならば、ここミラノは最新のモードと古来からの栄華が共存する街。商業、工業、金融、観光、それらすべてが発展し、イタリアの中でも首都ローマに次いで二番目に多い人口を有しています。

しかしそんな最先端の街となるまでには、多くの戦禍と支配を経験した街でもあります。古来はフン族やゴート族の侵略、スペインやオーストリアなどにも支配され、第二次世界大戦の折はファシズムの脅威にもさらされ、街の半分が壊滅したことも。

しかし、実はそうした歴史がこの街が最先端の文化を手に入れた原因でもあるのです。というのもイタリアは景観法や建築法から、古い建物を壊して新しく建て直すのが難しいのです。

しかし幸か不幸か、戦禍によって破壊された後の復興では再開発が盛んにおこなわれ、近代的な街並みを手に入れることとなったのです。

一方で古くからの街並みもしっかりと残っており、その調和もまたこの街の魅力と言えるでしょう。通りにはグッチやフェラガモ、プラダやフェンディなど、イタリアを代表するブランドが勢ぞろい。そうしたファッションやおしゃれなカフェなどを楽しむも良し、モダンな街並みを歩くもよし。

まさに北イタリア的な旅をしてみたい方には、マストと言ってもいい街です。

9 ミラノのドゥオーモ

北イタリア最大の都市ミラノにあるこの大聖堂は、世界最大級のゴシック建築。その尖塔の数はなんと135本にもなります。内部は荘厳な石柱が立ち並び、ステンドグラスが輝いています。

画像引用

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%8E%E3%81%AE%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%AA%E3%83%A2%EF%BC%9A%E5%A4%A7%E8%81%96%E5%A0%82%E5%86%85%E9%83%A84_%2836309441404%29.jpg

また屋上テラスに入場できるチケットを買えば、ミラノの街並みを見渡しながら、尖塔や彫刻を間近で見学することも。

ほかにも洗礼堂や博物館、地下聖堂など複数のエリアがありますが、それぞれ購入したチケットによって入れる場所が細かく決まっていますので、しっかり確認しておきましょう。

特徴  混雑のため予約推奨 チケットの種類が多いので注意
入場料

すべてのエリアに入場できるチケットの場合
オンライン 30ユーロ
現地窓口  26ユーロ
利用するエリアや、エレベーターか階段かでも値段は変動するので注意

予約方法 オンライン
営業時間 9:00〜19:00
屋上昇降口:9:00~17:20
最適な季節 一年中

 

ナポリ

さて、主要4都市はお伝えした通りなのですが…お気づきでしょうか?そう、この4都市はどれも北部か中部イタリアの都市。南部イタリアは、主要都市に含まれていないのです。

ですが、陽気で明るくおおらかな、いわゆるイタリア的な雰囲気を楽しめるのは、ここ南部。北部の人も、南部にバカンスに行くのを生きがいにしている人が大勢います。青く輝く海に真っ白な砂浜、切り立つ崖の上にたたずむ城…

そうした光景を楽しみたいのなら、やはり南イタリアは外せません。

そうした中でも特に大きな都市が、ここナポリ。ナポリ湾に面した港湾都市であり、歴史と郷愁を感じさせる街です。「ナポリを見ずして死ぬことなかれ」と詩人のゲーテにもうたわれていますが、これはその美しさを一度は見るべきという意味だけではありません。

その地に生きる人たちの気取らない生き方と、人情に触れたうえでまだ死にたいのなら死ぬがいい。そんな意味も含まれているのです。

また、イタリアと言えばピザというイメージを持っている方も多いでしょうが、その中でも特にピザが美味しいといわれるのがここナポリ。

この地で作られるもちもちとした生地と、トマトとバジル。そしてモッツァレラチーズを使ったマルゲリータは、世界で一番有名なピザと言っていいでしょう。

10 スパッカナポリ

ナポリ王宮や大聖堂、卵城など見どころは数多くありますが、スパッカナポリは旧市街の中にある東西およそ1㎞ほどのエリアのこと。

画像引用

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Spacca_Napoli_-_panoramio.jpg

