「空き家差し上げます」は本当に無料?物件取得の流れと費用を解説!
24.04.01
「無料で手に入る空き家があるって本当?」
「空き家を取得するのにかかる費用を知りたい」
「無料空き家を購入する際の注意点は?」
インターネット上で、空き家と検索すると目にする「空き家差し上げます」というワード。
本当に無料で手に入るの?と気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、「空き家差し上げます」の実態をテーマに、空き家物件の取得にかかる費用や、購入時の注意点などを解説します。
空き家の活用に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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「空き家差し上げます」=0円空き家?
まず、今回のテーマである「空き家差し上げます」は本当に0円で取得できるのか、その実態について解説します。
物件自体の価格はもちろん、不動産取得にかかる諸経費についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
実際、「0円空き家」は存在する
まず、テーマに対する結論についてですが、空き家を無料で取引する「0円空き家」の事例は実際に存在します。
不動産の無償譲渡に当たる取引で、売主と買主の双方が納得すれば、物件価格0円で売買する行為自体は法律上問題ありません。
通常の不動産取引は、エリアごとの相場や築年数などによって物件価格を決定し、買主を探すのが一般的ですが、売主側の事情から無償譲渡に至るケースは年々増えています。
ただ、不動産を取得する場合、仮に物件価格が0円であったとしても、別途で、諸経費がかかるため、その費用まで考慮した上で購入を検討することが大切です。
不動産取得の際にかかる諸経費とは?
不動産を取得する際に、物件価格以外でかかる諸経費は以下の通りです。
場合によってはかからない費用もあるので、自分のケースと照らし合わせて確認してみてください。
仲介手数料
仲介会社経由で空き家を購入する場合、仲介手数料がかかります。
仲介手数料の額は物件の売買価格によって異なり、法律上以下のように定められています。
売買価格(税抜) | 仲介手数料の上限 |
400万円超 | 「売買代金(税抜)×3%+6万円」+消費税 |
200万円超~400万円 | 「売買代金(税抜)×4%+2万円」+消費税 |
200万円以下 | 「売買代金(税抜)×5%」+消費税 |
今回のテーマである0円空き家のような少額物件の場合、仲介手数料が少額になるため、仲介会社によって売買価格によらず一律で報酬を定めているケースが多いです。
登記費用(登録免許税+司法書士報酬)
不動産売買をする際、所有権を移転する必要があるため、登記の手続きをするための費用がかかります。
登記に関わる費用には法務局に支払う登録免許税と手続きを司法書士に依頼する場合、その報酬があります。
なお、費用の目安については以下の通りです。
- 登録免許税=固定資産税評価額×2%(税率)
- 司法書士報酬=3万円~5万円
不動産取得税
不動産を取得すると無償譲渡に関係なく、不動産取得税がかかります。
不動産取得税の基本税率は4%ですが、居住用建物に限って、2024年3月31日までに取得することを条件に、税率3%の特例を受けることが可能です。
贈与税
0円空き家のような無償譲渡の場合でも、物件の固定資産税評価額が110万円を超えると贈与税がかかります。
贈与税は固定資産税評価額が高くなるほど税率が上がりますが、0円空き家の場合、そこまで高額になるケースはほとんどありません。
譲渡契約に関わる書類作成費用
仲介会社を通さず、個人間での譲渡契約を締結する場合、契約に関わる書類作成を専門家に依頼する費用がかかります。
譲渡契約書の作成は司法書士や行政書士に依頼することができますが、司法書士へ依頼すると登記手続きまで一貫してお任せできるのでおすすめです。
費用をかけたくないからと契約書を個人間で作成してしまうと、後々のトラブルに発展するリスクがあるので、必ず専門家に依頼するようにしましょう。
物件修繕費
0円空き家の場合、建物の劣化が進んでおり、そのまま住むことが難しい物件が多いので、一度修繕やリフォームを施した上で使用するのが一般的です。
物件価格はタダ同然で取得できたとしても、その後の修繕費が多くの場合で発生するため、事前にある程度の修繕見積りを取った上で検討することをおすすめします。
0円空き家の探し方
次に、0円空き家に興味がある人に向けて、物件の探し方について紹介します。
0円空き家を探す際の手段として有効なのは以下の通りです。
空き家専門のマッチングサイトを利用する
「空き家バンク」や「空き家ゲートウェイ」、「みんなの0円物件」のような、空き家専門のマッチングサイトから物件情報を探すことができます。
掲載されている物件の種類や価格、エリアなどはサイトによって異なるため、興味がある人は一度すべてのサイトを確認してみるのがおすすめです。
