今農地付き空き家の需要が急増中!?特徴からメリット・デメリットまで詳しく解説!
- 更新日:2024.03.06
近年、農地付き空き家が注目を集めています。都市部から地方への移住ブームや、自然との共生を求めるライフスタイルの変化により、農地付き物件への関心が高まっているのです。
しかし、農地付き空き家の所有には、一般的な不動産とは異なる特有の課題や可能性が存在します。
本記事では、農地付き空き家を所有している方、または購入を検討している方に向けて、その活用や売却に関するメリットとデメリットを詳しく解説します。
土地の有効利用から法的規制まで、幅広い観点から農地付き空き家の特徴を探っていきます。これから紹介する情報は、あなたの大切な資産を最大限に活かすための重要な指針となるでしょう。
でも、せっかくなら自分の持っている空き家にあった活用方法を知りたいですよね?
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農地付き空き家とはどんなもの?
今回解説する、「農地付き空き家」というのは、農地と空き家がセットになった物件のことをいいます。
空き家バンクでは、「農地付き空き家」というカテゴリーでの空き家があることをご存じでしょうか?
この農地付き空き家は、空き家バンクでは「農地付き物件特集」というカテゴリーが組まれており、物件数も多く、探しやすい仕様になっています。
「農ある暮らし」~豊かな自然環境に恵まれた地方で、「農」を楽しめる暮らしを~
というテーマで紹介されており、自然と触れ合いながらの田舎で農家を希望する方にとっては、最高に魅力のつまった物件といえるのではないでしょうか?
農地付き空き家の特徴とは?
ここでは、農地付き空き家の特徴を解説します。通常の空き家とは異なる特徴を持つ農地付き空き家ですが、どういった特徴があるのでしょうか。
広大な敷地面積の物件が多数
農地付き物件を探してみると、敷地面積の広い物件が多くあることに気づきます。
敷地内には、農機具をしまうための倉庫やガレージがあったり、米を精米したり、苗を育てるようなスペースなどもあるため、必然的に広い敷地を持つ農地付き空き家が多く登録されています。
また、敷地面積の広さでいえば、500平方メートルから、広いと1,000平方メートル以上になることもあります。
通常の空き家よりも古民家物件が多数
「古民家」というのは、古い時代に建てられた農家や町屋などの民家をさしており、多くの場合、柱と梁はりを組み合わせた木造家屋のことをいいます。
昔からその地域で育んできた農業があり、古くから受け継がれてきた建物の多くは、「古民家」としてしっかり残されています。
そのため、通常の空き家に比べて、農地付きの空き家の場合は古民家の割合が高くなっているのです。
かぶき屋根や、囲炉裏までついているような物件となるとかなり稀ですが、大きな瓦屋根の物件は多くみられます。
農地だけでなく山林もついてくるケースもある
農地というと、田んぼや畑が一般的ではありますが、山林や原野がついてくるケースもあります。
かなりの規模になるため、併せて購入するかどうかは検討できるものもありますが、所有者の意向として、建物と併せて山林や原野も売ってしまいたいという物件も多くあります。
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「所有者は就農する」ことが条件
農地を手に入れるための条件として、農地法上で「所有者は就農する」という条件があります。
新規就農者として認められる条件は、以下の4つがあり、ひとつずつ詳しく解説していきます。
- 取得する農地のすべてを効率的に利用すること
- 必要な農作業に常時従事すること
- 一定の面積を経営すること
- 周辺の農地利用に支障がないこと
● 取得する農地のすべてを効率的に利用すること
農地の譲受人(借受人) は、 申請を行う農地を含め、既に所有または借りている農地のすべてを効率的に耕作する必要があります。
あまりに広い農地を購入してしまうと手が回らなくなる危険もあり、自分の力量に合った農地選びが重要になってきます。
● 必要な農作業に常時従事すること
つまり、週末だけ農家として働く、というようなことは想定されていません。
具体的な日数でいえば、水稲の場合は年間150日以上の農作業への従事を目安としています。
● 一定の面積を経営すること
取得する農地の合計面積が、北海道なら2ヘクタール、その他の道府県では50アール以上が必要とされています。
ただし、この面積は各地域の農業委員会で引き下げが可能になっているため、詳しくは確認するとよいでしょう。
● 周辺の農地利用に支障がないこと
申請地周辺の農業に影響を与える利用はできません。
水利調整に参加しない、無農薬栽培が行われている地域での農薬は使用しないことなどが挙げられます。
購入したい農地が決まれば、まず農業委員会へ問い合わせ、申請の手続きに入ります。
そして、これら4つの要件をすべて満たすことで農業委員会からの許可が降りれば、晴れて農地を購入することができます。
また、農地購入後に農家としての活動が難しく、農地を宅地として使いたい、という場合は農業委員会の許可を得て、農地転用の手続きを行う必要があります。
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農地付き空き家のメリットは?