ここはナポリの風情を存分に味わえる下町になっており、ピザの名店や雑貨屋、青果店などがずらり。プレゼーペというイタリア伝統のクリスマス飾りを販売する店などもあり、ナポリ独特のお土産を求めるならぜひ訪れたいスポットとなっています。

頭上に住人の洗濯物がはためくのがこの町の名物で、ぶらぶらと歩くだけでも存分にナポリの異国情緒を楽しめるストリートです。

地域別・イタリアの穴場スポット

イタリアは北部と南部で文化も住んでいる人の気質もまるで違います。

北部はほかのヨーロッパ諸国との交流が多いためか、住んでいる人もまじめで神経質な人が多いですが、南部は逆におおらかで陽気な人が多い印象。

食文化も、北部は寒冷地帯かつ酪農が盛んなため、バターや生クリーム、チーズなどを使った料理が盛ん。南部は四方を海に囲まれているため海産物が多く、温暖な気候からトマトやオリーブも名産になっています。

そして中部は両方のいいとこどりをしたような地域。

火山帯に含まれる土地もあり、その温暖な気候と豊かな土壌はブドウなどの栽培にも適しているため、ワインの生産が盛ん。のどかな田園地帯が多く、知られざる古代ローマの遺跡やグルメなど、まさに穴場スポットの宝庫となっています。そうしたイタリアの、主要都市以外の必見スポットも紹介いたしましょう。

北イタリア

1 ドロミテ渓谷

イタリアの中でもオーストリアとの国境付近にあるのがドロミテ渓谷。3000メートルを超える山々がそびえ立つ、東アルプスの一部です。

かつて地殻変動により、隆起したサンゴ礁が氷河に削られることで形成されたこの渓谷は、2009年にはユネスコ世界自然遺産にも指定されています。

画像引用

https://www.pexels.com/ja-jp/photo/village-in-dolomites-in-italy-17815288/

ハイキングやトレッキング、ウィンタースポーツを楽しめる場所も数多くあり、その雄大な自然とのどかな街並みは、ローマやヴェネチアといった観光地とはまた一味違うイタリアを感じさせてくれることでしょう。

2 ベルガモ

北イタリアで最も美しいといわれる街が、ここベルガモ。中世のころから続く文化と歴史が今も息づいている、情緒にあふれた都市ですが、まだ日本などからの観光客は少なく、穴場スポットになっています。

画像引用

https://www.pexels.com/photo/cityscape-of-bergamo-4586940/

 

旧市街にはかつて敵からの侵攻を防ぐために城壁が築かれ、それらは2017年には世界遺産にも登録されています。有名なミネラルウォーターの『サンペレグリノ』の採水地にも近く、美食の街としても有名。

パスタ生地に肉を詰めたラビオリや、トウモロコシのポレンタを甘いドルチェにしたポレンティーナなど、なかなか日本では食べられない郷土料理を楽しめます。

ミラノからは車で1時間ほどですので、それなりにアクセスしやすいのも嬉しいところ。人ごみに疲れたけれどあんまり田舎のほうまで行くのは…という方には、きっと最高の休暇となることでしょう。

3 ボローニャ

画像引用

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Bologna_seen_from_Asinelli_tower.jpg

この街の魅力は何といってもグルメ。
私たちにもなじみの深いボロネーゼ発祥の土地でもあるここは、肉製品やワイン、チーズのメッカ。

豚のひき肉にスパイスを混ぜ、筒状にして蒸しあげたハムの『モルタデッラ』や、詰め物をしたパスタの『トルテッリーニ』。赤のスパークリングが肉製品と素晴らしくマッチする『ランブルスコ・ワイン』など、現地で一度は食べてみたい美食がめじろ押しです。

そのあまりの美食の多さから、肥満都市というあだ名すら付けられたことも。まさにイタリアのグルメの聖地といえるでしょう。

中部イタリア

1 アッシジ

中部イタリアはのどかな田園地帯が多いですが、そんな中にたたずむのがこのアッシジ。キリスト教の影響が強く、多くの豪華絢爛な聖堂や教会が立ち並ぶイタリアですが、そんな中でもアッシジはカトリック教徒の巡礼地にもなっている重要な地。

