シックな内装デザイン(インテリア)について
濃い色は多様せず、スパイスカラーとして使う。色彩には重厚感や軽快感などと表現され、もともと重さの感覚があります。人間の目に入った色はその色によって行動も変わってきます。
そのため色の濃淡を場所によって効果的に配することで、心理的にもいい影響を与えることができます。
シックな内装デザインで落ち着きたいところでは床材や腰壁、各ドアを茶系などの木質系の濃い色を使い、家具や建具に同色系やワインカラーなどにすると風格や安定感が生まれます。
リビングに使えば落ち着きが増し、玄関に使えば送迎空間にしっとりとしたムードを演出できます。あまり多用すると効果がないばかりか、暗い家になってしまいますから「ここでは絶対落ち着いて過ごしたい」という場所にスパイスカラーとして使用すると効果的です。
ただ世代によっても感性が違いますので気を付けてください。
内装デザイン(インテリア)の基本とは
インテリアコーディネートという言葉の幻想
いつからかインテリアコーディネートが家づくりで幅を利かせるようになってきたのですが、日本のインテリアは単調になりすぎているような気がします。
コーディネート(統一感)という言葉に惑わされて、デザイン要素を阻害しています。
個性がなくなったともいえます。
大量生産できる工業製品(家具や建具など)をそのままインテリアの基準に取り入れ、優先順位として組み合わせ、それがインテリアコーディネートとされています。
皆さんは洋服や髪形は何に合わせますか?
それは身に付ける人の顔形や身長、肌色に合わせて決めませんか。
本来もっとたくさんの個性があってもいいと思います。またいつも同じ洋服ではつまらないのでたまには衣装替え(模様替え)するのもいいと思います。インテリアのデザインを担当するのは建築家ですから、これには建築家も加担してしまったわけです。
果たして統一感があるインテリアが本当に美しいでしょうか?
これから家を建てようとする人は子供の成長や就職、結婚と家族の形も変化することを知っておきましょう。
この先どのように暮らしたいか、何を大切にして暮らしたいかを明確にして建築家としっかり話し合うことが大切です。
極端な例をあげれば「大好きな家具に合う家」であってもいいわけです。少なくても季節ごとのカーテンの交換くらいはしてみたいですね。
できた家に単に家具を入れるのではなく。インテリアを考える前に、まずご自身の暮らしのコーディネートを振り返ってみてはいかがでしょうか。
インテリアを本気で考えるとみんな迷いの連続です。
執筆者:笹沢竜市