土地活用って何から考えればいいの?不動産経営は登山に似てる?土地活用の事例4選
- 更新日:2024.10.09
両親や親族から実家や土地を相続することになったけどどうしたらいいだろう?
現金や株式等であれば利用方法はわかるものの、土地や建物をいきなり運用していくことは非常に難しいことです。
今回の記事では、不動産経営の考え方と土地の主な利活用について紹介していきます。
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手段(資金+期間)とゴール(収益)との設定
私はこれまでディベロッパーとして300戸超の高級大規模タワーマンション開発から20人の小規模シェアハウスの開発まであらゆる不動産開発・管理に携わってきました。
また、建設ベンチャーの法人営業では大手企業の保有しているオフィスビルや賃貸住宅に対して、新築orリノベーションの提案を行い、それぞれのメリットデメリットについて定量的に示すことで案件の受注を行ってきました。
そんな私が思う不動産経営で一番大事なことは「手段」と「ゴール」をきちんと設定することです。
実は、個人の方が土地活用を検討するにあたって、この順番が非常に重要なのです。
ゴールを設定してからそれを目指すのではなく、手段を吟味してからゴールを選択するのです。
山登りで例えると、どの程度の道具と体力があって、それらをもって登れる山を選ぶというやり方です。決して山を選んでから道具や体力づくりをすることをしないでください。
なぜ、この順番が大事なのかは後ほど説明します。
まず、手段についてですが大きくは2つの要素があり①資金と②期間に分けられます。
①住宅購入が人生において最大の買い物であることから分かる通り、土地活用においても非常に多くの資金が必要となります。
そして、ほとんどの人は手元資金のみでの土地の利活用は難しいため、金融機関等からの借入金を合わせた金額を資金とします。
ここでは、手元資金(生活費や貯蓄を除いて土地活用に回せる金額)と土地活用において借入できる金額を調べていきます。
不動産の借り入れは他の事業の借り入れに比べて事業の安全性が高いため、利率が低く、借入額も大きくなる場合が多いですが、それでも多くの審査が必要になったり、借入期間が長引くため慎重な判断が必要となります。
②次に期間についてですが、土地活用においては非常に長い期間の投資になることを理解する必要があります。
株式や債券であれば期間が固定されていたり自由に売買できますが、土地活用は通常10年以上、長い場合には20年以上してからようやく元が取れるという場合も多くあります。
そこで、①の借入の期間に合わせてどれだけの時間を待つことが出来るか整理することが非常に重要になります。
次にゴールの設定です。
ここでのゴールとは投資に対して得られる賃料の設定です。
賃料といっても土地利用に応じてそれぞれ使われ方が異なり、店舗であれば賃料、住宅であれば家賃、駐車場であれば利用料というかたちで金額の大小や期間など非常に様々です。
賃料の大小については当然投資が大きくなるとリターンが大きくなるものです。例えば更地で駐車場を運営する人に比べて住宅を建てた方が入ってくる賃料は大きくなるものです。
ここで先ほどの手段とゴールの設定の順番について説明をします。
なぜ、私が手段から考えてゴールを設定したほうが良いといった理由が分かりましたか?
