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おもいっきり庭で遊べる造園を!

庭をつくるときは、なにをするために庭を造ったのか利用目的をキチンと理解することがいちばん大切。
家の付加価値のひとつにも「庭」があります。外観のひとつとしても、庭は十分に家全体を引き立てる効果があります。

しかし、最近は、いろいろな種類の素材、装置がありすぎて、形に溺れ始めている傾向にあります。機能だけに走ってしまうと、「庭づくり」は失敗します。機能には、限界があります。
庭の使い方でいちばんいけないのが「なにもしないこと」です。

「庭で遊ぶ方法」を考えれば、もっともっと庭が良くなります。
もっともっと庭が楽しい場所になります。…でも、今の日本の庭の多くが「遊ばないのではなく、遊べない庭」です。そういう機能につくられていないからです。

手っ取り早く庭を遊べるのが「ガーデニング」です。
花や木々を庭で育てる。毎日の水まき、木々のお手入れなどをして、心を豊かにする。

言ってみれば、「庭」は趣味のスペースです。釣りが好きな方なら、釣道具を庭に飾って、休みの日に、庭でのんびりと釣り竿やルアーなどのお手入れをする。ペットが好きな方なら、庭でペットを飼って、いっしょに遊ぶ。クルマが大好きな方なら、クルマに関するものを飾っておく。庭に、ちょっとしたデッキを設えるのは、いろいろな意味で良いことです。
デッキは建物と庭の中間にあたるような存在。

いったん、外に出るわけですが、家の中にいるときのようにくつろぐこともできます。住まう人たちの身体のためにもなります。健康管理にもつながります。…でも、日本人って不思議なのですが、90パーセント以上の方が「庭でバーベキューがやりたい」と言いながら、いざ、庭をつくっても、実際にやるのは、年に1、2回やるかぐらいで、つくった後の数年だけ。後は放ったらかしにしているケースがひじょうに多いのが現実です。

結局、遊びに対してスゴク中途半端です。もっともっと真剣に、庭を遊んで欲しい。そうすることによって、庭が年を経るごとに良くなっていきます。欧米の方々、特にアメリカ人は、どこの家庭でも、たびたび庭でバーベキューパーティを行なっています。彼らは、バーベキューの設備をカンペキに庭に設えています。

つまり、庭をつくる目的意識を再確認すれば、もっと庭を活かすことが可能なのです。
人は庭をつくった真の目的を認識できていないから、それに合わせた設備をカンペキにすることができないのです。大人だけでなく、家族全員、特にお子様……の五感を刺激してくれるような庭、これが良い庭です。美しい植物や、そこに集まってくる生き物たち……、庭に設えたイスにのんびり腰かけて、自然学習の場にも最適です。

庭は年を追うごとにどんどん変化しますから、それを観察するのも良いことです。ようするに、庭に対する目的意識をしっかりと持つということ……、住まう人がキチンと認識できていれば、庭はどんどん良くなります。

使いこなす庭をつくろう!

失敗する造園、成功する造園の境目は見る庭ではなく、使う庭であることです。失敗する庭づくりで、もっとも多いのが、手に負えない庭をつくることです。「庭には、一面芝生を敷きたい……」と、憧れだけで「庭づくり」をしたら、後がたいへんです。毎日、雑草取りはしなければいけないし、虫もわきます。そういう手入れの知識も必要です。

芝生の庭は見栄えも良いし、美しい。でも、その美しい庭を維持するためには、お客様自身の、毎日の手入れが必要です。こういうことを理解した上で、「造園」を進めることが、失敗しないための秘訣です。欅など大きく成長する木を植えるのも考えものです。アッという間に成長して、家の陽当たりにも影響します。結局、面倒になって、木を切るなんてことになれば、植物たちがとてもかわいそうです。

庭づくりには、そこを守っていくための知識も必要になります。自分はなんのために庭をつくったのかという利用目的を明確にさせて、それに見合う庭づくりをすることです。使う範囲を認識した上で庭を考えることです。目的意識を持つことです。

庭づくりで成功している人は、使う範囲を明確にしています。なにをするために庭をつくったのか利用目的をキチンと考えています。植えたものを食べたいために庭をつくった方なら、野菜でも、果物でも、木の実でも、毎日キチンと手入れして、食べられるようになるまで、キチンと育てています。ようは目的意識です。

見るためだけの庭よりも、使いこなす庭……これからは、こういう庭こそが、良い成長をとげる庭となっていくでしょう。

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