実家をリフォームする際の費用相場はどのくらい？費用を抑える方法も紹介

実家をリフォームする目的とは？

実家をリフォームする目的は、家族構成の変化による住環境の変化へ対応の為や、最新設備への入れ替えなど様々です。
ここでは、実家のリフォームをする目的として5つ紹介していきます。

＜実家をリフォームする目的＞

• 住環境の改善
• 二世帯住宅化
• 資産価値の向上
• 思い出の場所を残す
• 空き家を有効活用

住環境の改善

長い年月で傷んだ設備や老朽化した建物は、生活の質を低下させるだけではなく、安全面でもリスクとなります。

しかし、リフォームによって最新設備への入れ替えや断熱性能をあげたり、バリアフリー化などを実現したりすることで、快適で安心な住環境を手に入れることができます。

特に高齢者や小さなお子様がいるご家庭では、段差解消や手すりの設置などのバリアフリー化を行うことで、安心安全な住環境をつくることができます。

また、屋根に太陽光パネルを設置することにより光熱費を削減したり、耐震改修によって地震などの災害時の安全性を向上させたりもできます。

二世帯住宅化

核家族化が進んだ現代社会において、実家を二世帯住宅として改修するケースが増えています。

自身の両親や家族などが、互いを尊重しながら自立した生活を送るための間取り変更や、独立したキッチンや浴室などの設備設置など、二世帯住宅に適した空間を作り出すことができます。

二世帯住宅化は単に同居するだけでなく、家事や育児を分担したり、介護が必要になった際にサポートしあったりと、家族の絆を深める効果も期待できます。

資産価値の向上

老朽化した家は、資産価値が低下する可能性があります。

リフォームによって建物の状態を改善し、最新設備や機能を取り入れることで、将来的な売却や賃貸時の有利化を図ることができます。

特に、耐震改修や外壁・屋根の修繕などのリフォームは、建物の価値を維持する上で重要です。

また、前項で紹介した住環境の改善を行った住宅は、購入者層を広げ売却価格を向上させる効果も期待できます。

思い出の場所を残す

実家は、家族の思い出が詰まったかけがえのない場所です。

単にリフォームするだけでなく昔ながらの雰囲気を残しつつ、現代的な設備を取り入れることで、思い出の場所を大切に守りながら快適な暮らしを実現することができます。

例えば子供の成長の記録が残る柱はそのまま残すことで、子供の成長を懐かしめる空間にしたりすることができます。

空き家を有効活用

空き家となった実家を有効活用したいという目的も増えています。

リフォームを行って、賃貸物件として貸し出したり、民泊施設として運営したりすることで、新たな収益源を生み出すことができます。

また、地域活性化に貢献するため、地域の交流拠点となるカフェやコワーキングスペースなどに改修するケースもあります。

空き家を有効活用することで、地域社会への貢献にも繋がるのです。

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リフォームの種類と費用相場

実家のリノベーションやリフォームは、バリアフリー化、二世帯住宅化など、目的によって様々な選択肢が存在します。

しかし、それぞれの工法や施工範囲は大きく異なるため、単純に床面積だけで費用を比較することはできません。

そこで、この章ではリフォームの種類別に大体どのくらいの費用が掛かるのか、紹介していきます。

＜リフォームの種類＞

• 部分リフォーム
• 大規模な修繕を行うリノベーション
• すべて壊して新しく建て直すフルリフォーム

部分リフォーム

部分リフォームは、手軽に快適性を向上するうえで一番手軽なリフォーム方法です。

キッチンや浴室、トイレなどの特定の空間を重点的に改修することが多く、費用は数十万から数百万程度とされています。

リフォーム内容	費用相場
キッチンを最新の省エネ型に交換	約1,000,000円
浴室をユニットバスへ交換	約1,000,000円
トイレを節水型へ交換	約200,000円
段差や手すりを設置してバリアフリー化	10,000円～200,000円程度

リノベーション（大規模修繕）

間取りの変更や設備更新など大規模な修繕を行うことで、住まい全体を刷新することができるリノベーションは、部分リフォームよりも費用が掛かりますが理想的な空間を実現でき、耐震改修や省エネ対策など機能的な改善も可能です。

