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空き家放置の現状と課題とは?対策と解決策を徹底解説!【2024年最新】

  • 更新日:2024.10.11
空き家放置の現状と課題とは?対策と解決策を徹底解説!【2024年最新】

今、全国で増え続けている空き家。実家が空き家になって放置状態になっている方も多いのではないでしょうか?

この記事では放置されている空き家問題の現状と課題などにスポットをあて、空き家放置問題の解決策や空き家問題のサポート制度などについて解説します。

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空き家問題の現状と深刻さ

国土交通省 住宅局が発表した「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」によると、日本の住宅ストック数と世帯数の推移は2018年まで右肩上がりを続けています。

1998年から2018年までの住宅総数と、総世帯数を下記の表にまとめました。

住宅総数 総世帯数 空き家数 空き家率
1998年 4,201万戸 3,781万世帯 576万戸 11.5%
2003年 4,588万戸 4,116万世帯 659万戸 12.2%
2008年 5,759万戸 4,997万世帯 757万戸 13.1%
2013年 6,063万戸 5,245万世帯 820万戸 13.5%
2018年 6,241万戸 5,400万世帯 849万戸 13.6%

引用:国土交通省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性

住宅総数の数は年々右肩上がりとなっており、総世帯数も増加していますが、2008年をピークとして人口は年々減少。
2023年以降世帯数も減少するとの予測です。

さらに団塊の世代と呼ばれる、第一次ベビーブーム時に生まれた世代の相続が進んでおり、管理されていない空き家なども増加しています。

空き家数と空き家率は年々上昇しており、今後の人口減少の予測を踏まえるとこれからさらに空き家は増加していくことも想定されるのが現状です。

野村総研が公表した2028年及び2033年の総住宅数、空家数空き家率の予測は以下の通りになります。

総住宅数 空き家数 空き家率
2028年 6,884万戸 1,394万戸 25.5%
2033年 7,106万戸 2,146万戸 30.2%

引用:野村総合研究所レポートより

調査内容を見てみると、なんと2033年には3割以上が空き家となる事態となります。

空き家の数がここ数年で飛躍的に増加することが想定されており、非常に深刻な問題となるでしょう。

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空き家はなぜ問題になるのか?

ここまでは空き家の現状や今後の想定などについて解説しました。

ここ数年で空き家の急激な増加が想定されているのですが、空き家の増加はどのような問題を引き起こすのでしょうか。

ここからは、空き家の増加による諸問題について詳しく解説します。

地域の安全・衛生環境の悪化

空き家が増加した場合、大きな問題となるのは管理されない空き家が増加する点です。

空き家が管理されていない場合、人の出入りがほとんどありませんので、不審者などが入りやすい要因をもたらします。

不審者が空き家で生活する場合、不審火などのリスクが増加します。

また、犯罪などの取引場所となる可能性も考えられるでしょう。

地域の安全面を脅かしてしまう恐れがある点が大きな問題のひとつです。

また、衛生環境の悪化も問題点として挙げられます。

ほとんど人の出入りがない空き家となってしまうと、ゴミの不法投棄などが増加し、害虫などを発生させる要因となってしまうことも想定されるでしょう。

ゴキブリやネズミなどが増加すると、近隣の衛生環境を大きく悪化させてしまいます。

シロアリなどが発生した場合、空き家自体の耐久性が大きく損なわれるだけではなく、近隣の住宅へシロアリが移動する可能性もあり、大きな迷惑を被ってしまうでしょう。

地域の安全面や衛生環境などに大きな悪影響を引き起こす可能性が高くなる点は、空き家が増加した場合の大きな問題点です。

地域経済への悪影響

空き家が増加することにより地域経済に大きな悪影響となる点も挙げられます。

管理されていない空き家が増加してしまうと、劣化が著しい家が地域のあちらこちらで散見されるようになるでしょう。

そうなると、地域の不動産価値が下落するきっかけとなってしまいます。

特に管理されていない廃墟のような空き家が近隣にある場合、その場所で生活したいと感じる方も少なくなってしまい、大きなマイナス要因です。

さらに管理されていない空き家が近くにあることで近隣住人が不安を感じてしまい、人口が流出し、空き家がさらに増加してしまうケースも考えられます。

人口減少は地方自治体にとって、税収の減少など経済面でも大きな悪影響を及ぼすでしょう。

所有者への負担

空き家を所有した場合、所有者はさまざまな費用がかかります。 土地や建物などの不動産を所有している場合、固定資産税を納税しなければいけません。

住居などの建物がある場合、宅地並み課税の特例により、一般的な固定資産税よりも税額が抑えられています。

しかし、管理されていない空き家の場合、地方自治体から特定空き家に認定されるかもしれません。

特定空き家に指定されてしまうと、改善や指導に従わなければ、宅地並み課税の特例から除外されてしまい、固定資産税が大幅に増額される場合もあります。

所有者の負担が大きくなってしまう要因です。

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また、空き家をしっかり管理するためには、セキュリティ面も強化しておく必要があるでしょう。

