壁紙（クロス）リフォーム張り替え費用の相場解説

壁紙を替えると部屋のイメージがガラリと変わり、新築の家に引っ越したかのように明るくなります。
特に、ペットやお子さまがいる場合は、汚れがしみついていたり、あちこち剥がれていたり。
気になったまま何年も放置しているお宅も多いのではないでしょうか。

【一軒家まるごと】壁紙（クロス）リフォーム張り替え費用の相場

壁紙張り替えの費用は、壁紙代と施工費用の合計額で決まります。

※壁紙のグレードには「量産品」とよばれるスタンダードと「1000番台」とよばれるハイグレードの2段階があり、デザイン性や機能性で単価が決まります。
※スタンダードは1mあたり1,000円（施工費含む）、ハイグレードは1mあたり1,500円（施工費含む）で計算しました。
※同一グレードの壁紙を使った場合の概算額です。アクセントクロスなどで一部だけハイグレードを使う場合は金額が変わります。
※施工会社によって、以下の費用が別途かかる場合があります。

• 養生費
• 既存の壁紙を剥がす費用
• 下地処理費
• 廃材処分料

※価格は2024年5月現在の相場です。

【広さ別・場所別】壁紙（クロス）リフォーム張り替え費用の相場

次は広さや場所ごとに費用相場をみていきましょう。

トイレや洗面所など狭いところは使用する壁紙自体は少ないのですが、施工の手間は洋室と同様かそれ以上となるので費用が割高となります。また、耐水・防臭・防汚など機能性壁紙を選択するケースが多いので、ハイグレードの料金プランを想定したほうが現実的です。

壁紙（クロス）リフォーム張り替え費用の内訳、要因

壁紙張り替えの費用には、次の費用が発生します。

• 壁紙代
• 養生代
• 壁紙剥がし代
• 廃材処分代
• 家具移動代
• 出張費
• 現場管理費

また、施工時に人が住んでいるのか、部屋に家具や物が多いか、既存の壁紙の剥がしやすさによって作業効率が変わります。

部屋の中に家具が多い場合は、移動や養生に時間と費用がかかるので「壁紙の単価×面積」のほかに「養生費」や「家具移動費」等の名目で別途費用が発生します。

壁紙（クロス）リフォーム張り替え費用の見積書の見方

施工会社によって、見積の出し方が大きく2パターンに分かれます。

• メートル（m）単価
• 平米（㎡）単価

メートル（m）単価

使用する壁紙の「長さ」を1m単位で計算する方法。
通常、壁紙は90cm幅なので以下のように計算します。
90cm×●m（使用する壁紙の長さ）
量産品の1メートルの単価を1,000円とすると、メートル単価は1,000円です。

平米（㎡）単価

使用する壁紙の「面積」を1㎡単位で計算する方法。
90cm幅の壁紙を1メートル使うと面積は0.9㎡なので、1㎡単価で計算する場合は、約1.1倍にして平米単価を計算します。
90cm×1.1（1m幅に換算）×●㎡で算出した額が見積額になります。
量産品の1メートルの単価を1,000円とすると、平米単価は1,111円です。

このように、単価だけで比べると、平米単価で計算している業者は高く見えます。 複数の見積を比較する場合は、単位に注意しましょう。

壁紙（クロス）リフォーム張り替え費用を安くする方法

ハイグレードの機能性壁紙は高くなるので、使用する箇所を限定すると費用はおさえられます。リビングの一面をハイグレードのアクセントクロス、それ以外の三面を量産クロスにする、水回りだけをハイグレードにする、など上手に使い分けると費用の節約になります。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えコスト削減のための具体的な方法

見積書を見ると、単価に全ての施工費用が含まれている場合と、家具移動費や壁紙剥がし代、壁紙（廃材）処分代が別途請求される場合があります。

別途請求されるもののうち、自分で対応可能なものは交渉次第で費用を抑えられます。家具をあらかじめ部屋の中心に寄せておく、剥がした壁紙を自分たちで処分（小さく切って家庭ごみ扱いにする）など、見積の段階で相談すると応じてくれる業者もいます。

また「1円でも安くおさえたい」と伝えると、自社で大量に在庫がある壁紙で施工してくれる場合があります。デザインにこだわらない場合は相談してみるといいですね。

張り替えを自分で行うDIYは、コストを考えると一番安く仕上がります。DIYと業者の費用の差額は、後ほど解説します。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えの見積もりを取る方法

1社だけに見積を依頼すると適正な料金か判断が難しいので、3社以上に相見積もりを依頼し、相場感を把握しましょう。
同じ価格帯の壁紙を指定すると単純に比較できるので、全て量産品で見積を依頼することをおすすめします。業者によっては、最初からトイレやキッチンなどをハイグレードで見積ることがあり、比較が難しくなるのを防ぐためです。