ここまで、農地付き空き家の特徴や、購入するための条件などを説明しましたが、そもそもメリットってなんだろう?
と、思われる人もいるかもしれません。
そこで、メリットについてもしっかり解説していきます。
簡単に自然と触れ合う生活を手に入れることができる
農地付き空き家があるような田舎では、都心部とは景色も全然違ってきます。
家から一歩外に出れば一面に広がる自然を感じることが出来ます。
そして、家の中にいても、蝉の声やカエルの声、うぐいすの鳴き声も聞こえてきて、常に自然に囲まれた生活を送ることになり、自然を間近で感じる生活を実感できます。
また、自分で作った作物をすぐに食べられること、家族と食を学びながら食事を楽しめることなども大きなメリットといえます。
そして、近隣の農家の方と農作物の交換をしたりと、田舎ならではの助け合いをする付き合い方も魅力のひとつといえるでしょう。
空き家と農地を併せて取得できる
空き家と農地をセットで取得することで、購入費用も抑えられます。
浮いた初期費用を、農機具や住宅のリフォーム費用に充てることもでき、とても大きなメリットといえます。
また、空き家バンクを利用することで、空き家と農地の情報を同時に閲覧することができ、なおかつ、自治体により農地付き空き家の所得条件の緩和の恩恵も受けられます。
具体的には、空き家の利活用や地方への移住促進、新規就農促進等の観点から、農地の取得にあたっては農業委員会の許可が必要となりますが、自治体において、空き家バンクに登録された空き家に付随する農地について、下限面積要件を1a(100㎡)程度まで引き下げるような取組が見られます。
1a=100㎡とは大体テニスコートの片面ほどの広さになります。
これくらいの敷地なら、農業初心者であっても、農業を始めやすいちょうどいい広さに思えます。
この下限面積要件は農地付き空き家所存の自治体でよく確認しておきましょう。
農地だけでなく納屋や農機具がついていることも
手に入るのは、空き家と農地だけとは限りません。空き家の他に、よく一緒に出されているセットの内容としては、納屋、農舎、倉庫、ガレージ、基本的な農機具のスコップ、クワ、またはコンバインやトラクターといった農機具まで、さまざまなものがセットで売り出されています。
1から農業を始めたいけど、何から揃えたらいいかわからない、と思っている人にとっては、最初から道具が用意されている物件だと、とてもありがたい環境となっています。
まずは、農機具付きの農地付き空き家を探してみるのもいいかもしれませんね。
農地付き空き家のデメリットは?
ここまで、農地付き空き家のメリットを説明してきましたが、デメリットも存在しますので、紹介します。しっかりと理解した上で検討するようにしましょう。
自治体で定められている条件がある
農地付き空き家の取得には、各自治体で定めている条件をクリアする必要があります。条件によっては、農地を使わない場合は農地付き空き家を取得できないこともあるので、各自治体の情報をチェックするようにしましょう。
別途費用がかかるケースがある
物件によっては、税金や登記などの維持費用がかかるケースがあります。その費用も含んだ予算を事前に算出し、余裕をもって取得することをおすすめします。
維持費用の他にも、リフォームや大規模修繕を行う必要がある場合も。この場合はかなりの費用がかかってしまうため、しっかり情報をチェックするようにしましょう。
また、農地の手入れや管理を行わないと雑草が伸びたり害虫の被害にあったりする可能性もあるため、その対策費用もかかる可能性があります。
農地付き空き家に取り組んでいる市町村は?