静謐かつ美しいその街並みと教会群は、たとえキリスト教徒ではなくとも心に感じるものがあることでしょう。

有名な画家ジョットの描いた壁画を眺めたり、オリーブと糸杉に囲まれた坂の上の街を探索すれば、心身ともにリフレッシュすること間違いなしです。

2 チヴィタ・ディ・バニョレージョ

古くからの街並みが多く残るイタリアの中でも、ここはまさに格別です。

天空の城とも称されるこの村に入るには、300メートル以上の細く長い橋を渡るしかありません。途中には階段もあり、とても車では通ることは不可能。まさに文明と隔絶された、崖の上の秘境なのです。

画像引用

https://www.flickr.com/photos/dorlino/13716294653/in/photolist-mU4AwR-2kCzRES-2kDm6Ks-ZpEfR8-mU6tHY-dk1vgm-2kFbKUj-21L9pBg-DCjyK9-21HmSj9-GPvarz-mU4AEX-eua5iq-4M92ze-GPvvre-GPv1hc-21F9xnS-21F9R5L-21HmS49-2kFcic5-21F9P2s-21F9Fed-xf96sF-21Hm47y-21HkXDE-DCkqyN-21HmMLb-vsvk4S-ZENTGf-vswpeo-uxYHHR-vugGpE-vvbMnt-vdd7i3-eu6WQr-eua5cu-vdeWDN-2iuQVsp-vvcGzF-vdotgV-vdfpcC-vdgCZ5-2oCpEAa-uxYCbP-vuPxq6-vdemWC-vv9ojP-21L9cFn-ZpEfat-GPuYin

しかしここはもう一つ異名があり、それは『死にゆく村』。なんと道路標識にもそう書かれているのです。

なぜそう呼ばれているかというと、この村の周囲は火山に囲まれ地震が多く、地盤も貧弱なため、徐々に崩れつつあるのです。

しかしそれでもこの村を愛する住人が今でも20人ほど暮らしを営み、石造りの建物に灯りをともし続けています。カフェやレストラン、ホテルも営業しているため、ぜひこの村に一度は足を運んでみて下さい。厳しい環境の中でそれでも紡がれ続けてきた、文化と人々の生命力に触れることができるでしょう。

南イタリア

1 サルディーニャ島

南イタリアの島といえば、イタリア人も憧れるリゾート地。

ここサルディーニャ島もそんな中の1つですが、まだあまり日本人には有名でないため観光客も少ない穴場になっています。

また実はここサルディーニャ島は、イタリアの中でも特に治安が安定しているといわれる場所。のんびりと過ごすならまさに最適な場所なのです。

画像引用

https://www.flickr.com/photos/larrywkoester/30257473612

 

セレブも集まるビーチで過ごすもよし、世界三大巨石文明にも指定され、世界遺産でもある遺跡のヌラーゲ・スゥ・ヌラクシに行くもよし。牧羊も盛んであり、羊の乳を使ったペコリーノロマーノというチーズは、そのほとんどがここサルディーニャで作られています。

ちなみにもう一つの特産品はイソギンチャク揚げ!ウニのような風味でとても美味しいんだとか。

2 ポジターノ

アマルフィ海岸と言えば、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?

世界一美しい海岸と言われるほど人気のスポットですが、実はアマルフィ海岸として風光明媚なポイントは、アマルフィではなくここポジターノに集約されているんです。それを知らずにアマルフィだけ見に行ってしまうと、ちょっとがっかり…となってしまう可能性も。

日本で目にするアマルフィ海岸の写真も、その多くがここポジターノで撮られた写真と言われています。淡いレンガ色の壁、咲き乱れる花、さんさんと降り注ぐ太陽…まさに憧れそのものの風景が、ここには広がっています。

画像引用

https://www.goodfon.com/city/wallpaper-download-1600x900-italiia-more-balkon-otel-pozitano-doma.html

イタリアに行ったなら!現地でしかできないこと

数多くの観光地をご紹介しましたが、そもそもイタリアの魅力とは何でしょうか?

