世界1位!イタリアの世界遺産60個を地域別にご紹介・南部編

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最も世界遺産の多い国、イタリア。その数は近年も増え続け、2024年現在はなんと全部で60カ所の大台に乗っています。

こうした歴史ある遺跡や美しい自然遺産を巡るのは、イタリアへの海外旅行の魅力の一つ。

しかし流石に60個もあると、どの世界遺産を見ればいいのか迷ってしまいますね。

そこで今回はイタリアの中でも、南部にある世界遺産をまとめてご紹介します。

有名なものから知る人ぞ知る穴場スポットまで、その魅力に迫っていきましょう。

一度は見てみたい南イタリアの世界遺産!

南イタリアはナポリといった大都市や、シチリア島やカプリ島などの島々が有名ですが、世界遺産というフィルターを通してみてみると、知られざる南イタリアの魅力が見えてきます。

イタリア60の世界遺産の中で、イタリア南部にあるのは16個。

どんなものがあるのか、見ていきましょう。

① ナポリ歴史地区

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ナポリを見てから死ね」ということわざにもあるように、イタリア屈指の魅力あふれる都市、ナポリ。

南イタリアを代表する都市であり、この街全体が1995年に文化遺産として登録されました。

元はギリシアの植民都市として、紀元前470年ごろにネアポリスという名前で建設されたナポリは、長い歴史の中でローマやスペイン、フランスなど様々な国の支配下に置かれ、その文化が交じり合っていきました。

現代でもサンタルチア港の小島に残る卵城や、正面にある巨大な3つの塔が特徴的なぬオヴォ城、街の中心部にあるナポリ大聖堂など、2500年の歴史の中で育まれてきた建造物が多く残されています。

ナポリを真っ二つに横切るのが、スパッカ・ナポリという下町エリア。

ここは古代ギリシャ時代からナポリ市民の生活の場として、脈々と続く歴史あるストリートです。

美味しいナポリピッツァやお土産店も多く立ち並ぶ場所ですので、ナポリに訪れた時にはこうした場所を歩き、過去に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。

② ポンペイ・ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域

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ローマ帝国の商業地として、また貴族たちの保養地として、かつては20,000人が生活していたポンペイ。

ヴェスビオ火山の噴火によって1日足らずで火砕流と火山灰に埋もれ、1500年もの時間を超えて発掘されたイタリアのこの街は、皮肉にも火山灰によって当時のまま残されていました。

その歴史的な価値の高さから、1997年に文化遺産に登録されています。

 

ローマ時代の都市につきものの浴場や円形劇場、娼館やパン屋、魚屋などの当時の生活ぶりを色濃く残す建造物群は、ここでしか見られないもの。

かつてはマーケットだった場所には、ガラスケースの中に展示された石膏の遺体像があります。

これは火砕流にのまれたポンペイの住人で、火山灰の空洞に石膏を流し込んで復元されたものです。

現在発掘されているのは街全体の8割ほどで、残り2割はいまでも埋もれたまま。

地上に露出された部分は風化し、崩壊の危険があるため、後世にこの貴重な遺跡を残していくためにも、あえて発掘はストップされているそうです。

チケットは現地でも買えますが、オンラインでの購入が推奨されています。

エクスプレスとプラス、3デイズの3種類がありますが、ポンペイは非常に広い遺跡ですので、リーズナブルなエクスプレスのほうでも十分に楽しめるでしょう。

プラスのほうを購入すると博物館や秘儀荘(villa dei misteri)に入ることもできます。

値段はそれぞれエクスプレスが18€、プラスが22€、3デイズが26€となっています。

18歳以下は無料で入れますが、オンラインではなく現地の窓口でチケットを発行してもらう必要があります。

遺跡内にはあまり売店やレストランはないため、観光の際には水筒や軽食を持ち込むといいでしょう。

また日陰も少ないので、夏に訪れるならイタリア特有の厳しい日差しにはご注意ください

③ アルベロベッロのトゥルッリ

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真っ白な壁にキノコのかさの様なかわいい屋根が人気の、アルベロベッロのトゥルッリもまた、世界遺産の1つです。

 

アルベロベッロはイタリアのコムーネ(自治体)の名前で、トゥルッリが伝統家屋群を指しています。

この特徴的な家の起源は、はっきりとした事はわかっていないものの、スペイン統治時代に税金逃れのために始まったという説が有名です。

 

