ECOと家
あまりにも化石燃料に頼りすぎたことで、オゾン層の破壊や地球温暖化などの事態が起こっています。
化石燃料によるCO2の発生を少しでも抑えたい。そのために自分たちの家では自然エネルギーを活かしたい、環境に負荷をかけないことです。住宅には多くの材料や設備が使われておりますが製造から加工、施工でたくさんのCO2を発生しているのも現実です。
作れば作るほどエコに貢献していないことになります。
しかし建設する以上エコには協力しなければなりません。
初期コストはかかりますが、ひとつには太陽光発電があります。簡易型の風力発電もあります。また高断熱、高機密、日射の遮蔽や導入、蓄熱や通風に配慮した住宅をつくり、使用エネルギーを最小限に抑えることでエコの役目を果たすことになります。
また新しくLED照明が電気エネルギーを大いに縮小してくれます。
そのほか設備関係は日々進歩しており、よく研究しなければなりません。自分たちで協力できることは協力した家づくり・暮らしづくりを進めたいですね。いまの若い世代にはそれができる「正義感」がありますから、それに期待しています。
都市型3階建て
メリット・デメリットを考慮に入れて、立地を有効活用。
都市部では敷地が狭いうえ地価も高く有効的に使わねばなりません。
敷地が狭くて3階建てで2世代が一緒に住むようなときには、2階にリビング、3階に若夫婦、1階に親夫婦といった住まい方を一般的な設計として考えます。
メリットとしてリビングは2階ですから明るさや見晴らしは確保できますし、みんなが集まるには参加しやすい上下の真ん中はいいと思います。
家族全員のつながりは深まります。
問題は風ですね。環境から見ると、都市部ですから、風を入れればニオイやほこりも入ります。これにどう対処するかが問題です。空気清浄機を設置するのも一つの手ですが、根本的な解決にはなりません。都市部の便利さと自然環境の悪さ。メリット・デメリットを考慮に入れて住まうことが大切です。
また都市型3階建ては、立地によっては1階を店舗にする、ビルトインガレージにするなど、土地をうまく活用することを建てる前に考えておきましょう。
都市部で新たに土地を購入する場合は土地の法的条件をよく確かめてください。
狭い土地で建蔽率や容積率、高度斜線、道路斜線、日影規制などで思った以上に建物が建てられないことがたくさんありますのでご注意ください。
庭について
庭に出たくなるようにする仕掛けを。
庭付き住宅は1戸建ての「憧れ」ですから、庭がどうしても欲しいという方が多いですね。実際は子どもも小さい頃(3歳くらい)までは庭で遊びますから、庭をつくってよかったと思われます。
しかし子供たちも小学生にもなれば空間がたりずもう庭で遊ばなくなります。親も庭に出ることがなくなり、やがて手入れもできず草が繁ってしまうようなことが起こります。手入れや剪定は本当は結構大変です。
しかしこうしたことをなくすには、「使う庭にする」や「変化する庭にする」庭づくりにすることが大切です。果樹を植えて収穫を楽しむ。モミジを植えて紅葉を楽しむ。池や水の流れをつくって季節の移ろいを感じる。このような仕掛けを施せば、庭での楽しみが増え、草ぼうぼうといった事態にはなりません。
また地面に草があると約6度、気温を下げる効果がありますし、樹木は蒸散作用と言って葉から絶え間なく水分を発生しています。
涼しいその場所に風が入ってきて、微気候の状態を生みだしてくれます。樹の下の「緑陰」はとても涼しく感じます。庭を長く楽しむためにはこうした「仕掛け」が重要です。
執筆者:笹沢竜市