リノベーション内容	費用相場
床をフローリングに張り替え	約200,000円
リビングに床暖房設備を導入	約700,000円
和室を洋室に改装しリビングと繋げる	約1,200,000円
外壁に耐震用の補強材を取り付け	約500,000円
玄関を広げて階段にドアを設置（二世帯用）	約1,000,000円

フルリフォーム（建て替え）

老朽化した建物を解体し完全に新しい家として建て替えるフルリフォームは、リノベーションよりも費用が掛かりますが、最新の設備や間取りを取り入れることができ、耐震性や省エネ性能を大幅に向上することができます。

フルリフォーム内容	費用相場
基礎以外の部分を全面リフォーム	約5,000,000円～25,000,000円
二世帯住宅化	約8,000,000円～25,000,000円
耐震工事（基礎から工事）	約1,000,000円～2,000,000円
増築	約3,000,000円～20,000,000円

実家のリフォーム費用を抑える方法とは？

実家のリフォームは理想の住まいを実現するための大切な機会ですが、費用負担も大きなものです。

そこで、以下に費用を抑えるための方法を詳しく説明します。

＜実家のリフォーム費用を抑える方法＞

• 複数の業者から見積もりを取る
• 閑散期に工事を依頼する
• 中古建材を利用する
• DIYでできる部分は自分で行う
• 補助金や減税制度を利用する

複数の業者から見積もりを取る

複数の業者から見積もりを取ることは、リフォーム費用を抑えるための基本的な方法です。

しかし、ただ単に複数の業者から見積もりを取ればよいというわけではありません。

以下の点に注意することで、より効果的に費用を抑えることができます。

比較しやすいように同じ内容で見積もり依頼をする

業者によって見積もり内容が異なると比較検討が困難になります。

依頼する業者には、同じ内容で依頼するようにしましょう。

見積もり内容を確認する際には詳細な項目もチェックする

見積もりには、工事内容や使用する材料、費用や工期などが詳細に記載されています。

不明点があれば、必ず業者に確認しましょう。

業者の批判や施工実績も確認して信頼できる業者を選択する

見積もり内容だけではなく業者の評判や施工実績も確認しましょう。

インターネットや口コミなどを参考に、信頼できる業者を選びましょう。

複数の見積内容を参考に最適なプランと価格を選択

複数の見積もり内容を比較検討し、最適なプランと価格を選択しましょう。

費用だけでなく、業者の対応やアフターサービスなども考慮する必要があります。

見積もり依頼は先を見越して早めに準備をする

リフォームを検討し始めたら、早めに業者に見積もりを依頼しましょう。

工事が始まる前に複数の業者から見積もりを取ることで、時間的な余裕を持って比較検討することができます。

閑散期に工事を依頼する

建設業界には、年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期と、夏場や年末年始の直前などの閑散期があります。

繁忙期は多くの人が工事を依頼するため、業者のスケジュールが埋まりやすく価格交渉も難しくなりますが、閑散期は業者の競争が激しくなるため、価格交渉の余地が広がり希望に合う業者を見つけやすくなります。

また、繁忙期は業者が多くの案件を抱えているため、工事が長引く可能性がありますが閑散期は、業者が比較的空いているため工事が早く進む可能性があります。

さらに、閑散期は新商品のキャンペーンや割引などが実施される場合もあります。

このように、実家のリフォームを検討する際には、閑散期に工事を依頼することを検討するとよいでしょう。

中古建材を利用する

中古建材は新品の建材よりも価格が大幅に安く、環境にもやさしい選択肢です。

以下のような場所をリフォームする際に、中古建材を使用することを検討すると良いです。

• キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備
• 床材や壁紙、照明などの内装材
• ドアや窓などの建具

