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成功するリフォーム・具体編

「寝室・子ども部屋・和室」の場合

「子ども部屋には、ぜひ資料室のように見せるリフォームを。
和室は、とにかく物置化しないで、使いこなす工夫が大事です」

日本の「寝室」というのは、どうしても狭くなりがちでした。
「寝室」のリフォームは、そんなマイナス点を補うためにおこなうのが基本にあります。

たとえば、子どもが成長して家を出たので、子ども部屋が不要になります。
そこで、隣り合ったふたつを合わせて広くしてみようという空間の足し算、引き算イメージです。

また近ごろは、寝室自体を第ニのリビング化するリフォームもありますが、こうした提案は、建築家側の提案がほとんどです。
お客さまからの提案で「寝室」をリフォームするというのは、不思議なことに、少ないものです。収納スペースを増やすなども含めて、もっともっと、お客さま側からの提案があっても良い場所だと思います。

「子ども部屋」では、ある研究で、広く大きな部屋で育った子どもは、大きな発想ができるようになり、逆に、狭く小さな部屋で育った子どもは、小さな発想にこだわるといわれています。たんに心理学的なイメージかもしれませんが、意外に、統計的な裏づけもあるらしいのです。

どうしても狭い「子ども部屋」になりがちな今の日本では、子どもの成長に少し不安を感じてしまう研究ではあります。

その件も知ってか知らずか、近ごろ、新築の時点で、あえて「子ども部屋」の境目をなくした家造りを希望される方や、リフォームで「子ども部屋」の境をなくす方も、なんとなく増えてきました。やはり、お子さんの成長をいちばんに考えてのことなのでしょう。

確かに、もともと昔の日本の家は襖で仕切られ、部屋と部屋の明確な境目がありませんでした。

坂本龍馬はじめ、明治維新で大活躍した若者たちの目に見張る発想の大きさも、こうした生活環境に影響されているのかもしれません。

また別に、わたしからの提案がひとつあります。それは「子ども部屋」の収納は、しまい込むのをほとんどやめて、ひと目に見える一面の棚を収納スペースにすればいかがでしょうかというものです。

ある中学校では、教室の中に1?3年生までの教科書がすべて並んでいる棚があるそうです。
「子ども部屋」も、使ってきた教科書や、自分の作ってきた作品などをズラリと並べられるスペースがあってもいいのではないかという考えからです。
子どもとは、常に前進するだけじゃなく、ときには以前の自分を振り返り、少しずつ成長するものです。
そんなときに、目の前に以前に学習したものがすべてそろっているのは理想的ではありませんか。いってみれば「子ども部屋」を資料室のように使うという考え方です。

「和室」も、現代の家の中では、扱いの難しいスペースです。
他の項目で「使いこなせないスペースをなくす」提案もしましたが、その第一候補にあげられる場所でもあります。
でも、なくすばかりが「和室」ではないのも確かです。「和室」には「和室」なりの意味があるからです。
本来はハレの場所で、今でも、ひな人形や五月人形を飾るなど節句の祝いや、お盆の行事をおこなう空間として利用されている家もあるでしょう。
アイロンがけなど家事をこなす場所として、毎日、使っている方もいらっしゃるかもしれません。こうして使われている場合は、「和室」も活きていますが、たんなる物置のような空間になってしまうと、もったいないですね。
「和室」は、どう使いこなすかの工夫が大事なカギになると思います。

「和室」の床は「たたみ」です。
わたしは、「たたみ」は、今後も、ぜひ残しておきたい素材のひとつとしてこだわりがあります。

日本独特の伝統的な素材という理由ももちろんですが、
すぐれた素材である点も大きな理由です。

「たたみ」には、自然に「空気の清浄化できる」、「除湿効果がある」、「ほこりが立たない」といった効果があり、人の健康や身体のためにも良いとされています。
原料である「イグサ」の柔らかさは、幼い子どもの素肌にもやさしく、授乳場所にも向いています。

いっぽう、原料の「イグサ」そのものが減少していることや、製造が難しいこと、大きくて重くて扱いが難しいこと、カビが生えやすいなどマイナス点も多く、近ごろは「たたみ」を模した工業製品も増えてきました。

「和室」が、もし、こんな「たたみ」の模造品なら、あまり意味がありませんが、ほとんど使っていないなら、そんなときは、リフォームで新しい利用法を考えてもいいと思います。

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