16世紀当時、ナポリ王はこの地を支配するアクアヴィーヴァ伯爵から、領地の家の数に応じた税金を取っていました。

そこで伯爵は住民にトゥルッリの建設を命じました。

理由はなんと、税の徴収官が来る時期に石積みの屋根を取り壊し、「ここは家ではない」と言い張るため。

見た目にはかわいらしく、おとぎの国のようだと称賛されるトゥルッリですが、その裏にはかつて農奴として弱い立場に置かれていた住民たちの、苦しい歴史があるのです。

こうしたトゥルッリはアルベロベッロだけでなく、イタリアの周辺地域に広く存在していたのですが、徐々に数を減らしていきました。

そんな中でもアルベロベッロには、リオーネ・モンティ地区とアイア・ピッコラ地区を合わせて1,000戸ほどの家屋が現存しており、歴史的な価値の高さから1996年に世界文化遺産に登録されています。

今でもこのトゥルッリに住む地元住民もいて、アイア・ピッコラ地区を歩くと洗濯物がはためく牧歌的な光景を楽しむことができます。

リオーネ・モンティ地区は観光地化されており、トゥルッリを改造したホテルに泊まることもできますよ。

アルベロベッロは周辺に大きな観光都市も少なく、残念ながら交通の便はあまりよくない場所です。

じっくりとこの世界遺産を楽しむなら、ぜひトゥルッリでの宿泊を検討してください。

④ アマルフィ海岸

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イタリアのみならず、世界で最も美しい海岸と呼ばれるのが、このアマルフィ海岸です。その建築や技術、優れた景観から、1997年に世界文化遺産に登録されました。

名前こそアマルフィ海岸ですが、世界遺産に指定されているのはアマルフィだけでなく、ポジターノやラヴェッロなどの都市の海岸線を合わせた30㎞ほどを指します。

白い街並みに青い海、さんさんと降り注ぐ太陽は、まさにイタリア的な楽園として世界中の人々を魅了し、高級リゾート地として不動の地位を築いています。

実は特に景観が優れているといわれるのは、アマルフィではなくポジターノやラヴェッロ周辺。

ポジターノの標高500mのトレッキングロードは、神々の道と名付けられ、特に人気の高いスポットです。

坂が多いので少々歩きにくくはありますが、せっかくアマルフィにまで訪れたのであればぜひともこちらの周辺都市にも足を延ばしてみてください。

⑤ パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのカルトゥジオ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園

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舌がもつれそうな名前ですが、これがこの世界遺産の正式登録名。

チレントという地域と、その大部分を占める国立公園という、イタリアの中でも最大の面積を誇る世界遺産で、そのすべてを見ようと思ったらいくら時間があっても足りません。

まずパエストゥムとは、かつて交易で栄えた古代ギリシア植民市ポセイドニアのこと。

名前の通り海神ポセイドンを信仰していて、神殿はドーリア様式建築の代表作でもある立派なものです。

ヴェーリアは同じくギリシア人が建造した古代都市、エレアに由来します。

ここにはエレア派という哲学者の集団が拠点を築き、当時の城壁や貯水槽の跡、塔の一部などが遺されています。

パドゥーラの街にあるカルトゥジオ修道院は、世界最大の回廊があることでも知られています。

バロック様式の修道院内には320以上もの部屋があり、白大理石のらせん階段や礼拝堂、タイル張りの大図書館など見ごたえのあるものばかり。

現在はルカーニア考古学博物館として一般に公開されています。

これ以外にもチレンターナ海岸やネクロポリス(古代墓地)など、様々な見どころが点在しているのがこの世界遺産の特徴です。

あまり観光客もおらず、町全体が落ち着いてのんびりとした雰囲気をまとった地域。もしナポリやアマルフィの喧騒に疲れてしまった時は、少し足を延ばしてこちらに訪れ、イタリアの悠久の歴史の中をゆっくりと歩くのも良いかもしれません。

⑥ エオリア諸島

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南イタリアのリゾート地として有名なシチリア島から、さらにフェリーに乗ってたどり着くのがエオリア諸島です。

ここは7つの島で構成された、火山性の諸島。

現在でも活発に火山活動が確認できるとして、学術的な価値が高いとみなされています。

島によって火山の活動形式も異なり、ストロンボリ火山やヴルカーノ火山の噴火はそれぞれの特徴から「ストロンボリ式噴火」「ヴルカーノ式噴火」という用語が生まれたりするなど、火山学の形成と発展に大きく関わってきました。

そうした経緯もあって、2000年に世界自然遺産に登録されたこの諸島ですが、学術的な価値だけでなく、シチリアのリゾート島としても人気の観光地。

7つの島々もそれぞれに特徴があり、イタリア南部の隠れた名所です。

リーパリ島

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リーパリ島は7つの島々の中で最も大きく、ホテルやレストランが充実した一大リゾート地です。