それは、ゴールから設定すると手段が揺らいでしまうからです。
不動産関連の売り上げは日本全体の1割超と言われており、それだけプロフェッショナルが多い業種・業態です。
そんな中で、ゴールから設定してしまうと必ず高い目標を設定してしまい、それに合わせて手段を選んでいくことになるため、最終的には予定より後ろ倒しでの金利や期間、さらには手持ち資金の利用になってしまいます。
不動産を運営する企業においては役員会などでそれらの数値等が厳しくチェックされますが、個人の方の事業決定となると、金融機関や建設業者等とのやり取りも踏まえてすべて自分で行う必要があります。
「金融機関はあなたに出来る限りお金を借りてほしいですし、建設業者も出来るだけ大きな工事をしたいと思っています。
ここからわかる通り、関係者は基本的に最大のゴールを目指すことをおすすめしてきますが、それが必ずしも個人としての目指すべきゴールとは限らないのです」
このような理由から、手段についてきちんと理解したうえでゴールを設定することを私は強くお勧めします。
誰にでも初めての経験はあることですが、土地活用においては他の経験と異なり失敗すると大きな損失を被ってしまうため、可能な限り慎重に進めることをおすすめいたします。
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主な土地利活用例
次に、主な土地利活用の例について説明していきます。
今回は、戸建て住宅についての利活用検討ということで大きく4つ挙げさせていただきます。
①賃貸住宅 ②店舗 ③駐車場 ④既存利用(リノベーション)
①、②に関しては解体したのちに新築、③については更地利用、④に関しては文字通り既存利用となります。
他にも、高齢者福祉施設やコインランドリーなど様々な活用方法がありますが、今回は戸建て住宅の土地活用という観点から、一般的な上記の4つについて、それぞれについて詳しく説明していきます。
賃貸住宅
初期費用 | 収益性 | 管理容易 | 投資回収期間 | 安定性 | |
共同住宅 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 |
賃貸住宅とはアパートやマンションのことで、土地の利活用としても非常にポピュラーなものです。
初期投資は他の利活用に比べて大きくなる傾向にありますが、都心部などでの需要は高く、収益性や管理の面でも非常に優れています。
欠点とすれば他の案件に比べて投資回収期間が長くなる傾向にありますが、安定していることも特徴です。
また、建設業での2024年問題(残業時間が減り労働単価が上がる)ことや戦争関係でのコスト高による建設費の高騰や若年層の減少等もあるため、保有している土地についても慎重に吟味する必要があります。
店舗
初期費用 | 収益性 | 管理容易 | 投資回収期間 | 安定性 | |
店舗 | ×~△ | 〇 | ◎ | ×~△ | 〇~◎ |
店舗も比較的一般的な利活用方法で、ロードサイドや商業エリアで見られる活用方法です。
大手コンビニチェーン等と契約が出来ると20年長の契約等もあるため非常に安定した運営が特徴的です。
ただし、大型契約を結べる立地は稀であり、途中解約や契約期間が短い場合には再入居してもらう際のリスクなどを検討する必要があります。
また、店舗開発の場合には借地契約での利活用の場合もあり、その場合には建築にかかるコストを抑えた状態で運用することが出来ます。
駐車場
初期費用 | 収益性 | 管理容易 | 投資回収期間 | 安定性 | |
駐車場 | ◎ | △ | △ | ◎ | 〇 |
駐車場についても土地活用においては非常に一般的なもので、特に初期投資が少ないという点で有利に働きます。
一方で、収入が少ないため多くの場合で固定資産税と同額程度か場合によってはマイナスになるケースも見受けられます。
駐車場運営の場合は空いているスペースに対してトランクルームや自動販売機など、建築には当たらないものの動線を生かした運営の組み合わせが考えられます。
なお、駅前や都心で空いている駐車場については大手ディベロッパーが再開発(一体の土地で大きな開発を行うこと)を目的に保有している物なので今回の土地活用とは少し意味合いが異なります。
既存利用(リノベーション)
初期費用 | 収益性 | 管理容易 | 投資回収期間 | 安定性 | |
既存利用 | △~〇 | △~〇 | △~〇 | △~〇 | △ |
最後に既存利用(リノベーション)についてですが、これは物件によるところが大きいため評価は変動してしまいます。
特に戸建て住宅の場合はリノベーションやリフォーム等の改修工事のボリュームにもよる一方で、都心部であればシェアハウス等で事業者に貸し出すことも可能です。
ただし、1981年以前の建物については旧耐震基準(今の耐震基準よりも緩い)であることから、大規模な震災や市場での評価を考慮すると取り壊すことも選択肢の一つになる場合があります。
まとめ
それぞれのチェック一覧表は以下の通りです。
初期費用 | 収益性 | 管理容易 | 投資回収期間 | 安定性 | |
共同住宅 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 |
店舗 | ×~△ | 〇 | ◎ | ×~△ | 〇~◎ |
駐車場 | ◎ | △ | △ | ◎ | 〇 |
既存利用 | △~〇 | △~〇 | △~〇 | △~〇 | △ |
このように、それぞれの案件でそれぞれの特徴があることを理解していただけたかと思います。
これは、個人の方に限らずプロのディベロッパーにおいても「この土地を活用するにはどうすればいいか」という観点から選択肢を吟味するものであるので、先ほどの話の通り、まずは自分の持っている手段【資金と期間】についてよく理解したうえで、ゴール【収入】について検証していくことをおすすめいたします。
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