掲示板を利用する
インターネット上の掲示板から0円空き家を探すこともできます。
「家いちば」のような空き家専門の掲示板から「ジモティー」のような地元密着型サイトでも探すことが可能です。
掲示板上でやり取りして空き家を取引する場合、個人間取引になるため、契約条件など、取引時のトラブルには注意しましょう。
SNSを利用する
SNSから空き家情報を探すことも可能です。
フェイスブックやX(旧Twitter)、インスタグラムから空き家情報を募集することで、空き家の所有者から反響が得られる場合もあります。
掲示板と同じく、あくまで個人間取引になるため、取引時のトラブルには注意が必要です。
探したいエリアの自治体に問い合わせる
人口減少が進むエリアでは移住者を積極的に受け入れている自治体が多いです。
移住者の住まい探しを支援している自治体もあるため、物件を探したいエリアの自治体に問い合わせることで、空き家情報を紹介してもらえる可能性があります。
知り合いに相談する
少ないケースですが、知り合いからの紹介で空き家を取得できるケースもあります。
知り合いが無償でも手放したい空き家を持っていることが条件になりますが、不要資産として運よく譲り受けられる可能性もゼロではありません。
0円の空き家を取得するフローと費用
ここでは0円の空き家を取得するフローと費用について解説します。
先述したように、0円の無償譲渡であっても所有者と取得者の同意があれば取引自体に問題はありません。
物件価格が0円であるため、贈与行為に当たる取引であり、以下のような流れで必要な費用を負担することで0円空き家を取得することが可能です。
取得のフロー
0円空き家を取得する際のフローは一般的に以下の通りです。
- 物件を探す
- 物件を取得したい意思を所有者に伝える
- 所有者と交渉の上、無償譲渡の合意を得る
- 譲渡契約を締結する
- 登記手続きの準備をする
- 物件を引き渡す(所有権を移転する)
譲渡契約の締結や登記手続きなどは個人間で行うと後のトラブルやリスクにつながる可能性が極めて高いです。
専門家に依頼すると費用はかかりますが、安心安全の取引のため、契約書類の作成や登記手続きは専門家に委託することをおすすめします。
取得する際にかかる費用
0円空き家は売買価格こそ0円ですが、以下のような費用がかかります。
- 仲介手数料(※不動産仲介会社を利用する場合のみ)
- 登記費用(登録免許税+司法書士報酬)
- 不動産取得税
- 贈与税
- 譲渡契約に関わる書類作成費用(※司法書士や行政書士などに依頼する場合)
先述したように、0円空き家は建物の劣化が激しく、取得後に高額な修繕費がかかることもあります。
取得にかかる費用は物件によって異なるので、事前に費用を計算した上で取得を検討するようにしましょう。
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地方は0円空き家が多い?
0円空き家は地方になるほど多く、現在深刻な社会問題となっています。
管理できていない空き家は劣化のスピードが早いため、周辺の景観を悪化させるだけでなく、空き巣や放火などの事件や事故につながるリスクもあります。
地方に0円空き家が多い理由
地方で空き家が増えていることは現在日本が抱える問題を象徴している現象です。
ここでは0円空き家が地方に多い理由を解説します。
人口減少
地方に0円空き家が多い一番の理由は人口減少です。
単純に人の数に対して住宅が多過ぎる状態であり、空き家が増えるのはもはや必然的と言えます。
地方は土地が豊富にあるため、不動産会社による新築の分譲開発がしやすく、且つ価格が安価であることも空き家が余ってしまう大きな理由です。
高齢化
高齢化が進んでいることも地方に空き家が多い理由です。
2世帯での共同生活が減った今、高齢により自立した生活が困難になると、老人ホームやサービス付き高齢者住宅に移住するケースが増えています。
残された自宅が次の世代に継承されず、また処分もされず空き家として残ってしまうケースは本当に多いです。
家屋の老朽化
地方は昔からの古い家屋が建て替えされないまま残っており、親族への継承や第三者への譲渡が進まないことも空き家が増える理由となっています。
リフォームや解体の費用に補助金を出すことで再利用の促進を目指す自治体もありますが、人口減少により、対策が進んでいないケースがほとんどです。
相続問題
相続人がいない、または相続人はいるけど相続手続きをしていないなど、相続問題により空き家の状態が続く物件も地方になるほど多いです。
現在では相続登記が義務化されていますが、それ以前から空き家の状態が続いているケースや相続人がいないなどが理由で相続されずに残っている空き家物件は多くあります。
固定資産税
地方の不動産は固定資産税が安く、特に支払いに困らないため、空き家のまま所有され続けているケースもあります。
物件によっては毎年の固定資産税が数千円というケースもあり、両親から受け継いだ大切な資産であるからと売却せずに所有し続ける人も多いです。
無料空き家のメリットとは?