さらに、住んでいない家でも修繕などが必要になることもありますので、メンテナンスに関するコスト負担も必要です。

何も収益性がない空き家に対し多くのコストがかかります。

コスト負担が重荷となり経済的な面から放置してしまい、管理されていない空き家となってしまうケースもあります。

所有者の負担が大きい点も管理されていない空き家が増える問題点といえるでしょう。

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空き家を放置することのリスク

空き家を放置してしまうとどのようなリスクが考えられるのでしょうか。

ここからは、空き家を放置することのリスクについて詳しく解説します。

所有者への影響

空き家を放置してしまうと前述したように、不法侵入による犯罪や、不審火による火災といったリスクが大幅に増加してしまいます。

もし、自分が所有する空き家で犯罪が行われていたとすると、空き家は一気に資産価値を失ってしまい、貸すことも売ることもできず、コストばかりかかってしまうでしょう。

また、放置してしまうことにより特定空き家に指定されることも考えられます。

特定空き家に指定されて、行政が指導しても全く改善しない場合は、前述したように固定資産税の宅地並み課税特例から除外されてしまう可能性もあります。

さらに、50万円以下の過料や最悪の場合行政代執行による解体といった罰則がかかるかもしれません。

行政代執行によりかかった解体費用も、後ほど所有者に請求されますので金銭面の負担など大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。