とはいえ、3社以上も探し、1社ずつ見積を依頼するのは手間がかかります。一括見積サイトを利用し、同じ手間で複数社から見積もりを取り時間を節約しましょう。

壁紙（クロス）の選び方

壁紙は大きく2種類に分けられます。

• スタンダード（量産型）
• ハイグレード（1000番台）

それぞれの特徴をみていきましょう。

壁紙（クロス）スタンダード（量産型）の特徴

量産型とはいえ、基本的な機能やベーシックな色柄はそろっており、ほとんどの壁紙に防カビ機能、準不燃機能が備わっています。
素材はビニールが多く、安価で耐久性があり、維持管理しやすいのが特徴です。

壁紙（クロス）ハイグレード（1000番台）の特徴

量産型に比べ、色・柄・機能が豊富です。ファッションデザイナーがデザインした柄も多くありますので、アクセントクロスに一面だけ取り入れると手軽に部屋のイメージアップができます。
機能面でも、消臭・抗ウイルス・マイナスイオン・吸放湿・光拡散・防キズ・不燃など、量産品よりも選択肢が広がります。
素材も、織物・紙（和紙）・珪藻土・無機質などバラエティに富んでいます。

柄ものは「リピート」といって継ぎ目のデザインが合うように貼るので、無地の壁紙より長さが必要です。

壁紙（クロス）を選ぶ基準、選び方

リフォームは、なるべく生地が厚いクロスを選び、壁の凹凸が目立たないようにしましょう。既存の壁紙を剥がす際に、どうしても下地が残ってしまう箇所があります。厚手の壁紙を採用すると壁の凹凸が目立ちにくくきれいに仕上がります。「リフォームにおすすめ」のマークがついている壁紙が目印です。

また、玄関やトイレなど、汚れやすい部分は白を避け、汚れが目立たない色を採用しましょう。

子ども部屋の壁紙を選ぶ時は「10年後もそのデザインでいいか」を基準に選びましょう。
子ども向けの壁紙はかわいいものが多く、子どもがわくわくするデザインを選びがちですが、無難なものにすればよかったと後悔する意見が多くみられます。

選ぶ時に、機能か柄かを迷ったら、機能はおまけ程度に考え、柄を優先しましょう。柄で妥協しない方が満足度は高くなります。

壁紙（クロス）のサンプルを取り寄せて気をつけること

同じサンプルでも小さくなるほど色は濃く見えます。カタログを見て、濃いと思っても実際に貼ると薄く見えます。
また、カタログでは色だけでなく、大きな柄はわかりにくいものです。A4サイズのサンプルを取り寄せるか、施工されているショールームがあれば積極的に見に行きたいところです。

ライト（電球色や昼白色）でイメージが大きく変わるので、実際に貼る部屋の壁にA4サイズのサンプルを貼ってみるのもおすすめです。

Instagram（インスタ）では、壁紙の施工例が紹介されているので型番で検索してみるとイメージがわきやすくなります。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えるならDIY？業者？

DIYと業者で比較する場合、こだわるのは「費用」か「完成度」のどちらかです。
費用面で考えるとDIYを選択したくなりますが、数年後の耐久性も視野に入れて決めましょう。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えをDIYするコツ

費用で比較すると、施工費・人件費がかからないDIYの方が圧勝です。

DIYでは、壁紙以外に材料と道具が必要です。道具は、ある程度質の良いものを使うときれいに仕上がります。

最低限必要な道具（Amazonや楽天市場にセットで売っています）

• 壁紙（のり付きがおすすめ）
• 撫で刷毛（壁紙を貼るときに空気を抜く）
• 竹べら（壁紙に折り目をつける）
• 地べら（カッターガイド）
• 切れ味の良いカッターと替刃（替刃はまめに替えたい）
• ジョイントローラー（継ぎ目を圧着する）
• スポンジ（余分なノリをふき取る）

仕上がりにこだわるなら、柄のつなぎ目が気にならない壁紙を選びましょう。

できれば2人以上で行いたいところですが、一人で貼るならのり付きの50～60cm幅の輸入壁紙を選びましょう。国産壁紙は、耳も含めると幅が92cmあり、通常は、のりがついていません。慣れていない人が一人で施工するのは困難です。

壁紙（クロス）リフォーム張り替え、DIYより業者に依頼したい場所

初めて自分で壁紙を張り替える場合、トイレなど狭い場所は難易度が高いので業者に依頼したほうが圧倒的に美しく仕上がります。

リビングなど広い面は比較的DIYしやすいのですが、絵柄を違和感なくつなぐのは難易度が高めです。こだわりのある大柄の壁紙を貼る場合も業者に依頼しましょう。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えを依頼する事業者の選び方