ここでは地方に多い無料空き家のメリットについて解説します。
家賃や住宅ローンなどの支払いがない
物件の取得費用が諸経費だけの無料空き家は、家賃や住宅ローンの支払いがない分、 コストを抑えられるメリットがあります。
購入後に修繕が必要な物件も多いですが、とにかく安く空き家を手に入れたい場合におすすめです。
自分のペースでリフォームやDIYができる
無料空き家の購入後は自分のペースや好みに合わせて、リフォームやDIYをすることができます。
居住用にそれなりの費用をかけて大変身させる人もいれば、第三者に賃貸する用に自分で最低限のリフォームと修繕をして貸し出し、家賃収入を得る不動産投資家もいます。
新たな生活スタイルに挑戦できる
無料空き家は地方に移住して新しい生活スタイルに挑戦したい人にもおすすめです。
解説したように無料空き家は地方に多く、自治体によっては移住者に空き家を紹介しているケースもあるため、コストを抑えて地方移住したい人はぜひ検討してみてください。
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無料空き家のデメリットとは?
次に無料空き家のデメリットを紹介します。
購入費用が安いなどメリットが多い無料空き家ですが、以下のようにデメリットもあるので購入後の後悔につながらないよう注意しましょう。
修繕費用や維持管理費がかかる
無料空き家は築古で劣化が激しい物件が多く、修繕費や維持管理費用が高額になるケースもあります。
物件選びの際は購入にかかる費用だけでなく、購入した後にかかる費用も見込んだ上で検討することが大切です。
インフラが整っていない場合がある
地方の中でも山間部にあたるエリアの場合、水道やガス、電気などの生活インフラが整っていない物件もあります。
インフラが整っていないエリアでの生活は想像よりかなり不自由であるため、事前に調査した上で取得を検討するようにしましょう。
また、水道やガスなどの整備状況と合わせてスーパーやコンビニ、ドラッグストア、病院など、生活に使う施設についても調べておくことをおすすめします。
無料空き家の注意点
最後に無料空き家を取得する際の注意点を解説します。
空き家を取得してから後悔しないよう、物件選びの際は以下の内容をぜひ参考にしてみてください。
今後かかってくる費用の確認
無料空き家は取得費用こそ少額ですが、築古物件になるほど取得後にかかる費用は高額になります。
最低限生活できるレベルの修繕費はいくらか、どこまでリフォームを加えるのかなど、取得後にかかる費用を確認した上で物件を選びましょう。
家具や不用品の取り扱い
購入する空き家の中に残置物がある場合、家具や不用品の取り扱いは必ず確認しましょう。 間違っても勝手に処分したり使用したりしないよう注意が必要です。
物件の状態をしっかりとチェックする
無料空き家は建物が老朽化している物件が多いため、物件の状態をしっかりチェックすることも大切です。
建物の躯体部分の劣化が激しい物件であれば、修繕やリフォームができないケースもあります。
リフォームや修繕ができないと建物を建て替える必要があり、当初の資金計画が狂ってしまうリスクもあるので注意しましょう。
周辺環境を確認する
購入を検討する無料空き家の周辺環境を確認することも大切です。
特に、地方移住者などで土地勘がない場合、周辺環境を確認しないと取得してからの後悔につながるリスクがあります。
買い物ができる施設や教育施設、公共施設など、周辺の生活環境を確認した上で購入を検討するようにしましょう。
まとめ
今回は無料空き家の実態をテーマに、物件の取得費用や購入時の注意点などを紹介しました。
空き家は日本社会が抱える大きな問題ですが、解説したように、活用することで空き家にしかない魅力やメリットがあります。
空き家を利用した地方移住や賃貸経営に興味がある人はぜひ今回の内容を参考に取得を検討してみてください。
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