住まい・家の色について
色は、本当にむずかしいです。
色かげんって、けっこう個人的なモノで、好き嫌い的な要素も大きいし、その色の深さにも、いろいろな段階がありますから。「茶」や「エンジ」なら和風なイメージの色。洋風なら「白」が多い。
いっぽうで「茶」や「エンジ」は自然界に存在する色だけど「白」は自然界にはない色、使い方にもむずかしさがあります。男性は、意外に色に対して無頓着ですが、女性は、色に対する感性が高いというのもあります。そんなこんなで、「色」の扱いは、本当にむずかしいです。
エクステリア(外観)の重要性とは
今後の注文住宅の家づくりは、家の内側の設計だけでなく、外観的な美しさ、周囲とのバランスが求められます。家づくりをする上で、造園、外回り、外観は、すごく重要。特に建て売り住宅はなおさらです。
自分の家にどういった付加価値をつけるかといえば、第一に「外観」なんです。外観は、まず、なんと言っても、やっぱり「美しいこと」です。美しさというのは、ひとつは、色や形、デザインなどが、建つ場所に馴染んでいるかどうかということになります。
次に、建物だけで景色をつくらないことです。具体的に言うと、植物やカーポートなど……、家そのもの以外のモノのバランスを考えるということです。植物、樹木は、外観的にものすごく効果的です。
家、建物というのは、基本的に堅いモノ、直線でできているケースが大多数です。そのカド、直角イメージを、植物がうまく曲線に変えてくれるからです。
建物と植栽のバランスについて
家を建てる上で、建物そのものに丸味を加えて欲しいという要望も最近は多くあります。
要望に応えた注文住宅デザイン設計をしますが、家、建物そのものが、丸くなると、今度は、樹木と合わせづらいという弊害も起こってきます。建物全体が外観として見えるようでは自己主張が過ぎる感じになるし、逆に、樹木に覆い尽くされている家というのも違和感があります。つまり、建物と植物のバランスです。
わたしは、建物の高さの3分の2くらいのバランスで、植物が生えている家というのが外観的にも、いちばんバランス良い家だと考えています。また、植物の成長度合いも考慮して、住宅設計をすると良いと思います。古い家で、もとから生えていたスゴク高い木が周囲にある家があります。
でも、あれは、そのままでもかまいません。自然がつくり出すモノに汚い要素はありません。自然はそのままの姿で「美」があります。
家、建物そのものは「安定性」が大切です。
シンメトリックな構造は安定感を強調しやすいデザイン。逆に、建物上部が大きすぎる、重すぎるようなデザインは「不安定」を生みます。
ビル建築で、上部が極端に大きく設計された建物などがありますが、あれは一般住宅ではありませんから。デザインで自己主張する建造物と見なせば、そこには緊張感も出てきて、デザイン設計された意味もあるのでしょう。
でも、ふつうの方が暮らす住宅には、やっぱり「安定性」が基本にあります。