家を建てた建築業者に依頼すると、図面や室内の寸法を把握しているので見積は依頼しやすいのですが、費用面で比較すると、リフォーム業者の方がコスパは良いです。

壁紙（クロス）リフォーム張り替え、失敗しない事業者の選び方

適正価格で施工してくれる業者であることが大前提です。
ところが、見積書を見ても適正価格かどうか素人には判断ができません。過剰請求（ぼったくり）が心配な場合や、そもそも費用がどれくらいかかるか見当もつかない場合は、一括見積サイトを使って、複数社からおおよその見積を取ることをおすすめします。

だいたいの費用を把握したら、見積をくれた業者の中から評判の良さそうな業者を選ぶか、地元のリフォーム会社で見積をもらいましょう。価格面だけでなく、施工後の保証期間など、アフターサービスの有無も比較対象に加えてください。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えのプロ・腕の良い職人の探し方

本当に腕の良い職人は、個人を相手に営業活動をしていません。リフォーム会社とつながりがあり、依頼を受けてから派遣されます。逆に言うと、工務店やリフォーム会社は案件や顧客に応じて職人を使い分けています。

家を建てるハウスメーカーや工務店は、新築が中心なので、家具の移動や既存の壁紙を剥がす作業、下地処理などの作業が発生しない分、リフォームよりも簡単です。やはり、壁紙張り替えは手間がかかる分、内装工事専門のリフォーム会社の方が得意です。

また、内装が得意なリフォーム会社は材料を大量に安く仕入れていることが多く、費用面で良心的なケースがあります。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えに適したタイミングは？

壁紙の張り替えにベストなタイミングは、言うまでもなく家具を搬入する前の空き家です。

次に、エアコンや大型家具の買い替えのタイミングです。
エアコンは簡単に取り外せないので、壁紙の張り替えは本体を取り付けたまま、張り替え用のヘラが届く範囲しか施工しません。そのため、新しいエアコンが現状よりも小さくなったら、元の壁紙か下地がむき出しになってしまうのです。

壁紙の耐用年数は10年といわれています。
小さいお子さんやペットのいる家庭では5年、きれいに住んでいる場合でも15～20年ほどで交換の時期がきます。

壁紙の傷みがひどく、下地に影響が出る前に張り替え、自宅がいつでも居心地のいい空間になるといいですね。

壁紙（クロス）を交換したほうがいいのはどんな時？

一般的に10年といわれる交換時期ですが、次の症状が見られたら積極的に交換を検討しましょう。

落書きを落としやすい壁紙、ペットのキズに強い壁紙、防カビ効果、光触媒による消臭効果のみこめる壁紙もあります。張り替える際は、部屋の使い方に合う壁紙をお選びください。

壁紙（クロス）リフォーム張り替えをおこなう部屋の優先順位

壁紙張り替えと同時にキッチンや洗面所などのリフォームを考えている場合は、既存のキッチン・洗面所を取り外したタイミングで壁紙を張り替えると、継ぎ目が美しく仕上がります。
しかし、職人を手配する日数が増えると出張費が別途かかることがあるので、施工会社に任せた方がスムーズです。

壁紙の張り替えのみをおこなう場合は、一軒家まるごと一度で済ませたい人と、2回に分けて行いたい人にわかれます。家具の移動や片付け、掃除が大変なので、2回に分けたくなりますよね。ただ、出張費や養生費、諸経費などを考えると一度に行う方がリーズナブルです。
そして、壁紙を張り替えた部屋と張り替えていない部屋では、新旧が目立ち気になるとの意見があるので、やはり一度に行うほうが良いでしょう。

まとめ:壁紙を張り替えると簡単に自宅にいながら新居に引っ越したかのような新鮮な気分

壁紙を張り替えると、部屋のイメージがガラリと変わるので、自宅にいながら新居に引っ越したかのような新鮮な気分を味わえます。

部屋全体が明るく清潔な印象になり、気持ちが華やぐので気分転換におすすめです。壁紙の寿命は10年と言われていますが、気軽に張り替えをして気持ちの良い空間で生活したいですね。
まだ実際に張り替えを決めていない方も、ぜひ一度見積依頼や壁紙のデザインを見てみることをおすすめします。
壁紙次第で、北欧・西海岸風・カントリー調・カフェ風・和モダンなど、今の部屋がどのようなイメージになるか想像するだけでもワクワクします。
費用が気になる方は、リビングとトイレだけでも見積を依頼してみてください。

事業者を探すのが面倒な場合は、一括見積サイトを使ってみましょう。

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