成功するリフォーム・具体編
「リビング・ダイニング」の場合
「リビング・ダイニングのリフォームは、広さや設備や機能より、
まずは、家族各々をそこへ誘導するためのアイデアが重要です。
楽しい場所でなければ、決して人はそこに集まりませんから」
「リビング・ダイニング」のリフォームで大切なのは、新築のときもまったく同じですが、「家族がみんな集う場所」ということです。
各ご家庭のことですから、他人がとやかくいえる話ではありませんが、すべてのご家族が、万事うまくいっているとは思えないんです。
たとえば、長期にわたり社会問題にもなっている「子どもの引きこもり問題」もあります。旦那さま、奥さま、子どもたちそれぞれにと、個室を与えれば与えるだけ、家族がばらばらになってしまって、家の中にいながらにして、近くって遠い、妙に複雑な関係もありうると思うんですね。
家族の中で、だれかひとりでも大きな隠しごとを始めてしまうと、家族全体のバランスが崩れてしまいます。そんなことくらい、当事者がいちばんよくわかっていると言われるかもしれませんが、いつのまにか、それが家族の日常になって、その部分を軽視し続けていると、家族のコミュニケーションに不具合が生まれます。
「リビング・ダイニング」というのは、本来は、家族のコミュニケーションを育む場所なので、そのためにも、いかに「活気とくつろぎ」ある場所に造りだすかが肝心で、建築家が設計をするにあたってもすごく大事な部分だということがひとつあります。
食事というのは、最大のコミュニケーションの時間なのです。そこに会話があるなしが問題ではありません。家族がいっしょに、その場にいて食事を摂るということこそ重要なポイントになります。
わたしが建築設計をおこなうときに大切に思っていることは、設備や機能よりも、「ご家族のだれもが、そこにいくと、くつろげだり、楽しくなるのがリビング・ダイニング」という発想です。夫婦やお子さまそれぞれで、そこにいる目的が違ったっていいのです。まずは、そこに行きたくなるということです。
でも、そこに誘導するための方法や仕掛けというのは、なかなかに難しいもので……。
たとえば、「リビング・ダイニング」から外への視界を思いきり開放した、外部に近いデザインに設計するというのもひとつです。
「リビング・ダイニング」には、暖炉や床暖房を取り入れるとか、暖かければ、自然とそこに人が集まります。
そういうふうに、なにか人が集まるアイデア、誘導を導くためのアイデアこそが、わたしの提案なのです。
「リビング・ダイニング」そのものを、思いきって、今なら民宿でしかお目にかかれない「囲炉裏づくり」に変えてしまうというアイデアもあります。
なぜか楽しそうだから、ここにいるという家族が増えたなんて単純な変化もあるかもしれません。
ご夫婦だけでなく、お子さまも加わって「リビング・ダイニング」のリフォームのアイデアを考えることが、家族の関係に新たらしい風を吹かせるきっかけになるかもしれません。