行政への影響

放置された空き家があることにより行政にも大きく影響を及ぼします。

まったく管理されていない空き家が増加することには、地域の景観を大きく阻害してしまうでしょう。

地域の景観が阻害されてしまうことは、地域全体の資産価値にとってマイナス要因です。

不動産が流通しませんので、人口の流入が見込めず、税収が減少するといった悪影響が考えられます。

また、管理されていない空き家があることにより、地域の再開発や都市計画の推進などを妨げてしまうかもしれません。

前述したように、管理されていない空き家は治安面に悪影響を及ぼしてしまいます。

そのため、治安対策やコミュニティの強化などに、コストをかけなければいけません。

このような問題から、行政は空き家対策に取り組まなければいけませんが、上手く対処できないと地域住民の不満が高まることにもなってしまいます。

放置された空き家の増加は、行政へも大きな悪影響を及ぼすといえるでしょう。

地域社会への影響

最後に放置された空き家に関して地域社会への影響について解説します。

空き家が増加されてしまうと、前述したように害虫が発生する要因となってしまいます。
特に要注意なのがシロアリの発生です。

シロアリは、ある程度家の木材を食い尽くしたら次の場所に移動しますので、近隣の家が被害の対象となるかもしれません。

シロアリの被害にあってしまうと、修繕や予防に関する余計な費用がかかりますので地域社会にとって非常に悪影響です。

また、放置された空き家は維持管理がまったくなされませんので、一気に劣化し、なかには廃墟化するケースもあります。

そのような空き家は耐久性が非常に弱くなってしまいますので、災害や地震などに関して倒壊などを心配しなければいけません。

近隣住民や通行人へケガさせてしまうリスクなども負ってしまいます。

放置された空き家は地域社会にも大きな悪影響を及ぼしてしまうといえるでしょう。

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空き家放置問題の解決策

前章で空き家を放置してしまうと、さまざまな悪影響を及ぼしてしまうことが分かったのではないでしょうか。

ここからは空き家放置問題の解決策について詳しく解説します。

空き家の売却

所有者が今後使用しない場合や、空き家に対し特に思い入れがない場合などに関して、空き家の売却は効果的な解決策のひとつです。

前述したように、何も収益性がない空き家を所有し続けることにより、税金や維持管理、セキュリティ面のコストなどを負担し続けなければいけません。

さらに空き家なので、人口の流入も見込めず、不動産を有効に活用できません。

地域社会にとってもあまりいいことではないでしょう。

所有者は、空き家を売却することで、余計なコスト負担から逃れられる上に現金化できますので、金銭面で大きなメリットを享受できます。

また、購入者が空き家に居住することにより、地域社会にも新たな雇用が生まれ、税収アップにも期待できるでしょう。

空き家の売却は多くの人に新たなメリットを産み出します。

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空き家の賃貸

空き家の賃貸も解決策のひとつです。
空き家が思い入れのある実家などで、売却したくないときなどに効果的な方法といえます。

賃貸に出すことで、家賃収入を得られますので、維持管理費や税金のコストを家賃収入でカバーすることが可能です。

また、入居者が不具合個所などを見つけて連絡してくれますので、空き家状態よりも早く不具合を発見できます。

賃貸に出す前にリフォームや空き家の片付けといったコストがかかりますが、入居者が空き家を借りてくれると長期間の家賃収入も見込めるでしょう。

固定資産税も、空き家を放置した状態だと、宅地並み課税の特例から除外される可能性もありますが、賃貸に出していますので特例対象のままです。

リフォームなどのコストとエリアの家賃相場次第の面はありますが、空き家の賃貸も効果的な解決策といえます。

空き家の有効活用

賃貸や売却以外の空き家の有効活用としてはセカンドハウスとしての利用や別荘としての利用なども挙げられます。

セカンドハウスの場合、定期的に宿泊する必要がありますが、定期的な使用と認められると、宅並みの固定資産税など優遇措置を受けることも可能です。

別荘地として利用する場合、まとまった休みなどに空き家を活用することで、気分転換が図れるでしょう。

所有者が自ら空き家を利用することにより、管理や維持がやりやすくなります。

ストレス解消やリラックスにも役立てられますので、一石二鳥の効果が得られるでしょう。

少しの期間でも、その地域で生活しますで、地域の活性化や観光振興などにも寄与します。

生活の質向上などの面で効果的な活用方法といえるでしょう。

専門家の支援

空き家放置問題の解決策といっても、あまり不動産に詳しくない場合どのような解決策があるのか思い浮かばないかもしれません。

先ほど、いくつかの解決策を提案しましたが、必ずしもすべてのエリアで有効ではありませんので、地域の状況をアドバイスできる専門家などの支援を頼りましょう。

例えば、空き家の対策などに力を入れている自治体などは、サポートなどの窓口を不動産会社に依頼している場合がありますので自治体に問合せしてみる方法が挙げられます。

また、直接地域の不動産会社に相談して見るのも効果的な方法です。

相談だけならば費用もかかりませんし、地域の情報をうまくマッチングして最適な提案にも期待できるでしょう。

不動産会社を中心とした専門家へ空き家対策の解決方法を相談するのも効果的な解決策です。

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空き家問題のサポート制度

空き家の放置問題に対する解決策について解説しました。

少し解説しましたが、空き家問題のサポートには専門家などに相談するのも効果的です。

では不動産会社の他にはどのようなサポートが期待できるでしょうか。

ここからは空き家問題のサポート制度について解説します。

国・自治体

前述したように空き家問題は今後、深刻な社会問題となることが想定されます。

国や自治体も空き家の解消に向けてさまざまな取り組みを実施していますが、その一環として挙げられるのが補助金制度です。

自治体によって異なるものの、空き家に関する補助金を支給することで、空き家問題の改善に取り組んでいる自治体は非常に多いといえるでしょう。

リフォームの費用に補助金を支給しているケースや、入居にかかる仲介手数料などのコストを支援している自治体などが挙げられます。

国や自治体の取り組みをチェックして、上手く活用しましょう。

空き家バンク

空き家バンクとは空き家問題を改善するために自治体が提供するサービスを指します。

自治体が運営する空き家バンクのHPや地域の広報誌などへ空き家情報を掲載し、買主や借主をマッチングするサービスです。

その地域に特化した空室が掲載されていますので、エリア限定で住まいを購入したい方などには、貴重な情報源となります。

情報を得たのち、内覧や交渉などは直接所有者と行う必要がありますが、契約などは地元の不動産会社がサポートするケースが多いので安心です。

また、空き家バンクの物件は補助金などを活用しやすいケースも見受けられますので、経済的なメリットも享受することができるでしょう。

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まとめ:放置されている空き家問題はサポート体制をうまく使うことが大事

空き家問題は、これからも続く少子高齢化による人口減少を踏まえると深刻な社会問題となる可能性も考えられます。

管理されておらず放置されている空き家が増加してしまうと、さまざまな面でのデメリットが多いため、所有者だけではなく自治体も空き家問題解消に向けて取り組まなければいけません。

空き家対策特別措置法による特定空き家の認定など、空き家の解消に対し行政が立ち入ることができるようになりました。

今後空き家の所有者は、きちんと管理しておかなければ、経済的な負担がより大きくなってしまう可能性も考えられます。

空き家をうまく活用できると、現金化や収益獲得なども可能です。

自治体などのサポート体制を利用し、適切な空き家管理が必要といえるでしょう。

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