やはり日本と大きく違うのは、キリスト教の存在でしょう。はるか昔からカトリックと強い結びつきのあったこの土地には、日本では決して見ることのできない教会や聖堂が数多く残されています。

あんまりキリスト教には詳しくないし…という方も大丈夫。そもそも多くの教会は、教えを知らず、文字も読めない人にも神の存在を伝えるために建てられたもの。

だからこそあるものは豪華に、あるものは荘厳に造られ、言葉ではなくステンドグラスや祭壇画などで、聖書の内容を伝えているのです。

その中に入り、そうした美術や建築、装飾を見るだけでも、きっとそこに込められた思いを感じることができるはず。ほぼすべての都市に1つは教会がありますので、イタリアに訪れたのなら1度は訪れるべきでしょう。

また、やはり欠かせないのがグルメ

世界でも食事がおいしいといわれる国は数多くありますが、その中でも指折りなのがフランス・中国・日本…そしてここイタリア。

もちろん日本でもイタリア料理は食べられますが、やはり本場は格別です。なかなか日本では食べられない新鮮なチーズやハム、現地のワイン。ポルチーニ茸なども乾燥していない生のものは、イタリアで楽しむのが一番です。

また夏はとても暑いイタリアですが、街を歩くとあっちでもこっちでもジェラートを売っているお店が。なんとイタリア人は年間で12㎏もジェラートを食べるんだとか!夏だけでなく冬にも販売されているので、これも見逃せないグルメの1つ。

画像では山盛りになっていますが、実はこうしたお店は観光客向けのお店の可能性も…ジェラートの上に、アルミの蓋のあるお店が美味しいお店なので、ご参考までに。

滞在期間別おススメプランとイタリア旅行の注意点

前述の通り、イタリアは大きく分けて北部・中部・南部の三つの地域に分けられます。

そしてそれぞれに有名な観光地も点在しており、すべてを見ようと思うと、とても1週間では間に合わないでしょう。

見るものを厳選したとして、1つの地域に少なくとも3日、移動なども考えれば2つの地域を見るのに1週間は欲しいところ。

北部か南部、どちらの観光地に行きたいかを選び、北部ならばフィレンチェ、南部ならローマというように、中部の大きな街に泊まるようにすれば、交通網も発達していますので移動もスムーズかもしれません。

3日で回る場合

3日ですと、どうしても時間的に厳しいところはあるでしょう。

なにせ見どころも多い国ですし、せっかくなら食事もゆっくりと楽しみたいところ。飛行機の時間を考えなければ、例えばこんな感じでしょうか。

1日目 ローマに到着 観光
2日目 お昼にローマからフィレンチェへ
3日目 フィレンチェ観光

 

イタリア内の移動は鉄道がおすすめですが、時間通りに来なかったりすることもありますし、チケットの取り方などで少し苦労するかも。

余裕があるなら、飛行機の国内線を利用するのも1つの手かもしれません。

1週間で回る場合

やはりしっかりとイタリアを楽しむなら、1週間ほどあるといいでしょう。

見る場所を絞れば北部から南部まで回ることもできます。しかしやはり個人的には、北部か南部のどちらかをメインに据えるのをおすすめします。

例えば北部をメインに据えるならば…

1日目 ローマに到着
2日目 フィレンチェへ移動、大聖堂や美術館を見学
3日目 ボローニャへ移動し、イタリア料理を楽しむ
4日目 ヴェネツィアへ移動、ゴンドラや島めぐり、ガラス製品を楽しむ
5日目 ミラノへ移動、イタリア文化の粋を味わう

 

主要な都市をめぐるならば、このような感じでしょうか。
後の6日目、7日目に地方都市を巡ったり、ドライブや買い物を楽しむのがおすすめ。

しかしローマやフィレンチェの美術館などを巡ったりすると、思った以上に時間がかかることもしばしば。

あまり詰め込み過ぎず、余裕のある日程を組むのが大切になります。

2週間で回る場合

これだけの期間があれば、イタリアの主要な観光地を思う存分楽しめることでしょう。

飛行機チケットの都合次第でもありますが、ローマについたら南部をめぐり、その後に北部を目指す…というのがスムーズ。

夏なら南部に長めに滞在し、ビーチやバカンスを楽しんだり、冬に北部に訪れてアルプスのふもとの村を巡ったり、スキーをするのもいいでしょう。

中部ののどかな農村や、中世の街並みの残る城をまわるのも、2週間あれば悠々できるはず。逆に言えばイタリアをすべて満喫するならば、これくらいは必要ということ。

イタリアはヨーロッパの中でも特に地方ごとの特色が強く、観光地の数も多く、それが各地に点在している国です。訪れる都市ごとにまるで違う顔を見せるのが、イタリア旅行の魅力の一つ。