全国では、「農地付き空き家」に積極的に取り組んでいる自治体があります。
島根県雲南市では、平成24年に日本で初めて「農地付き空き家」の制度を導入しました。
雲南市は、「農地付き空き家」制度の先駆けといえるでしょう。
そして、令和に入り、農地の下限を引き下げた主な自治体が、山梨県山梨市、宮城県大田原市、兵庫県西脇市、新潟県十日町市、京都府京都市です。
いくつかの自治体について、詳しく解説していきます。
雲南市
島根県雲南市は、あの「もののけ姫」で世界的に有名なった、全国で唯一現存するたたら場がある場所です。
また、ヤマタノオロチ伝承地としても有名な場所です。
立地的にも、松江市と出雲市の南に隣接し、通勤や通学、商圏などにアクセスしやすく、暮らしやすい場所に位置しています。
雲南市は、日本で最初に「農地付き空き家」の制度をスタートさせました。
そして、空き家とセットで農地を取得する場合に限り、農地の下限面積を1aに引き下げる特例を設けたことで、移住者の農地取得のハードルが大きく下げられました。
西脇市
兵庫県西脇市は、昔から播州織の産地としても知られています。
緑の山々と3本の川に沿った自然豊かなまちで、播州織が繁栄した大正から昭和時代の懐かしい街並みが今も色濃く残されている、人口約4万人のまちです。
市内には、スーパーマーケットをはじめ、ドラッグストアやコンビニ、病院といった生活に便利な環境が整っており、田舎とはいっても、暮らしやすい「ちょうどいい田舎」です。
また、大阪、神戸へは車で約1時間ということもあって、とてもアクセスしやすく、都会への交通の便にも恵まれた場所になっています。
十日町市
新潟県といえば「お米」と「雪国」というのはとても有名ですが、里山の暮らしが生み出した「棚田」、すらりと美しいブナ林が広がる「美人林」、日本屈指の大峡谷「清津峡」、トンネルの先に広がる世界はまさに絶景です。
そして、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は世界最大級のアートフェスティバルです。
東京23区ほどのフィールドに、里山に突如現れる200点以上の作品がちりばめられたアート空間が広がります。
そして、十日町市はいくつものお湯が沸き出る温泉天国でもあります。
日本三大薬湯として知られる「松之山温泉」には若い人から高齢の人まで、たくさんの人が訪れます。
厳しい冬が終われば、春の山菜に、夏野菜、秋にはきのこ、そして魚沼産コシヒカリ。
十日町市を代表する食のひとつ「へぎそば」には海藻である布海苔をつなぎに使っているのが特徴です。
大地の恵みの食を楽しむ文化もとても魅力的です。
また、東京から新幹線で2時間というアクセスも良好です。
令和4年に、空き家バンクに登録された農地付き空き家の、売買できる農地の下限面積を10平方メートルに引き下げているため、
農地付き空き家の取得がしやすくなりました。
長野県
長野県は、本州の中央部に位置し、周囲を8つの県と接する内陸県であり、日本で4番目に大きな面積を持っています。
県内の80%以上が山岳地帯で、日本アルプスをはじめとする山々に囲まれ、豊かな自然が魅力です。
美しい湖や温泉、スキー場など、アウトドアアクティビティを楽しめる場所もたくさんあります。
古くから信濃の国と呼ばれ、江戸時代の善光寺参りは多くの人を集めました。松本城や諏訪大社など、歴史的建造物や文化遺産も数多く残されています。
長野県では、公益社団法人長野県宅地建物取引業協会と長野県が協定を結び、県内のあらゆる空き家の情報をまとめているサイト「楽園信州空き家バンク」を運営しています。
この「楽園信州空き家バンク」のサイトでは、希望の特徴毎に空き家の検索ができるようになっており、市町村の移住・定住支援制度と見比べながら住まい探しができます。
カテゴリーの中の「家庭菜園・畑付き」「就農者向け」などから簡単に、農地付き空き家を探せるようになっています。
また、「古民家風」「生活が便利」「温泉付き・温泉地」などの項目もあり、移住希望者にとっては、とても魅力的な項目もあり、分かりやすく分類されています。
まとめ
ここまで、農地付き空き家についてくわしく解説してきました。
空き家バンクの農地付き空き家の価格の部分では「相談」と書かれていることも多く、交渉次第ではとんでもなく安くなったり、また、相談次第で農機具もつけてもらえたりすることもあります。
少子高齢化、後継者不足の問題もあり、売りたい、引き取ってもらいたいと考える人も多くなっているように思います。
この「農地付き空き家」の制度に積極的に取り組んでいる自治体もいくつか紹介しましたが、農地取得のための条件の緩和も広がってきており、コロナ禍以前より田舎暮らしのハードルは低くなっていると感じます。
住んでみたい市町村や農地の状態などを参考にして、この機会にぜひ、自分に合った農地付き空き家での理想的な田舎暮らしができるといいですね。
空き家の活用方法でお悩みならタウンライフ土地活用にお任せください。あなたの空き家の状況やご希望に合わせて、様々な角度から対策や活用方法を無料提案してくれるのでおすすめです。
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