成功する間取作成・注文住宅プランニング編
「はじめにLDKありき」という間取りの発想をやめよう。
家族みんなの生活をどうしたいか。
何をテーマにするか
何を大切に主張するかをはっきりすることが、住みよい注文住宅・間取りづくりの出発点になります。例えば『家族のぬくもり』をテーマにすると、お互いの気持ちを思いやる間取りが見えてきます。ここでいう「間取り>」とは単に部屋名のことではありません。
もっとおおらかに「みんなと食べるところ」「心地よく寝るところ」「思うままに話すところ」と考えていくことが、空間や場の自由さをより生み出します。
間取りという言葉にとらわれず、どうみんなで気ままに暮らしたいかを考えることです。特に今までのLDKいう発想は部屋の役割や広さが優先して境界を作ってしまうので一度先入観の発想から外したたほうが、本当に家族愛を育む住みよい間取りに近づけます。
また「原則使わない部屋はなるべくつくらない」ことも大切です。例えば客間や予備室ですが、一年でどのくらい有効に使われるのでしょうか。こうした何となく作ってしまう部屋の発想をやめて、もっと家じゅうを自由に「使いこなす」ことが住みよい間取りにするためにも必要な考え方です。
住宅とは単に広さや部屋数で決め込まず、暮らす人や家族に合わせて作ることが重要です。
新しく生まれつつある「生活の変化」を考慮に入れる。
情報化の時代でパソコンが浸透し、今までのような縦社会から横社会へと社会の仕組みが変わってきました。さらに3・11の震災を経て、人々の絆が問われ、家族の在り方も再認識されてきました。同時に社会全体で暮らしの時間割も変わり始めています。
たとえばこの節電時代から将来サマータイムの導入などが一般的になれば、家族全員の暮らしの時間はガラッと変わります。また夕方から夜にかけての6時?8時はこれまで残業の時間だったものが、いろいろなことに使える時間に生まれ変わります。そして夫婦共稼ぎが当たり前となり、家事や育児の分担も協力しなければならなくなってきました。
将来、情報化で企業の組織や仕事の仕方が変わり、サテライト勤務が広まった場合はどうでしょう。食卓にパソコンを置いて仕事をするのでしょうか?それともしっかりとした個室(書斎)を設けて、そこで集中するほうがいいのか?社会の仕組みの変化が家の間取りに影響をあたえます。
それら「生まれ変わった時間」を家族が快適に過ごせるためにも間取りでどう吸収し、活用するかがこれから先の家づくりのあたらしい課題としてとらえるべきです。
子どもが学べる空間が欲しい。
すべての子供は様々なものの吸収力と想像力から発明と発見の天才だと言われます。しかし現代の子どもたちはあそびでゲームやパソコンを駆使し、そしてクラブや塾通いなど何かに管理されたり誘導されたりして過ごしており、自分で工夫するといったことが少なくなっています。
そしてナイフを使って鉛筆を削るとか、火遊びをするなど危険なことは厳しく禁止しています。また土を触らない生活は、汚い・きれいという価値観も混乱させています。こうした制約の多い生き方は子供が本来もっている本能を阻害しているのではないでしょうか。
また親子との絆を深める工夫は十分考えられているのでしょうか。子供にとって必要な室内環境はどのように作ればいいのか再考してみる必要がありそうです。
例えば土間や囲炉裏があればどうでしょう。土間は本来の使い道はたくさんありますが、そこでナイフを使い、削りカスで床を汚すことは単に散らかすことでしょうか。また火についてもそうです。要は火を禁止することではなく、火を使っても問題ないスペースをつくれば火は危険でありながらも安全な方法も知ることにもなります。
こうしたことも大人と子供のための家づくり・間取りづくりで大切にしたいポイントです。