注文住宅のデザインについて
住宅のデザインが与える効果とは
人に快感をあたえるもの。それがデザイン。
住宅は「見る・触る」といった限定的な他のデザインとは違って、五感とともに住むという機能を持った制約の中にあるデザインです。人間にとってデザインの良し悪しは、それが幸福感や心地よさを与えてくれるかどうかにまでかかっています。
ただデザインには人それぞれ好き嫌いがあって全員が一様にいいというものはありません。誰の中にも好きな「形」と「色」があります。家を建てる場合は自分の好きな「形」と「色」は何かをはっきりさせておきたいですね。
もちろん時代的な影響もあります。「形」ではかつては複雑な形状のものが「豊かさ」として、もてはやされましたが、いまはシンプルさが尊ばれています。
「色」では汚れが目立たないからという理由でベージュが選ばれていた時代がありますが、いまは白と黒のモノトーンが主流のようです。ものが溢れてくると色彩の洪水から外れようとするのでしょうか。
この先どのような「形」「色」が好まれるかは流行もあり予測はできませんが、たとえば自然の中にある曲線を取り入れた家が多く登場するかもしれません。その時の色は?白ではなくどの色が選ばれるのか、日常想像やチェックしてみるのも家づくりの役に立つのではないでしょうか。
敷地に調和した注文住宅デザインとは
主張するか。同調するか。価値はどう変わる?
敷地にどういう家を建てればよいかはよく考えなければなりません。敷地形状は千差万別ですし、高低差もあります。また既存の植物や庭空間、そして周囲の建物もあります。その中でそこにどういう建物を建てればいいのでしょうか?
周囲の家に同調した形状・色の家にするか。
それとも他の家とはっきり違う主張をもつ形状・色に家にするか。かつて素材が限定された時代は地域で同調することが当たり前でした。
しかし現代では地域に関係なく自分の好きなものが作れるようになりました。結果として様々なデザインが氾濫していますが、つくるものに権限がまだまだ強く残っていそうです。
震災後の東北地方はどのようになるのでしょうか。
ヨーロッパなどでは、景観規制が厳しく使える建築素材や工法が限られていることもあって、ほんの少しの違いはありますが全体として美しい調和を見せています。
また歴史を感じながら街の観光資源としても考えられています。街づくりとしてのデザインの価値観の違いですね。
日本でも歴史小都市として小布施や角館などはこの系譜ですね。しかし今の家はどんな素材でも使えますから主張する家になりがちですが、これからはある程度の協調性を持った方がエリアとしての資産価値があがるようです。
これからは建物の価値や地域の価値は絶対価値に移っていくと思います。