しかしここで一つ注意点が。
それは、『イタリア旅行は事前計画がとても大切』ということ。なぜなら、これまでにもお伝えしたようにイタリアの観光名所は非常に混雑するのです。有名な美術館に予約をせずに行けば、2時間や3時間の行列は当たり前。場合によっては待ったあげくに、中に入れない…といったことも十分あり得ます。

ですので予約が大前提になるのですが、そうすると日付だけでなく時間まで指定しなくてはいけないことも多いです。

イタリア人はおおざっぱと言われますが、観光地の予約の時間は絶対。それを軸にして予定を立てなくてはいけません。

また、主要な移動手段になる鉄道も、意外と本数が少ないことが多いです。

つい観光に夢中になって、夕方の鉄道に乗り遅れたら、もう帰りの便がないなんてことも。そうなるとホテルを取り直したり、長距離バスを探したり…。私もヴェネチアでつい観光に夢中になり、帰る時の水上バスが意外と夕方以降の便数が少なく、鉄道にも乗り損ねてしまったことがありました。当時は学生だったためお金もあまりなく、ヴェネツィアでホテルを取り直すのも厳しい状況…

仕方なく同行していた友人と手分けしてフィレンチェまで帰る方法を探し回り、結局高速バスで帰ることに。真っ暗な夜の中、必死で乗車口を探し回り、延々と4時間ほどもバスに揺られ…ホテルにたどり着いたのは午前3時頃でした。今となれば貴重な体験だったなと思えますが、やはり次の日の観光にも少し響きましたし、一人旅だったら途方に暮れてしまっていたでしょう。

気ままな旅も楽しいですが、初めてイタリアに行くといった場合にはくれぐれも事前準備を怠らずに。移動時間にも余裕を持っておくのが大切です。

そして、イタリア旅行で気になるものと言えばやっぱり治安。

行ってみたいけど物騒だっていうし、マフィアとかもいるらしいし…と心配される方も多いのではないでしょうか。

しかし、実は近年のイタリアは以前より治安は良くなっているようです。

経済平和研究所という、国連とも繋がりのある組織が発表した『世界平和度指数』では、イタリアは163の国と地域の中で34番目に治安が良いとされています。日本は9位ですので、さすがに日本にいる時よりは注意が必要ですが、実はこの順位はイギリスの37位や韓国の43位よりも上。テロの危険やマフィアと関わる可能性も非常に低いと言われています。

注意するべきはやはり軽犯罪。

スリや置き引き、あるいは募金詐欺や押し売りなど、観光客を狙った犯罪や迷惑行為はやはり存在します。

筆者はフィレンチェの街中でピエロと握手しただけで50ユーロを請求されましたし、何度か釣銭をごまかされそうになったことも。

とはいえ身の危険を感じるようなことは、一度もありませんでした。

もちろん女性の一人旅などでしたらしっかりと警戒心を持たなくてはいけませんが、かといって必要以上に恐れることもないでしょう。しっかりと保険に加入し、危険な場所に近づかないようにすれば、きっと楽しい旅行体験となるはずです。

まとめ

イタリアはまさに観光大国。ここで紹介しきれなかった名所も、数えきれないほど存在する懐の深い国です。

その魅力をもう一度味わいたい、あるいはいけなかった観光地にも行ってみたい!そんな思いから何度も足を運んでしまう人も後を絶ちません。

ぜひ一度は足を運び、紀元前から続くローマ帝国の歴史と息吹き、その地で暮らす人々や自然の生命力に触れてみて下さい。

必ずやあなたの、忘れられない人生の思い出になるはずです。

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