リーパリ島からほかの島への日帰りツアーも多く、観光の拠点として毎年夏には多くの観光客でにぎわいます。

火山活動は今現在はほとんど見られませんので、そういった点でも安心ですね。

ヴルカーノ島

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ヴルカーノ島はボルケーノ(火山)の語源にもなった島。

メインの火山の一つのヴルカーノ・デッラ・フォッサ(vulcano della Fossa)は、標高僅か391mの低い山ですが、山頂には直径500m、深さ200mもの火口があり、周囲には火山ガスも漂っています。

引用:https://www.flickr.com/photos/53113704@N03/21159513346

島全体から硫黄臭がするのですが、この硫黄を含んだ泥を利用した温泉もあり、肌に良いとして人気のスポットになっています。

また周辺のビーチには、海水が火山活動によって温められ、ぬるいながらも温泉として楽しむことができます。

ただし肌の弱い方は、硫黄分によって痒みやひりつきを感じることもありますのでご注意くださいね。

ストロンボリ島

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ストロンボリ島は、エオリア諸島の中でも特に火山活動が活発な島です。

グラグラと小規模な噴火を日々繰り返しており、夜間は吹き上がる溶岩が遠くからでも目立つことから「地中海の灯台」とも呼ばれています。

少量のマグマが断続的に噴火していますが、そこまで危険性はなく、島へのツアーや滞在はもちろん、噴火を間近で見るための火山へのハイキングも行われています。

頂上までは危険なため登れませんが、火山列島であるエオリア諸島ならではのアクティビティの一つです。

ただし、訪れる際は事前に火山活動の状況についてリサーチしておきましょう。

ごくまれではありますが、大規模な噴火によって避難命令が出たり、場合によっては危険な状況に陥ることもあります。

実際に2019年には、火砕流が発生するほどの噴火が発生し、ハイキング中の観光客一名が死亡する事故も起こっています。

サリーナ島

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サリーナ島はエオリア諸島の中で二番目に大きく、自然が豊かな島です。

諸島の中で唯一、島内で水を自己供給できる島でもあり、ワイン用のブドウやイタリア料理に欠かせないケッパーの栽培が盛んです。

また、映画「イル・ポスティーノ」のロケ地としても知られ、島内には映画の撮影に使われた家や道路が今でも残っています。

風光明媚なリゾート地として、エオリア諸島の中でも人気の高い島です。

パナレア島

引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:San_Pietro,_Panarea.jpg

パナレア島はエオリア諸島で最も小さく、高級感のある島。

世界各地のセレブがお忍びで訪れる、隠れ家のような島です。

エメラルドグリーンの海はダイビングやシュノーケリングの聖地で、夏場には観光客でにぎわいます。

混雑を避けたいのであれば6月末、聖ペテロの日などに訪れれば、島内でのフェスティバルに参加することもできますよ。

フィリクーディ島およびアリクーディ島

引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Alicudi_Harbour.jpg

フィリクーディ島とアリクーディ島は、エオリア諸島の中でも観光地として整備されすぎていない、ありのままの自然が多く残っています。

ごく少数の地元住民と、彼らが営む店やホテルはありますが、人間よりもヤギのほうが圧倒的に多い、のんびりとした雰囲気が魅力的な島です。

いわゆる観光名所こそあまりありませんが、だからこそバカンスでこの島を訪れ、日々の喧騒を忘れてシチリアの時間の流れに身を任せるのは、多くの人にとって忘れられない体験となるようです。

南イタリアの見逃せない世界遺産のまとめ

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今回は南イタリアの世界遺産についていくつかご紹介しました。

ナポリやポンペイ、アルベロベッロといった南イタリアの中でも有名な場所から、あまり知られていない穴場までいろいろありましたが、実はこれは南イタリアの世界遺産のほんの一部。

マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園やデル・モンテ城、モザイクが美しい邸宅のヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレなど、南イタリアには今回紹介しきれなかった世界遺産がまだまだ数多くあります。

また世界遺産ではないものの、青の洞窟で有名なカプリ島やタオルミーナなども一度は訪れてみたいイタリアの名所です。

歴史や自然を存分に味わえる世界遺産を巡りながら、こうした南イタリアの観光地を存分に楽しむのは、必ずや最高の体験になるはずでしょう。

1度では味わいきれない、イタリア旅行の参考にしてみてくださいね。

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