水回りの設備や建具は、近くの大きなホームセンターで販売されていることもあるので、確認してみると良いです。

しかし、中古建材を利用する際には以下の点に注意が必要です。

• 状態をしっかりと確認
• サイズや規格が合わない場合がある
• 取り付け工事が必要

DIYでできる部分は自分で行う

壁紙の張り替えなど、DIYは費用を抑える効果的な手段です。

インターネットや書籍でDIYを学び、ホームセンターで工具や材料を揃えれば、意外と多くのリフォームを自分で行えます。

しかしDIYには時間と労力が必要で、業者に依頼するよりも仕上がりが劣る可能性もあります。

そのため、難易度を事前に調べた際に自身では難しいと感じたら無理せず業者に依頼しましょう。

DIYと業者依頼のバランスをうまく取ることで、理想的なリフォームを実現できます。

補助金や減税制度を利用する

国や自治体から提供されている補助金や、税制上の優遇処置を利用することで経済的な負担を軽減することができます。

補助金には、以下のような種類があります。

• 耐震改修工事
• 省エネ改修工事
• バリアフリー改修工事

補助金や節税制度を利用するには、条件を満たしている必要がありますので、詳細は各自治体のホームページなどで確認してみてください。

実家のリフォームを行う際の注意点とは？

実家のリフォームは住環境の改善や資産価値の向上など、様々なメリットがありますが、事前にしっかりと準備しておかないとトラブルに発展する可能性もあります。

そこで、以下にリフォームを行う際の注意点について詳しく説明します。

＜実家のリフォームを行う際の注意点＞

• 予算を明確にする
• 信頼できる業者を選ぶ
• 契約書をよく確認する
• トラブルを未然に防ぐため近隣への挨拶をする
• 思い出の詰まった遺品の処分方法を決める
• 贈与税がかかる場合もあるので調べておく

予算を明確にする

リフォームの費用は規模や内容によって大きく異なるため、事前に予算を明確に設定し、複数の業者から見積もりを取ることで、費用を抑えることができます。

リフォーム費用を明確にするために、複数の業者から見積もりを取った際には、以下のような点に注意しましょう。

• 見積内容を詳細に確認する
• 不透明な費用がないか確認する
• 予算内に収まるプランを選択する

信頼できる業者を選ぶ

リフォーム業者は数多く存在するため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

見積もりを取る前に、以下の点を確認しましょう。

• 業者の実績を確認して過去にどのようなリフォームを手掛けたのか確認する
• 口コミサイトやインターネット上の評判を調べる
• 万が一不具合が発生した場合の対応内容などアフターサービスを確認する
• 工事内容や設備に対する保証内容を確認する

さらに、見積もりを依頼した時の担当者との相性も重要です。

担当者とのコミュニケーションがスムーズに取れるかどうか、リフォームに対する考え方が一致しているかどうかなどを確認しましょう。

契約書をよく確認する

契約書はリフォーム内容や費用、工期などを明確に記載したいわばリフォームの設計図のようなものです。

内容をよく確認せずに署名捺印してしまうと、後から思っていた内容と違っていたり費用が想定より高額だったりなど、トラブルに発展する可能性があります。

トラブルを防ぐには、以下の点に注意しましょう。

• 専門用語が並んで分かり辛い契約内容もすべて理解できるようにする
• 記載されている内容で不明な個所があればすぐに解消する
• 記載されていない内容の口約束は行わない

トラブルを未然に防ぐため近隣への挨拶をする

リフォーム工事は騒音や振動など、近隣住民の方に迷惑をかける可能性があります。

事前に挨拶をして理解を得ておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

近隣住民の方に挨拶をする際には、以下のような点を説明できると良いです。

• 工事内容とスケジュール
• 騒音や振動などの対策方法
• 困ったときの緊急連絡先

思い出の詰まった遺品の処分方法を決める

リフォーム前の遺品整理は、故人との思い出を振り返ることのできる大切なものであるため、家族間で思い出を共有するためにも、それぞれの価値観に沿って処分方法を決めていきましょう。

もし、大量の遺品や複雑な人間関係で困ってしまった場合は、経験豊富な専門業者に相談するのも有効です。

専門家のサポートを受けながら心身への負担を軽減し、スムーズなリフォームへと繋げましょう。

贈与税がかかる場合もあるので調べておく

親名義の実家を子がリフォームする場合、贈与税がかかる可能性がありますので、事前に税務署等に相談し、税務上の問題がないか確認をする必要があります。

なぜなら、リフォーム費用が親に対する贈与とみなされるためです。

贈与税がかかるかどうかは、リフォーム費用や親子の関係性などによって異なりますが、一般的にはリフォーム費用が1,100,000円を超える場合、贈与税がかかりますが一定の条件を満たせば、贈与税が非課税になる場合があります。

具体的に以下の場合が非課税となります。

• リフォーム費用が1,100,000円以下の場合
• 居住用財産の贈与税非課税枠を利用できる場合
• 居住用財産の特別控除を利用できる場合